◆だいやまーくプロ野球ドラフト会議(26日)

阪神4位の東海大熊本星翔の百崎蒼生内野手は涙をこらえきれなかった。強豪・東海大相模でレギュラーを獲得したもののチームの雰囲気になじめず転校。最初で最後のチャンスだった3年の大会で甲子園切符を勝ち取り、2安打の活躍でプロへの道を開いた。その瞬間、願いをかなえた18歳の脳裏に浮かんだのは暗くなったグラウンドで仲間と取り組んだ居残り練習の思い出だった。

会見場に入ってから2時間になろうとしていた。その名が呼ばれた。仲間の歓声の中、百崎は喜びをじっとかみしめ、そして涙を流した。

その瞬間、何を感じていたのか? 会見で質問にこう答えた。「練習が終わって、みんなで取り組んでいた自主練習の思い出ですね。守備や打撃、みんなで取り組んだから甲子園に行けたと思う。もちろん、ワチャワチャすることもあって」

指名を待ちながら、「名前が呼ばれないかも」と不安に陥りそうになる百崎を支えたのも、後方に陣取った同級生の25人の野球部員だった。「投手の指名が多いね」などと話しかけ、リラックスさせたのが東海大熊本星翔に誘ってくれた野仲義高監督だった。百崎が求めていた高校野球がここにあった。

東海大相模での1年間も、百崎にとって消化された過去になっているのだろう。「対戦してみたい投手」の質問にこう答えた。「リーグを代表する投手である菅野智之さんですね。1年だけでしたが、(東海大相模の)先輩でした」(中野剛史)

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中野 剛史

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