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2019年度
男女問わず能力のある従業員が活躍できるよう、職種も賃金体系も一本化しています
仕事と育児の両立支援 仕事と介護の両立支援 フレックスタイム制 男性育児参画 女性活躍推進 女性職域拡大 女性管理職登用
インタビュー
経営企画本部
人事総務センター
人事グループ グループ長
平野 真一 さん
当社では、創業当初から男女の区別なく、能力や意欲のある人材を採用し、採用した従業員の誰もが活躍できる職場風土となっています。これは、創業当時に創業者が、職種や性別にかかわらず、男女それぞれで違う能力を生かすべきと考えていたからです。それぞれの特性を尊重し、長く働き続けて欲しい、という想いを強く持っていたためです。このため、当初から職種は全員総合職とし、
賃金体系もすべて同一のものとしていました。これにより、当社では、職種や性別による差がなく、誰もが同じように能力によって評価され、管理職にも昇格する仕組みとなっていました。
以前からこのような職場風土となっていたため、当社では比較的早い段階から女性の管理職も活躍していましたし、女性に特化してその活躍を推進するための取組を行う必要性も生じていません。従業員の平均年齢及び平均勤続年数は、直近の5年間では男女ともにほぼ同じとなっています。また、女性従業員比率約30%に対し、女性管理職比率は約20%であり、同業種の平均値(電子部品・デバイス・電子回路製造業:3.2%※(注記))と比較すると、当社の女性管理職比率は非常に高くなっています。
※(注記)厚生労働省「産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値」令和元年6月1日〜令和2年5月31日適用(2019年5月20日)
当社では、従業員が働き続けるための環境整備として、従業員の仕事と家庭の両立を支援するための各種制度を導入しています。これらの制度の多くは法定に基づく基本的なものですが、誰もが必要な時にいつでも取得できる職場環境や従業員の意識が醸成されています。法定を上回るものとしては、例えば小学校就学前の子どもがいる場合は1年間に5日まで有給で取得できる子育て休暇や、
配偶者の出産に際して最大5日まで、分割して取得することも可能な配偶者出産休暇、子どもが小学校3年生まで利用可能な育児短時間勤務制度等があります。子育て休暇や育児短時間勤務制度は男女ともに、多くの利用実績があります。また、育児休業取得後の復職率は100%を維持しています。
また、特に製造部門は、多少力のいる業務もありますが、最近の重機等は誰でも操作しやすいようになっていますし、新しい技術等も導入しながら、できるだけ身体への負荷を軽減するような取組を進めています。これにより、女性のみならず、誰もがより働きやすい環境を整備しています。
当社で働きたいと考えている学生に対しては、当社が男女を問わず、誰もが活躍できる環境であること、働き続けられる職場環境が整備されていることを伝えるため、ウェブサイトの情報を充実させています。また、会社説明会等では、会社案内用の動画を活用したり、職場の状況等を先輩従業員にありのまま語ってもらうことにより、入社後のミスマッチをできるだけなくすようにしています。これにより、入社3年後の定着率も100%です。
男女の差がなく誰もが働き続けられる環境を整備してきたことにより、すべての部門において女性従業員が活躍しており、誰もがやりたい仕事に就ける環境が整っています。女性管理職も管理部門、研究部門のいずれでも活躍しており、取締役についても7名のうち3名が女性となっています。当社のこれまでの取組や男女ともに活躍していることが評価され、
2015年に内閣府「女性が輝く先進企業表彰」内閣府特命担当大臣表彰を受賞、2016年には第1回「ひょうご女性の活躍企業表彰」を受賞しました。
これらの表彰や男女ともに長く働き続けられる社風等に高い関心を抱く学生も多く、毎年多くの学生に応募いただいています。
先述の通り、当社は創業当初から、誰もが活躍できる職場環境をトップダウンで整備してきたことから、女性も活躍できる組織風土としていく上で、特に課題はありませんでした。ただ、創業当時は、妊娠・出産を機に退職することが一般的であったことから、女性従業員が産前産後休業を取得する際には、戻ってきて欲しい、
というメッセージを伝えるようにしてきました。それにより、資料で確認できる範囲では1980年代から当社では、子どもを出産しても働き続ける女性従業員がいました。
従業員の出産や育児、介護と仕事の両立を支援するために必要な制度を整備すると同時に、必要な時に必要なだけ制度を利用できる環境づくりを意識してきました。以前から仕事と育児を両立する従業員も多かったことや、従業員が今ほど多くなかった時代は、よりお互いが協力し合う必要があることを従業員一人ひとりが感じていたことから、従業員誰もがお互い様、と考え、サポートし合える意識が醸成されていると考えています。
従業員の業務外での病気や怪我、介護、家族の看護等をサポートするため、失効した年次有給休暇を積み上げ、使途を限定して利用可能にする仕組みについて、導入を検討しています。
また、近年、海外の売上比率が年々上昇し、海外とのやり取りも増えており、国によっては当社の就業時間外の対応が必要となっていることや、生産設備についても、状況により、
就業時間外の対応が必要となっていること等を踏まえ、2019年10月からフレックスタイム制を導入しました。職種や業態によっては、柔軟な働き方を取り入れることが難しいこともありますが、できる限り誰にとっても公平感のある制度の設計や運用について、今後も検討を重ねたいと思います。
日々の業務に真摯に取り組み、知識とスキルを身に着けたい
コーポレートコミュニケーション室
IR チーム
チーム長
松下 綾さん
私は2001年に入社し、秘書業務及び広報・IR業務に従事してきました。2017年にはIRチームのチーム長に任命され、現在に至っています。以前は秘書業務を中心に、広報・IR業務は副担当として従事していましたが、上司との面談の中で、広報・IR業務を中心に担うことを打診いただき、担当しています。
キャリアを重ねるにあたっては、例えば特定の組織の中だけでなくても、
きちんと通用するスキルや知識を身に着けたいと考えています。幹となる部分(基礎)を太くし、その上で必要な枝葉(その業務、組織にあった専門知識)を増やしていくことを意識し、何事も目標を持って真摯に取り組むようにしてきました。秘書業務についても、広報・IR業務についても、通用するキャリアにすべく、日々の業務に取り組み、きちんと成果を出すということに注力してきました。広報・IRの業務は、自社のことを理解し社会に対してしっかりと伝え企業価値を向上させていく業務です。世界や社会の情勢を見ながら、求められる情報をきちんと社会に伝えられるよう、これからも取り組んでいきたいと考えています。
会社の組織の中でやっていくためには、「コミュニケーション能力を高めること」「目標を立てること」「経営的感覚を持つこと」が重要であると考えています。特にコミュニケーションは社外の方々や日々の業務における上司と部下、同僚とのコミュニケーションをしっかりとっていくことで、互いの信頼関係が構築されると考えるからです。 例えば、育児や介護等のために制度を利用したいと思っても、関係性がきちんと構築されてなければ、うまく業務が回らなくなってしまう可能性があります。業務を円滑に進めていくためにも、若手の方々には特に、コミュニケーション能力をしっかり磨いて欲しいと考えています。
(データの取材時点:2019年7月)