狙うは2年続けての〝大物食い〟だ。ノーシードの久留米商が大接戦を制した勢いで、最終日に勝ち進んだ。

2回戦で宮崎県大会3位の都城東と対戦。五分の展開から迎えた大将同士の戦いは実に延長6回を数えたが、宮原英志郎(3年)が狙い澄ました返し胴で死闘に終止符を打った。宮原は「集中力を切らさずに最後まで戦えた」と会心の笑み。試合直後、ほっとしたような表情を浮かべた山下優斗監督は「粘り強く戦ってくれた」と大将の気力をたたえた。そして3回戦は北筑(福岡)を不戦2人で破った。

昨年は3回戦で同年春の全国選抜大会3位の四天王寺東(大阪)を撃破した。今回、4回戦で激突する東海大浦安(千葉)は全国選抜大会8強で関東王者。主将で中堅の野田竜平(3年)は「今年も〝ジャイアントキリング〟をしたい」と闘志を燃やす。

1897年に撃剣部として創部。約130年の長い歴史を誇り、玉竜旗では男女ともに16強が戦後最高順位だ。長く男子を指導してきた大淵量氏が女子の監督に転じ、2022年から同校OBの山下監督が指揮を執る。

山下監督は別府大出身。その縁で同大学系列の明豊と練習試合を組むなど強化に取り組み、今年6月の福岡県大会は堂々の3位。準々決勝で福翔に競り勝ち、準決勝では優勝した福岡大大濠を相手に代表戦までもつれ込む接戦を演じた。

代々受け継いできた部訓の「破天荒」には「誰も成し得なかったことを成し遂げる」という思いが根底に流れる。強敵を倒し、先輩たちが届かなかった高みへ。自分たちの剣で、新しい歴史を切り開いていく。(山崎清文)

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山﨑 清文

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