右肩の手術で戦列を離れているJ1アビスパ福岡の前嶋洋太(26)が3日の全体練習で約3カ月ぶりにメニューをすべて消化した。7日湘南戦に向けて「まずはピッチに戻ってチームの助けになるところを見てほしい」とアピールした。

前嶋は5月3日のG大阪戦で右肩甲骨の骨折と右肩の脱臼を負い、全治4カ月と診断されて手術した。最近は対人との接触が生じるメニューは避けながら練習に部分合流していたが、今月3日は約1時間半の練習にすべて参加。「きつかったけど、一生懸命コンディションを戻すように頑張りたい」と殊勝に振り返ったが、長谷部茂利監督は「今日(3日)のところはいい動きをしていた」と早期の復帰に期待を寄せた。

肩の重傷は初めて。手術後約1カ月は動けなかった分、リハビリ期間中は走るメニューを中心に費やしてきた。「暑かったし、一人で走らないといけなかったので結構寂しかった。つらかったけど、トレーナーの方と楽しくできたので、すごく支えられた」と振り返る。離脱中に上位を狙える位置にまでつけたチームにも「みんなすごく頑張っていたので、負けないように頑張らなきゃと思えた」と感謝した。

長期間離脱したことで、欧州のサッカーをじっくり見る余裕もあり、6〜7月の欧州選手権は優勝したスペインの試合を特に視聴した。「フランスは身体能力がすごく高い選手が多かったので、なかなかまねできない。でもスペインは攻守においていいサッカーをしていてレベルが高かったけど、ちょっとまねができるところもあるんじゃないかと思えた」。特に同じサイドバックが本職のカルバハル(レアル・マドリード)のプレーに「ボールがないところの動きが参考になった。少しずつ自分もできるようになったら。気持ちはすごく成長した」と刺激を受けた。

3月1日の横浜M戦では3バックと4バックを使い分けたチームの要として攻守ともに躍動し、J1でのアウェー横浜M戦での初勝利に貢献した。同じサイドバックの湯澤聖人(30)が左太もも肉離れで離脱しているだけに、2022年から福岡でJ1リーグ通算65試合に出場しているサイドプレーヤーの復帰は心強い。「チームとしてもすごく成長している段階だと思う。僕もそこに入って一緒に成長していく」と中断明けからの残り14試合を通じて進化しながら上位を目指すつもりだ。(末継智章)

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末継 智章

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