◆だいやまーく練習試合・ソフトバンク6―1韓国・斗山(25日、宮崎アイビー)

注目したのは、試合後の指揮官の言葉だった。斗山ベアーズとの練習試合で一発を放った川瀬に対し、どんなコメントを残すのか。その直前には守備で失策を記録していただけに、評価が気になった。

失策もあったが、本塁打で取り返した意地を褒めるのか。あるいは本塁打は放ったが、選手のタイプ的に失策はいただけないと指摘するのか。果たして、小久保監督の評価は後者の手厳しいものだった。

「(求められるのは)守備でしょ、あいつの場合は。ホームランは全然求めてない。紅白戦も含めて、3試合エラーが続いている。そっちの方がね。守ってもらわないと困る選手なので」

指摘されたように、川瀬は17、18日の紅白戦でも1つずつ失策を記録していた。これがシーズン中であればもう少し評価は変わったのかもしれないが、いまは実績十分の今宮と遊撃手のレギュラーを争う立場にある。指揮官の言葉が強くなるのも、当然だった。

ただ、失策の重さを誰より痛感していたのは、他でもない川瀬本人だった。試合中に本多内野守備走塁兼作戦コーチのもとへ歩み寄り、試合後の特守を志願。同じく、この日の三塁の守備でトンネルを犯した井上とともに、居残りで特守を受けることが決まった。

もちろん、ただノックを受けるだけでは意味がない。川瀬は紅白戦と合わせて記録する3つの失策が全て右打者の打球という事実もあったことから、小久保監督の意向もあり、ノッカー役は右打ちの奈良原ヘッドコーチが務めることになった。

「ずっと左(打ちの本多コーチ)の打球を受けてたから、やっぱり右の(打者のノック)も受けないとね。(奈良原)ヘッドは難しい打球を打ったりとノックもうまい。やっぱりね、川瀬みたいな選手が3試合も続けてエラーしたらあかんよ」

特守を見守ると、守備でミスが続く川瀬の現状に改めて不満をこぼした。ただし、それは守備力の高さを評価するからこその言葉であり、期待の裏返しでもある。ノッカー役にまで〝こだわる〟ところに、小久保監督の愛情と深謀遠慮が感じられた。(石田泰隆)

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石田 泰隆

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