◆だいやまーくロッテ5―2ソフトバンク(22日、ZOZOマリン)

引き分けを含まない10連敗は球団史上初の屈辱となったソフトバンク。長いトンネルの出口が見えない中で、一筋の光となったのはドラフト3位ルーキー生海の存在だ。

5回、先頭で迎えた第2打席。1ストライクからの2球目、西野のフォークを右前に運んだ。この日に自身初の1軍昇格を果たすと、7番・右翼で即スタメン出場。起用に応えたプロ初安打に「すごくうれしかったです」と初々しい笑顔を見せた。

光ったのは積極性だ。2回のプロ初打席は初球からスイング(結果は三邪飛)。9回の第4打席も初球の直球を捉え、鋭い当たりの右飛だった。「やっぱり消極的にいっちゃいけないなと。ガツガツいこうと思っていました」。物おじしない性格はプロ向きと言える。

東北福祉大入学後に父と祖父、曽祖母を相次いで亡くし、2年間野球から離れた。つらい時期を支えてくれたのは母の真紀さんだった。プロ入り後も自宅がある福岡県北九州市から2軍戦を観戦するため、同県筑後市のファーム施設に足を延ばしているという。息子の初安打はテレビで見守ったといい、「さすがに泣きました...。ここからがスタートですね」と喜んだ。

両親が「海のように大きく生きてほしい」との願いを込めた「生海」の名前を登録名にしてプレーする23歳。記念のボールは「お母さんにあげます」とさわやかに言った。親孝行はまだ始まったばかりだ。(長浜幸治)

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長濱 幸治

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