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2018年度
ファミリーフレンドリー企業を目指すことを宣言
人事制度も含め全社的に取り組んでいます
仕事と育児の両立支援 男性育児参画 女性活躍推進
インタビュー
執行役員
辻 慶子さん
当社は学校アルバム制作や商業印刷を主な業務としており、繁閑の差が大きいことから、以前から1年単位の変形労働制を採用していますが、働き方にさらにメリハリをつけ、休む時はしっかり休むようにする必要があると考えていました。そこで、2002年に厚生労働省の事業を利用し、
キャリアコンサルタントによる訪問研修を受講しながら、より働きやすく、女性もキャリア形成し、活躍できる職場づくりを進めることとしました。
キャリアコンサルティングを受けるにあたり、女性従業員を集め、現状分析、業務の棚卸等を行いました。男性管理職も参加し、その中には現社長(当時は部長)も参加していました。現状分析の際、子育て中の従業員が、子どもの体調不良等で頻繁に休まなくてはならないため、自分の存在意義を悩んでいることがわかりました。制度の導入などは進んでいると認識していましたが、それだけでは十分ではないと考え、当社の未来ビジョンとして、「ファミリーフレンドリー企業を目指す」ことを宣言し、アクションプランを策定しました。また、社員一人ひとりがイキイキと明るく輝くためには、男性だけでなく女性従業員もキャリアを形成することにより、将来的に社内改革等を担って欲しいと考え、仕事と家庭を両立できる働きやすい職場づくりに取り組みました。
これらの取組の結果、2008年、2012年、2013年にくるみん認定を受け、2016年には新潟県内第3号のプラチナくるみん認定を受けることができました。
子の看護休暇を有給とし、時間単位で取得可能としています。また、女性従業員の育児休業取得率は100%ですが、男性の育児参画も重要であると考え、対象者とその上司に対して、子どもの誕生をお祝いするとともに、
育児休業取得を働きかけるメッセージの入ったリーフレットを送付しています。さらに、会社として、従業員の出産をお祝いする気持ちを伝えるため、子どもが生まれた従業員に、子どもの誕生から1歳くらいまでの写真をまとめて製本したアルバム(「パーソナルアルバム」)か、子どもが生まれたことをお知らせするはがき(「アートメール」)をプレゼントしています。これらの取組により、男性従業員の育児休業取得率は70%程度となっています。
働き方にメリハリをつけ、休む時はしっかり休むようにするため、2002年に長期休暇制度を導入し、休日を含め14日間の休暇取得を推奨しています。また、リフレッシュ休暇として、年次有給休暇とは別に2日間の有給休暇を設定しています。
業務の繁閑への対応策として、2014年から「トルネード人事」を導入しています。部門ごとの繁閑期を踏まえ、経営戦略室が計画的に一時的な人事異動を行う取組です。配置期間は数日から数か月間で、配属前には対象者に研修を実施します。これにより、繁忙の部門は増員により乗り越えることができ、一時的に人員が減る部署では、少ない人数でいかに効率的に業務を行うかを皆で考えて、生産性の高い働き方をするようになるため、1シーズンが終わってみると、全社的に効率性が高まっていると感じます。
2002年の活動からかなり時間が経ったため、改めて、ファミリーフレンドリー企業に向けた活動メンバーを募ったところ、15名の女性メンバーが集まったため、2017年にチーム「BIANCA」を発足しました。社内の活性化や業務改善等に加え、新しいプロジェクトの企画・提案や商品開発等、幅広いテーマを持って積極的に活動を展開し、受注にもつながっており、以前に描いた当社の未来ビジョンに少し近づいているように感じています。
プラチナくるみん認定を取得した後、特に官公庁の事業において多く声を掛けて頂けるようになりました。また、入札業務においても、認定による加点があるため、有利になり、業績につながる効果を得ることができています。
採用面では、インターンシップ等において、学生に当社の取組や認定取得について説明するととても高い関心を持ってもらえ、当社を志望する学生が増えました。特に女子学生からの応募が増えています。合同説明会等の場でも、多くの学生がブースに訪問してくれるため、優秀な人材の採用に結びついています。
仕事と育児の両立において大きな課題は感じていませんが、今後、介護の問題への対応が必要となってくると感じています。当社は40代の従業員が多く、現時点で家族や両親の介護をしている従業員は多くないですが、今後間違いなく多くの従業員が介護の問題に直面することになるため、仕事と介護の両立をいかにしてサポートしていくか、どのような支援策を講じるか、という点については今後の課題であり、検討していきたいと考えています。
育児休業を長期休暇とあわせて取得し、
家事の大変さがわかりました
博進堂大学※(注記)・企画 マネージャー
佐野 大さん
(お子さんのアルバムと)
私には二人の子どもがいますが、第2子が生まれた頃は、当社が男性の育児休業取得の働きかけを始めたタイミングであり、声を掛けていただいたため、第1号として取得しました。会社の長期休暇制度も利用し、お盆休みのタイミングにもあわせて、8月に20日程度まとめて取得しました。
休暇期間中は、生まれた子どものおむつ替え、ミルク、夜泣きへの対応のほか、買い物、掃除、洗濯等、食事以外の家事全般を行いました。また、上の子どもが夏休みであったため、買い物等には一緒に行ったほか、公園に行ったりして一緒に過ごしました。第1子の時から、おむつ替え等、育児には携わってきましたが、家事全般を担当したことで、家事労働が思っている以上に大変であることがわかり、よい経験になりましたし、家族にも喜ばれました。
職場は以前から、互いに助け合う風土が醸成されており、休暇取得がしやすい環境であったため、長期の休暇も快く送り出してくれ、職場に恵まれていると感じています。
育児休業を取得した頃、会社が子どもの生まれた従業員へのプレゼントを検討しており、「子どもの誕生から1歳くらいまでを記録するアルバム」等の企画を私が担当させていただきました。
子どもが12歳になった今も時折アルバムを開き、生まれた時の記録がアルバムとして残っていることの嬉しさと、懐かしさを感じています。育児休業取得後も育児には積極的に参画し、幼稚園の時にはPTA会長も務めました。
私は企画部署のリーダーをしていますが、
部署内で自身が積極的に加わりながらサポートし合える環境を整備しつつ休暇を取得し、取得後はサポートに加わる。この継続によりメンバーも遠慮することなく休暇が取得できるようになると思っています。時と場合によりますが、リーダーの率先垂範も重要だと感じています。
※(注記)博進堂大学:社内外の教育事業(企業内研修)等を企画・実施する部署