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J1アビスパ福岡で2007年からスポンサーを務めてきた、めんたいこ製造販売「ふくや」(本社・福岡市)が1月末にスポンサー契約を終えた。過去にサガン鳥栖でパワハラを行った金明輝氏の監督就任を受けた対応で、クラブやサポーターに衝撃が走った。創設30周年を迎えたアビスパに今後望むことは―。アビスパの社外取締役を務め、熱烈なサポーターとしても知られる川原武浩社長(53)に尋ねた。(聞き手・構成=末継智章)

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―昨年末、スポンサーから降りる決断と理由を表明。パワハラ問題が再発したり、過去の問題が再燃したりした場合、スポンサーとして信用低下につながるリスクを指摘した。
「取締役会のきちんとした流れで決まったので、監督就任決定に異論を差し挟む気はないし、スポンサーとしても差し挟む気はない。(昨年12月の監督就任)会見前までは、ホームタウン活動への支援は続けようと思っていた。一定の謝罪や今後のパワハラ防止について、きちんと枠組みを出してもらえると思っていたので。しかし会見で、スポンサーや株主も異論がなく監督人事が了承されたという内容に近い言葉がクラブ側から出た。うちが監督人事にもろ手を挙げて賛成していると捉えられるのは心外だったので、意思表示をしなければいけなくなった」

―川原社長は取締役会で反対した。
「個人的な感情はさておき、社外取締役としてリスクがあるのに賛成はできなかった。金監督がもう一回何か(パワハラ)をやることはあまり想定していない。ただ、過去にやったことに対し、変なリアクションが出たときにどうするか。シンプルに言えば(監督復帰が)少し早すぎたと思う。仮にヘッドコーチやコーチだったらここまでならなかったかもしれない」

―スポンサーに戻る可能性は。
「リスクがなくなる状況をアビスパ福岡と金監督自身がつくれるかどうかだと思っている」

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―ふくやとアビスパ福岡の縁は長く、クラブの経営難を受けて地元商工会議所が増資した1998年から株主を務めている。
「私は地域のスポーツ少年団でサッカーをしていた、マラドーナ(アルゼンチン)とキャプテン翼世代。ただ、アビスパをしっかり見始めたのは2001年からだった」

―初めてJ2降格が決まった年だ。
「11月24日だったかな。万博記念競技場(大阪)での最終節を見に行って、(2―3で)逆転負けして降格するというつらい目に遭った。G大阪のサポーターから『ばいばい福岡』というチャント(応援歌)を聞き、くそーと思った。『ばいばいアビスパ』ではなく『ばいばい福岡』。なんで街の名前をばかにされなきゃいけないんだ、と。J2に落ちたので、ここで応援しないとガタガタと崩れるのではという思いもあった」

―07年からスポンサー。当時はホームタウン活動を支援した。
「ホームタウンのコーチへの支援と、サッカー教室などで子どもたちに配る物が欲しいと言われたので、ノベルティ(記念品)を作って協賛したのがスタート。元々ふくやは、いわゆる『プロ』の興行に対してはスポンサードしない方針なので」

―それが11年からはユニホームスポンサーを務めてきた。
「当時は(ユニホームに)スポンサーが全然ついていなかったので、スポンサーというよりは、応援する気持ちでつけた。スポンサーではなくサポートという思いは、ずっと変わっていない」

2011年、ユニホームスポンサーとして試合前にあいさつする、ふくやの川原武浩氏

―13年の経営危機では支援商品を出し、売上金を全額寄付した。全国のサポーターから反響があった。
「Jリーグのクラブが街にあるということについて、福岡の人たちが捉えている以上に、全国のJリーグのサポーターにとって大事なんだということが示されたと思う」

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ふくやの川原武浩社長

―今後のクラブに望むことは。
「経営陣は『(年間売り上げ)100億円クラブを目指します』という。目指すことは結構だが、個人的にはクラブの大きさにあまり興味がない。シンプルに、われわれ福岡の人たちが胸を張って誇れるクラブであるかどうかだけ。J2でもJ3でも良いとまでは言わないけど、プロビンチャ(地方のクラブ)でも構わない」

―福岡の街が誇れるクラブとして、川原社長が思い描いている未来像は。
「結局はファン、サポーター、スポンサーの数を無理やりではない形で増やしていくことなんだと思う。(浦和)レッズが強いのは、全年齢層が応援していてサイクルが回っているからサポーターの数が減らない。アビスパサポーターの中心は僕らの世代、大学生の時にJリーグが始まった50代半ばの人たち。ゼイゼイ言いながら応援しているけど、お客さんは増えていない。カップ戦に優勝したからと言って、翌年からお客が押し寄せるなんてあり得ない」

―23年にYBCルヴァン・カップを制したが、昨年の1試合平均入場者数はJ1最少の9698人。集客は大きな課題になっている。
「せっかくホームタウンやアカデミー(育成組織)で良いことをやっているけど、うまく価値に転換できていない。市民クラブと名乗る以上は、サポーターを含めてきちんと対話し、市民、サポーターが何を求めているか。そのエッセンスを入れていかないと。バランスの良い成長をしてほしい」

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末継 智章

末継 智章

記者

1978年生まれ。福岡市出身。 2006年から運動部で、主にサッカーや五輪競技を取材。 4年間の東京支社勤務では西武も担当した。2024年夏に本社へ復帰し、アビスパ福岡担当。 自称社内一の巨漢で柔道やラグビーをしていたのか聞かれがちですが、小、中、高とバスケ一筋でした。

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