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だいやまーくバレーボール・大同生命SVリーグ女子 SAGA久光スプリングス3―0岡山シーガルズ(16日、SAGAアリーナ)

7位のSAGA久光が2710人を集客したホームSAGAアリーナでの「開幕戦」を快勝で飾った。9位の岡山にセットカウント3―0(25―22、25―19、27―25)でストレート勝ち。新外国人のオポジット、ステファニー・サムディ(26)がチーム最多の30得点(アタック27、ブロック3)でオフェンスをけん引した。通算6勝5敗で順位は7位のまま。

文句なしだった。この試合のPOM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)に選ばれたのはライト側からの攻撃を中心に強打で会場を沸かせたサムディだ。後衛からも含めて53打数に上ったアタックで50・9%の高い決定率をマーク。失セットなしの勝利へ導いた。

「決め方が良くなってきましたし、(セッターとの)コンビも合ってきた。岡山さんのディフェンスもいいので本人も驚いていると思いますが、そういうところを経験しつつ、大事な1点をステフ(サムディの愛称)には取ってほしい」。粘り強い岡山に拾われても、根負けすることなく打ち続けた「主砲」の活躍に、酒井新悟監督(55)も頼もしそうにうなずいた。

188センチの長身を生かした強固なブロックだけでなく、体を張ったレシーブも随所で披露した。この懸命な姿がコート内の一体感を醸成した。「試合中にコミュニケーションを取ってプレーできました。このチームは素晴らしい。練習も日々、本当に良く頑張っていますから」。サムディは笑みを交えながらPOMでのインタビューでもチームメートをたたえた。

10日の埼玉上尾メディックス戦に続くストレート勝ちで、白星を一つ先行させた。勝因をもう一つ挙げるなら、アリーナを「青」で染めたホームの力だろう。優勝した10月の国民スポーツ大会(国スポ)以来となったSAGAアリーナでの一戦。待ちわびたファンの大声援が選手たちを熱く、そして温かく包んだ。ハイライトはジュースの末に制した第3セットだ。自らのスパイクが失点となり、24―25と岡山にセットポイントを握られながら、意地の3連続得点で引導を渡した深澤めぐみ(21)のコメントが味わい深い。「私自身、今日のパフォーマンスは良くなかったんですが、背中を押してもらいました。プレー中にミスをしても、応援のおかげで足が動いたり、最後の一工夫が生まれたりします」。感謝の思いが口を突いた。

結果はストレート勝ちでも、チーム全体でアタックやサーブのミスが散見されるなど完璧な試合運びとは言いがたい。それでも20点以降の戦い方にもつながる「最後の1点」を取り切るだけの力は徐々に育まれつつある。ファンの「声」に選手が応える信頼関係から生まれた1勝の意味は決して小さくない。(西口憲一)

SAGA久光のスターティングメンバー(第1セット)は、北窓絢音(20)、深澤めぐみ(21)、栄絵里香(33)、ステファニー・サムディ(26)、平山詩嫣(24)、荒木彩花(23)、リベロ・西村弥菜美(24)。

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西口 憲一

西口 憲一

編集委員

立命館大学でアメリカンフットボールに打ち込み、「人の心を動かし、心に残るような記事を書きたい」とスポーツ記者を志しました。 1993年西日本新聞社入社。 運動部からスタートし、以来、福岡→大分→福岡→東京→福岡→東京→福岡。 主にプロ野球(ダイエー、ソフトバンク、西武)やソフトボールを取材。1999年ダイエー初優勝、2008年北京と2021年東京の両五輪でのソフトボール金メダル獲得に心が震えました。 現在はバレーボールSVリーグ女子のSAGA久光スプリングスの記事も書いています。福岡市出身。

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