ソフトバンクの石川柊太投手(31)が球団からの単年契約提示に決意を新たにした。25日の契約更改交渉で3000万円減の年俸1億2000万円(金額は推定)でサインした。

順調なら来季中に国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たすにもかかわらず、球団から複数年契約を打診されなかった右腕は「球団にとって『この人材はプラスだな』と思われる選手にならなくちゃいけない」と強調した。

ソフトバンクは翌シーズンにFA権を取得見込みの選手に複数年契約を提示するケースが多い。今オフは甲斐と牧原大に複数年契約を提示。石川は「例年の感じだと(自分も)可能性はあるかもしれないな、とは思っていた」と明かした上で、「そこは球団の姿勢なので。来年頑張るだけ」と切り替えた。

この日は全選手の契約更改が終了。取材対応した三笠ゼネラルマネジャーは「必ずFAの前年に(複数年契約を)しなきゃいけないということじゃないと思っている」と強調。石川に関しては「来年しっかりと活躍してもらって、その中で先のお話ができればいい」と引き留めの可能性についても言及した。

プロ野球選手にとって「一流の証し」とも言えるFA権。石川は危機感は口にする。「甲斐(単年契約を選択)や牧原と状況は違う。減俸の選手があまりいない中で、自分は減俸だった。厳しい状況だと思っている」。支配下の投手で今オフのダウン更改は4人。将来を見据えるよりも、すぐ先の来季を見据えた。

「そもそも来年投げられないとFAは取れないし、何も始まらない。千賀とも『こんだけ分かりやすく瀬戸際のやついないよね』みたいな話をした。自分の手で野球人生をつかみ取らないといけない。そこはシンプルに頑張るだけです」

2020年に最多勝(11勝)と勝率(7割8分6厘)の投手2冠に輝きながら、21年から3年連続で負け越した右腕。11年目の来季はプロ野球人生の分岐点となるシーズンとなりそうだ。(長浜幸治)

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長濱 幸治

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