ソフトバンクの育成、古川侑利投手(28)が26日、佐賀県武雄市での自主トレを公開した。昨季、現役ドラフトで日本ハムから加入したがオフに戦力外となり、育成選手として再出発する右腕。今季の目標として、まずは早急に支配下に返り咲き、1軍でシーズンを通して投げ続けることを目標に掲げた。

「やりたいことがたくさんある」。古川が野球漬けになっている。朝9時から午前中は体幹トレーニングやランメニュー。午後からボールを使う。この日はブルペンにも入り、真っすぐと変化球を織り交ぜ、34球を投げ込んだ。「今日のマックスは出せた」とうなずく。

昨年12月、球団から派遣され米シアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に向かった。「力が強く、腕っ節だけでどうにかしがち」と欠点を指摘され、「効率よく力を伝えるために、(腕を)ムチのように使った方がいい」などの助言を受けたという。指導されたドリル(訓練)をやりながら体の使い方が変わったことを実感。「キャッチボールから変わった」と手応えを口にする。

昨年も一緒に自主トレした独立リーグ・和歌山ウェイブスの森悠介捕手も「(昨年と)球の質が全然違う。断然いい」と同意する。

夜は筋トレ。体重は約5キロ増量し95キロに。昨季の自主トレでも、体重を増加させたが、体のつくり方は全く異なるという。「昨季は下半身メインだったけど、シーズン途中で疲労感を感じた。今回は上半身も重点的に」とバランスも意識している。

在籍4球団目となる苦労人。そのつながりを示すように、この日は楽天時代の同僚である山崎が一緒に汗を流した。巨人時代の同僚で、今季からチームメートになる鍬原も一時合流した。

現役ドラフトで加入した昨季は1軍で9試合の登板にとどまった。そして、戦力外。「なにくそ」という気持ちが自身を突き動かす要因の一つにもなっている。既にブルペンには6度入った。「これだけ仕上げて、投げているんで」。日本ハム時代に育成から支配下に上がったように、春季キャンプでは初日から猛アピールし、支配下に返り咲く。(浜口妙華)

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濱口 妙華

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