西武の西川愛也(24)と長谷川信哉(21)の両外野手が中堅の座を巡って〝直接対決〟を続けている。初日の6日に個別で打撃練習のメンバーに組み込まれると、7日の早出での打撃練習にも2人だけ指名された。守備練習も含め、早出と午後の個別練習で一緒になったのは、第1クールで計5回。互いに「負けられない」と火花を散らしている。

7年目の西川は昨季自己最多の41試合に出場し、プロ初本塁打もマークしたが、打率2割2分7厘。俊足巧打が持ち味だけに「最低2割7分、3割を狙う」とオフはソフトバンクの中村晃と福岡市内で自主トレし、振り抜く大切さを学んだ。キャンプでも継続しながら、打ちに行くまでの準備動作を洗練させ、走塁でも腕の振り幅を大きくするフォーム固めに着手している。守備には自信があるだけに、松井監督が3枠とも白紙としている外野手争いの中でも、要の「センターは譲りたくない」と宣言。隣で長谷川が打つ状況が多い中でも「周りは見ずに、自分がやることをしっかりやるだけ。まさに『やる獅かない』」とスローガンを胸に刻んでいる。

対する4年目の長谷川も昨季自己最多の59試合に出場し、プロ初のサヨナラ弾を含む4本塁打をマーク。ただし打率2割2分2厘で、レギュラー定着とまではいかなかった。今季は登録を内野手から外野手に変更。西川に「負けられないって感じ」と対抗意識を燃やし、打率2割8分以上を目指す。

1月の沖縄自主トレで坂本勇人(巨人)から右脚の使い方と体重移動のコツを教わり、体が前に流れてしまう癖をなくそうとしている。7日午前の早出打撃練習では西川が横で打つ中、高さの異なる二つのティーに球を置き、下の球に当てず、上の球だけ狙って打つ練習を実施。「右肩が下がりすぎないように。上からというイメージで」とレベルスイングでの打撃を心がけた。南郷スタジアムはレフト方向から風が吹いてくることが多く、右打者にとって柵越えは難しい。その分「逆風なんで欲を出さず、引っ張る必要はない。フォームを固めやすい」と打撃練習では柵越えを狙わず、自身の打撃に専念している。

ともに若獅子として飛躍が期待される2人の競演。嶋打撃コーチは「競わせる狙いはもちろんある」とせっさたくましながらのレベルアップを期待。第2クール以降も同じ場所で練習する機会が多くありそうだ。(末継智章)

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末継 智章

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