第95回都市対抗野球大会東海地区2次予選の第5代表決定戦で西濃運輸(大垣市)が東海理化(豊川市)を7-0で下し、4年連続41度目の本大会出場を決めた。西濃運輸は2回に城野達哉捕手(25)の2点本塁打で先制。6-0の6回には修行恵大外野手(23)のソロ本塁打で1点を追加した。先発した左腕・吉田聖弥投手(22)が12奪三振の好投で完封した。

最後の打者の飛球が右翼手のグラブに収まる。マウンド上に西濃運輸のナインが歓喜の輪をつくった。その横で、吉田は捕手の城野と2人だけでしばらく抱き合い、目に涙があふれた。「自分が投げきって、自分で代表決定戦を終わらせる」。強い決意で臨んだ左腕は相手のスコアボードにきれいに「0」を9つ並べて有言実行を果たした。

初回の2死満塁ではチェンジアップを3連投。3球での空振り三振に切って取って、勢いに乗った。5回には3者連続の空振り三振。武器のチェンジアップに加えて、カーブやスライダーも織り交ぜ、打者を翻弄(ほんろう)した。直球も力強く、9回に球速149キロをマーク。142球の力投で、佐賀・伊万里農林高時代以来という完封勝利を飾った。

3試合に先発した今大会は計21イニングで失点1。自責点は0で、防御率0.00の安定ぶりに佐伯尚治監督(41)も「吉田さまさま」とこうべを垂れる。躍進の始点は4強入りした昨年の日本選手権。全国を経験したことでチームへの発言が増えたといい、リードする城野も「精神面の成長が大きい」とうなずく。

プロ志望だという高卒4年目は東京ドームでの本大会に向けて「まずはチームが勝つこと。自分が先頭で引っ張る」と宣言。夏の大舞台でもチームを勝利に導いて、自分の未来を切り開いてみせる。(唐沢裕亮)

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