ソフトバンクの育成ドラフト1位ルーキー、大泉周也外野手(24)=ルートインBCリーグ、福島レッドホープス=が、恩師の激励で支配下入りへさらに猛アピールすることを誓った。

8日の宮崎春季キャンプ。ヤクルトや米大リーグで強打者として活躍した福島の岩村明憲監督(45)が応援に駆けつけた。「まさに教え子を応援に来たという。『ちゃんとやってるか』って」とまな弟子を見つめた。

大泉は山形中央高では高校通算53本塁打。日本製鉄鹿島を経て、福島で野球を続けた。憧れの存在が岩村監督。子どもの頃からフォームを参考しており、長打力が魅力な左打者に成長。昨年はルートインBCリーグで本塁打王を獲得した。「基本的にバッティングが大好き」と岩村監督は笑う。

大泉はB組(2軍)の約1時間の特打で柵越えを連発。バックスクリーン直撃の打球もあった。「どのコースに来ても強いスイングをしっかりしようと意識した。さらにいい感覚にしていく」と大泉。岩村監督は「最初は少し力んでいた。うち(福島)の時から『疲れてきてからこそ、体を使ってバッティングをしなきゃいけない』と指導してきた。中盤ぐらいからセンター方向にも打球が飛ぶようになってから、良くなった」と評価。「本人も別にああいう打球を打ったからいいわけでもなくて、センターから反対方向に強い打球を打つという持ち味がアピールにもなるので、この後もしっかりと飛ばしていけるようにと見ていた」と語った。

入寮の際、大泉が大切に持ってきた物がある。ソフトバンク入りにあたって「誰よりも振り込め」と岩村監督から贈られたバットだ。「魂がこもっているので、折りたくない。なかなか使えない」と大泉。岩村監督は「(折れたらまたバットを贈るのは)全然いい。けど、よう言えないでしょう」と笑う。その上で、こうも語った。

「ただ、育成というのは、僕からするとまだスタートラインに立っていない。育成でプロになることが目標ではない。2桁をもらって初めてスタートライン。そこで自分が使うメーカーが決まってくると思う。そしたら僕のバットも使える」。教え子をさらに奮起させる言葉だった。

キャンプ中、王球団会長が大泉の打撃を絶賛。猛アピールが続く中、岩村監督は「いいスタートが切れているみたいで少しほっとした。頑張っている姿を見て、うれしかったし、励みにもなった。彼の後輩にも共有したい」とうなずく。いつにも増して終始笑顔の大泉は「濃い練習になってきている。もっともっとアピールしてまずはA組(1軍)に行く」。恩師が指すスタートラインを目指し、まなざしは鋭くなった。(浜口妙華)

◆だいやまーく大泉の豪快なバッティング...次ページ

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濱口 妙華

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