ソフトバンクの育成2年目、佐々木明都投手(19)が6日、福岡県筑後市のファーム施設でブルペンに入り、傾斜を使った投球練習を行った。昨年10月に右肘関節内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕。捕手役に立ってもらい30球をゆっくりと投じた。

ブルペンでの投球は術後2回目。「手術前は、セットポジションだったけど、体がもっと使えると思ってワインドアップに変えたので、プレートの位置を確認しながら投げた」と振り返った。森山良二リハビリ担当コーチは「元々、ボールの軌道はいい。傾斜になって(ボールが)引っかかったり抜けたりしたところを(本人には)話した」と語った。

学法福島高から育成ドラフト6位で入団し、将来性を期待されている最速146キロ右腕だが、この1年半はけがに泣いた。ルーキーイヤーは右肘の故障でリハビリ調整をし、昨年9月にようやくマウンドに立ったが、デビュー2戦目で再び右肘を痛めて手術に踏み切った。それでも「この1、2年にけがをしない体を作ればいいとプラスに捉えた」と前を向いた。

同じリハビリでも、昨季と今季では野球への向き合い方が変わった。起床してから練習を開始するまでのルーティンを毎日統一。コンディションを整えることでより意欲が湧いた。「1年目は自分に負けていた。毎日同じ状態で練習することができている」とうなずく。また、4月に同じ手術を行った武田翔太がリハビリ組に合流。「武田さんはストイックなので、いい刺激になっている。こういう人が上で活躍するんだなと思う」と語る。

「まだまだ出力は出ていないけど、焦らず自分のペースで(状態を)上げていきたい」。けがに泣いた時間を、必ず成長へつなげてみせる。(浜口妙華)

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濱口 妙華

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