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「日本全国の中小企業を元気にする」赤字の町工場を復活させた2代目社長のリーダー論

8/26(火) 12:00

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全員が「多能工にしてスペシャリスト」

――社員の成長に関しては、どのような働きかけをされていますか?

【諏訪】この会社で「稼いでいる」のはあなたたちだ、と常々伝えています。みんなが優れた製品を作り、社長はその対価を管理分配しているだけだ、と。「会社の価値をつくるのは自分」と各人が意識することで、責任感と自立心が育ちます。

――先代時代から、ダイヤ精機最大の強みと言われた「技術力」の継承についてはどうでしょう?

【諏訪】その点では、当社は特徴的です。多くの町工場ではベテランが若手に教える「師匠と弟子」方式が取られますが、当社は全体的に世代の若返りが進んでいるため、若手同士が技術を教え合います。2020年に大田区産業振興協会が主宰する「大田の工匠 技術・技能継承部門」を受賞した際も、全員が自発的に指導者の意識を持つ、新しい継承のかたちを評価していただきました。

――「教え合う」というのは、教える側が教わる側にもなるということですか?

【諏訪】はい。現場の作業は多種多様で、それぞれに高い技術が要ります。どこに熟達し、どこを知らないかによって、先生にもなれば生徒にもなるわけです。こうして相互にすべての技術を共有していくことで、皆が「多能工かつスペシャリスト」になります。さらには、思いやりと助け合いの意識も高まります。

――ハイレベルな技術と、温かさが共存する職場になりますね。

【諏訪】まさにその通りです。当社を訪れる方はよく、「職人さんが怖くない!」と驚かれます(笑)。よくしゃべり、よく笑う「和気あいあいの精鋭集団」です。


リーダー育成は自己流ではいけない

――次代のリーダー育成についても教えてください。昨今、管理職になりたがらない若者が増えていると言われますが、ダイヤ精機ではどうでしょう?

【諏訪】その傾向はないですね。当社ではリーダーになってほしいと社員に告げる際、「ご家族と相談して1週間後に返事をください」と必ず承諾を取るのですが、断られたことはないので。

――リーダーになった方々には、どのような教育を?

【諏訪】社員教育用の教科書の2冊目に当たる、リーダー教育用のテキストを使用します。毎週リーダー層が集まり、1ページずつ読み合わせをしていきます。

――こちらも、諏訪社長ならではのユニークな教えが満載ですか?

【諏訪】いえ、私は長らくリーダーを自己流でやってきてしまったので、自分のやり方を一律に当てはめてはいけないと思っています。遅ればせながら「リーダー論」の本を紐解き、様々なリーダーシップのかたちを学びつつ、通底する部分を伝えるよう意識しています。例えば、「耳に届く言葉を語れる人」であること。ネガティブな言葉は決して発してはいけない、と教えています。

――苦しいときでも前向きに。

【諏訪】はい。関連して「嫌なことがあっても引きずらないこと」という項目もあります。ここを読み合わせたときに驚いたのが、「難しい」「自分はできていない」という反応が多かったこと。ここも前述の「考え方」を掘り下げながら、意識転換をサポートしていきたいところです。




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