29
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

はじめに

事業部MVPを取った優秀な後輩から「まだまだ書けるよな?」的な圧を感じたので記事を書いたのですが、
今度は「もしかして、たった2つの記事でギブアップですか?」という新しい圧を感じたので、プレッシャーに負けずもう一記事書くことにしました。

"最短で作る" と "最速で届ける" の違いを考える

「なるはやでお願い!」って、どっちの意味なんでしょう?

「なるはやでお願い!」

この言葉、割と聞きますよね。
でも、その"早さ"がどこを指しているかって、人によって結構バラバラじゃないですか?

  • 最短で 作る ことを求めているのか?
  • 最速で ユーザーに届ける ことを求めているのか?

似ているようで、実はまったく違う話なんですよね。

このあたりがあやふやなまま進んじゃうと、"最速で、誰にも届かないもの" ができあがってしまうかもしれません。

だからこそ、どこに向かってるか、できるだけ早めに認識を揃えておきたいなって思うんです。


1. "最短で作る"ってどういうこと?

"最短で作る"っていうのは、要するに開発の工数を最小限にして素早く形にすることですよね。

  • 複雑な仕様をちょっと後回しにして、まずは最低限で動く形にする
  • 既存のパーツを流用して、それっぽい動きを実現する
  • UIやエラー対応は仮置きでも、とにかく動くものを出す

こういうアプローチ、効くときは効きますよね。
特に開発工数がネックになってる場合は、最短で作るのが正解な場面もあったりします。

でも、開発以外の部分に課題があるときは、このアプローチだけでは足りないこともありますよね。


2. "最速で届ける"ってハードル高くないですか?

"最速で届ける"ってなると、開発以外のプロセスも全部含めた話 になってきますよね。

たとえば

  • 社内のステークホルダーにお披露目したら全然違う意見が出てきちゃう
  • 営業体制が整っていなくて、リリース周知などのお客様のフォローができない
  • サイレントリリースができなくて、サイト閉塞の調整が難航する

こういうの、よくあるんじゃないでしょうか。

つまり、 「最短で作る」だけじゃ"早く届けられない" ことも多いんですよね。
むしろ、作ったはいいけど止まってる...みたいな状態、経験したことある人も多いんじゃないかなと思います。


3. 「言われたとおり最短で作ったのに...」の裏にあるズレ

だれか:「なるはやでお願い!」
開発チーム:「OK、最低限だけど一旦最短で作ったぜ!」

──はい、すれ違い発生です。

  • 「触ってみたけど、これ思ってたレベルじゃないんだよね・・・」
  • 「お客様に案内するから、とりあえずリリースは待ってて!」

こういうすれ違い、わりとありがちですよね。

でもこれって、
"どっちの早さを求めているのか"をちゃんとすり合わせられていなかっただけ
だったりします。

なんだったら、
出来上がる前にスケジュール感の共有すらできていない 感じになっちゃってます。

同じ「早く」の中にも、「作る早さ」と「届ける早さ」があるんですよね。
「今回の大切にしたい早さって、どっちを指してるんだっけ?」
っていう認識を事前に共有できていたら、こういうすれ違いって防げると思うんですよね。


4. "早さ"の認識を揃えるためにできることって?

じゃあ、どうすればいいのかって話なんですが、対話による認識共有に尽きると思うんですよね。

1. 最初に「今回の早さ」は何の早さかを確認する

「とりあえずPoCなので最小の開発工数で動くものを作る」
「今月中にリリースしたいので、各チームそれぞれ逆算して進める」
みたいに、どっちの"早さ"が求められてるのか、言葉にしてみるだけでも全然違います。

2. 作る(Build)と 届ける(Delivery)をちゃんと分けて話す

作る(Build)と 届ける(Delivery)を整理してみましょう。

観点 作る(Build) 届ける(Delivery)
フェーズ 実装・開発 リリース・顧客告知・運用整備
主要な課題 工数・技術的制約 承認・顧客調整・サポート体制の確保
優先される視点 開発チーム内部の効率・速度 リリースから活用・定着までの速度

チーム内で「今どこに時間がかかってるのか?」「どの部分を短縮したいのか?」って会話をするだけでも、だいぶ見え方が変わると思うんですよね。

  • 開発工数を最小限に抑えたいから、最速で作ることを優先するのか
  • 開発工数には余裕があるけど、ユーザーが喫緊の課題を抱えているから、
    それを早く正確に解決するために届けることを優先するのか

もし、こんな認識合わせが着手前に行われていたら、動き方も変わると思うんですよ。

作る(Build)という内部のスピードを上げたいのか
届ける(Delivery)という外部のスピードを上げたいのか

認識を合わせたい部分ですよね。

3. 「これはどっちの話?」って一言添える文化を作る

「いま話してるポイントって、作る(Build)スピードのこと?それとも届ける(Delivery)スピードのこと?」みたいな、
ちょっとした一言がズレを防いでくれるんですよね。

スピードの話に限ったことではないですが、
会話の前提を揃えてから議論するって
結構忘れちゃう人多いですよね。(私も気をつけたい・・・)

おわりに:「"なるはやで!"の裏側にある想い」

「なるはやで!」って、ちょっと焦った声に聞こえるかもしれません。

でも、その裏には
「なるべく開発工数を少なくしていこう!」
とか
「ユーザーの課題を早く解決したいよね!」っていう、
誰かの、優しさとか、熱量とか、想い があるんじゃないかなって思うんです。

だからこそ、単に"早く作る"だけじゃなくて、
"早く届ける"ことも含めて、
同じ目標を目指しながら一緒に歩んで行きたい ですよね。

そのためにできるのが、
「今回はどっちの"早さ"を目指してるんだっけ?」って、早めに声をかけあうことじゃないかな〜って思っています。

29
11
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
29
11

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /