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2023年度
休みやすい環境を作ることで、社員が安心してチャレンジできる職場を実現
仕事と育児の両立支援 女性活躍推進 女性職域拡大
インタビュー
総務部 総務部長
林 広樹さん
当社は従業員の約8割が女性です。そのため、子育て期や中高年期等の人生の各段階に応じて多様な働き方ができ、安心して長く働き続けられるような環境が必要であると考えています。従業員に対して、アンケート等から働き方に関する意見を集めた際、「上司がストイックに仕事をしているために休みが取りにくい」という意見が上がりました。この声をきっかけに、全従業員が希望するバランスで仕事ができるよう、2020年頃から環境の整備に取り組み始めました。
当社では、休みたい時に休めることが従業員のモチベーションや作業効率アップにつながると考えています。従業員から「休みが取りにくい」という意見が上がったことをきっかけに、休みやすい雰囲気を作るための環境整備を実施しました。具体的な取組として「有給休暇100%プロジェクト」があります。このプロジェクトでは、年次有給休暇を100%消化した従業員に対して5,000円相当の食料品等のプレゼントを用意しており、その結果年次有給休暇を取得する従業員が増えました。
また、当社では働き方に関する相談窓口を通して、ロールモデルとなる女性従業員とのマッチングを実施しており、働き続けていく上での悩みや心配事を相談できる体制を整えています。パートから正社員になった際の業務量に対する不安や、子育て等の理由で正社員から一時的にパートになった後再び正社員に戻れるかといった相談等、さまざまな相談に対して、ロールモデルとなる女性従業員の実際の経験を聞く場を設けることで、当社で働き続けることに対する不安が少しでも解消されると考えています。また、管理職や役員を目指したい従業員に対しても同様のマッチング(管理職や役員の実際の経験を聞く場の設定)を実施しており、活躍の機会を多く作っています。
「有給休暇100%プロジェクト」の結果、2022年度の年次有給休暇の取得率は薬剤師の正社員は91.5%、事務・営業の正社員が97.1%であり、取組が定着したと考えています。環境整備の結果、年次有給休暇だけでなく女性・男性の産前産後休業・育児休業も取得しやすい環境になったと考えます。休みが取りやすいため、平均勤続年数も増加傾向にあります。また、当社はプラチナくるみんプラス認定を中国地方で初めて取得したため、取得時には、地域のテレビや新聞等メディア露出が増え、ブランディングにつながりました。中途採用や新卒採用時には、関心を持ってもらえる人が増えていると感じています。
年次有給休暇取得を推奨する一方で、薬剤師や事務員の人手が足りないと業務は回りません。当社では、薬剤師等がさまざまな薬局に出張するラウンダー制を取り入れました。年次有給休暇や育児休業の取得による人員不足をカバーできる体制を組むことで、安心して年次有給休暇や育児休業を取得できる環境を整えました。また、店舗内の商品の配置などについて社内で統一のルールを作り、ラウンダーがどこの薬局でも仕事がしやすいように工夫しました。その結果、各店舗で取り入れている効率的な手法がラウンダーによって他店舗に広まったり、薬局店舗内での不正に対する相互牽制に繋がるなど、生産性やセキュリティ等の観点で副次的な効果も得られました。加えて、以前より様々な従業員と交流できるようになったことで、より働きやすい職場環境になったと考えます。
これからも、従業員の意見を聞きながら、制度や研修の充実を図りたいと考えています。現在は子育て等の支援は充実しているものの、介護休業、介護休暇等についてはまだ取りやすい環境ではないと感じています。子育て期だけでなく、親の介護が求められる中高年期も当たり前に多様な働き方ができる会社を目指していきます。
自分のライフスタイルに合わせた
柔軟な働き方ができるため、
キャリアアップの機会をもらった際にも
前向きにとらえることができました
さつき薬局 薬剤師
柳原 麻理さん
私は2007年に当社へ正社員として入社し、2008年に第1子の出産のため、産前産後休業・育児休業を取得しました。1年後に、週1回午前中のみのパートに変更して復帰しました。その後第2子出産をはさみ、2014年からパートの日数を徐々に増やし、2022年に正社員の週休3日制度ができたため、その制度を利用して週32時間労働の正社員になりました。
私も夫も両親が県外にいて頼れなかったことや、子どもが小さいうちは子どもと一緒にいてあげたいという思いがあったため、短時間で勤務できたことはとてもありがたかったです。また、ブランクが少なくて済み、子どもが成長した際に自分が希望したタイミングで勤務時間を増やせたこともとても助かっています。働き方に対する周りの理解があったことにも感謝しています。
2024年5月から管理薬剤師になる予定であり、現在は管理薬剤師のもとで1年間勉強をしています。退職される方がいるため、「やってみないか?」というお話をいただいたことがきっかけです。最初にお話をいただいた時は、他の方より少し勤務時間の短い働き方で管理薬剤師が務まるのかという不安や、パートとして働いてきたため経験値が少ないのではという不安、家庭と両立できるかという不安がありました。私は、仕事より家庭の方が大切だと考えていますが、当社は必要な時に休暇が取りやすく、また現在の勤務形態のままでもいいというお話をいただいたため、家庭と両立ができそうだなと思いました。また、周りの方から全力でフォローするという言葉があり、その言葉を信じてチャレンジしようと思いました。
(データの取材時点:2023年9月)