◆だいやまーく記者コラム・タカ番24時

頼もしい存在だ。8月15日のウエスタン・リーグ、中日戦(タマスタ筑後)。7回2死満塁のピンチで登場した鍬原拓也投手(28)は、中日のロドリゲスから空振り三振を奪った。「2死満塁は厳しくない場面。無死や1死ではないので」と言い切る右腕は、先発したドラフト1位ルーキー前田悠伍投手(19)が出塁を許した走者を生還させなかった。

2018年、ドラフト1位で巨人に入団。22年は自己最多の49試合に登板した。昨季は1軍で5試合しか投げられず、オフに戦力外通告を受け、今季からホークスで育成選手としてプレーしている。今季は2軍で27試合に登板して5勝1敗2セーブ、防御率2・48。中継ぎがメインだが、先発もこなす。「いろんな場面で投げさせてもらい、どこでもいけるとアピールできる」とうなずく。

今季は支配下入りを逃した。それでも「悔しかったけど、諦めるという感情には全くならない」と強調。「野球ができなくなったわけではない。あと約2カ月、自分のできることをやって、来年につなげられたら」と前を向く。

背景にあるのは戦力外の経験。「結果を残せないことより、野球ができなくなることの方がつらい。今、野球ができているので、投げろと言われた場面で投げさせてもらえるのは光栄」と笑う。

現在は真っすぐの強さや制球力のアップに力を入れている。2年前は平均球速150キロ以上を誇った。「それよりも進化したい」。過去の自分を超えるため、成長を止めない。(濱口妙華)

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濱口 妙華

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