◆だいやまーくファーム日本選手権 巨人5―6ソフトバンク(7日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)

ソフトバンクのドラフト3位ルーキー、生海外野手(23)が優秀選手賞に輝いた。「4番指名打者」で先発出場し、4打数4安打の大活躍。「(4安打は)初めて。今日は(自分が)決めるんじゃなく、チャンスメーカー。よかった」と振り返った。

初回は右前打。4回には先頭打者で右前打を放って出塁すると、川村の適時右前打で生還。6回には一塁強襲安打。そして、8回には左前打で出塁し、同点となる本塁を踏んだ。安打は全て単打だった。

終盤は苦しかった。広角に打てる長打力が魅力ながら1軍では13試合に出場し打率2割、本塁打0。9月22日に出場選手登録を抹消され、2軍で試合を重ねたが、9試合でわずか5安打。4番に座りながら、活躍できなかった。

ウエスタン・リーグの優勝を決めた翌日の9月30日、中日戦(タマスタ筑後)。他の選手たちはすっきりとした顔をしていたが、生海だけは険しい表情だった。

「生海、ちょっと来い」―。試合後、小久保裕紀2軍監督から呼ばれた。

「調子悪い自分を受け入れなさい。俺は現役時代、『あ、打てんかった』じゃなくて(バットを)振る量が足りなかったんだと思ってもっと振った」

「(コーチなどに)教えてもらっても、これだけは譲れないと自分を強く持たないと駄目」

怒られるかと思いきや、現役時代の貴重な話をしてくれた。「自分自身を攻めていて、自分との戦いになってしまっていた。小久保さんの話を聞いて、切り替えることをうまくやらないといけないと思った。やっぱり自分の野球人生だから。ぶれないように自分を磨き上げる」。そう決意し、バットを振り込んできた。

小久保2軍監督は「シーズンが終わってからよくなってきた。自信にすればいい。まあ、単打ばっかりで、長打が打てないとあの子はこの世界では生き残れない。フリーバッティングで長打をもっと増やす練習を今ずっとやっているので引き続きやってほしい」とエールを送った。

「投手との対戦を楽しむみたいに戦えたので良かった」と手応えを口にした生海。9日からのみやざきフェニックスリーグに向けて「(課題の)守備を鍛える」。ブレない自分で、打撃と守備を成長させる。

(浜口妙華)

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濱口 妙華

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