ソフトバンクの育成右腕、大竹風雅投手(23)が、支配下復帰を目指して着実に階段を上がっている。1年目の昨年4月に受けた右肘の靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)から1年2カ月。「2軍で投げられるよう準備したい。中継ぎでも先発でもいけるように、体力も付ける」と意気込む。

東北福祉大からドラフト5位で入団したが、昨年1月の新人合同自主トレ中に右肘のコンディション不良で離脱。「検査したら手術をしないといけない状態だった」。右肘のリハビリ中だった昨オフに戦力外となり、育成選手として再契約した。

昨年8月ごろからようやく投球動作ができるようになった。「最初は怖かった。徐々に慣れていく感じだった」。ボールを真下にたたきつける動きから始まり、ネットスロー、キャッチボールと段階を上げ、徐々に距離も伸ばしていった。

186センチの長身から投げ下ろす角度のある直球とカーブ、フォークの変化球が武器。プロのマウンドに上がる前に、夢を諦めるわけにはいかなかった。「(戦力外は)悔しかったけど、落ち込んでも仕方がない」。リハビリ組では「みんなと同じ練習では通用しない」と意識を高く持ち、負担をかけずに出力が出る投球フォームに取り組んだ。

5月には術後初めて打撃投手を務め、手術前の最速と同じ150キロをマーク。1軍でも実績がある野村勇には「全力で投げて結構当てられた。そんな選手が(1軍には)9人いると考えると、体力面でもっと上げていかないといけないと気付かされた」。その後はシート打撃にも登板した。

6日の愛媛マンダリンパイレーツ(タマスタ筑後)との4軍戦での〝プロ初登板〟も決まっていたが、残念ながら雨天中止となった。9日には3度目のシート打撃に登板予定。「(4軍戦は)しょうがない。(シート打撃は)結果を求めながらやっていく」。秒読み段階に入っている実戦マウンドを見据えた。

(浜口妙華)

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