◆だいやまーくヤマエグループ九州アジアリーグ・ソフトバンク3軍2―0大分B―リングス(16日、タマスタ筑後)

ソフトバンクの育成3年目、緒方理貢内野手(24)が今季初本塁打を放った。1点リードの8回2死、先発猿渡大輝(柳川高など)のスライダーを右翼へと運んだ。「打った瞬間入ったと思ったけど、風があったので、走りながら、これはいかないんじゃないかなとも」と苦笑いした。

チームは猿渡を打ちあぐねていた。7回まで安打はわずか3本。初回に先制したのも内野ゴロの間の1点のみだった。

緒方は初回に右前打を放ったが、その後2打席は凡退。6回の3打席目は「(スライダーが)来るのが分かっていたのに打てなくて」。8回は2球目の同じような球をファウルした。「やっといいポイントで捉えることができた。次同じ球がきたら打てると感じていたら、同じ球が来た」と振り返った。

宮崎県出身。京都外大西高から駒大を経て育成で指名された。走攻守のバランスがよく、内外野を守れる器用なユーティリティープレーヤーとして期待される。1年目は右肩を痛めてリハビリ調整。2年目の昨季は2軍で68試合出場し打率2割5分9厘。17盗塁を決め、ウエスタン・リーグで初の盗塁王に輝いた。

今季は支配下登録を奪い取る決意で、目標でもある牧原大の自主トレに参加し、体をいじめた。「今年は体の調子も良かったし、昨年を超える自信があった」。だが、超大型補強を敢行したチームでは2軍の選手層も厚くなり、代走などでの起用が多くなった。調子をつかめないまま、今季は2軍戦で30試合、打率1割2分1厘。5月31日の広島戦以降、3軍に回った。

「ここ(3軍)でやるのが好きか」。ある日、師である牧原大にこう声をかけられた。「いや、違います。分かっています」。育成から侍ジャパン代表まで駆け上がった先輩に即答した。

悔しさを胸にアピールを続けるしかない。ファーム非公式戦(12日時点)では30試合で打率3割1分。ウエスタン盗塁王の実力をアピールする中で、この日は首脳陣に勝負強さも印象づけることができた。「この調子を保つことが大事。また練習を頑張るだけ」。強い決意の瞳で前だけを見つめた。(浜口妙華)

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濱口 妙華

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