【記者コラム】

福岡がJ1でクラブ初の3位に浮上した。ホームでのリーグ戦は開幕から負けなしの4連勝。全て終盤に勝ち越しゴールが決まる劇的展開で白星を収めた。

前節9日の京都戦では0―1から後半33分にルキアンがPKで同点に追い付き、同37分には6年ぶりにチームに復帰したウェリントンが今季初ゴールを挙げた。

敵将の曺貴裁監督が「福岡さんのホームで醸し出す雰囲気も含めて勝てない何かが自分たちにあった」と言及するように、声出し応援が解禁になったホームでの声援が〝地の利〟になっていることは間違いないだろう。

一方、アウェーでは2分け1敗。1日のアウェー横浜FC戦で引き分け、中3日で再び関東に移動したルヴァン・カップのアウェー鹿島戦では公式戦で約1カ月半ぶりの黒星を喫した。

鹿島戦後には深夜にバスで2時間近くかけて移動して宿泊。翌6日の早朝に羽田空港から福岡に帰って即練習した。9日の京都戦の白星は、過酷なスケジュールをものともせずにつかんだ。蓄積疲労を避けるためなのか、ルヴァン・カップの鹿島戦は山岸、奈良主将、前ら一部主力がメンバーを外れた。

アウェー戦で九州に来るクラブも長距離移動の条件は同じだが、九州・沖縄のクラブは、この移動問題にずっと悩まされてきた。福岡空港から本拠地まで歩けてしまう福岡はまだいい方で、鳥栖やJ2、J3のクラブの大変さは想像に難くない。

その中でヤマザキナビスコ・カップ(現ルヴァン・カップ)を制し、リーグ戦でも九州勢最上位の4位になった2008年の大分はもっと評価されてもいいし、鳥栖は12年からJ1に居続け、同年と14年には5位になった。

もちろん、福岡の選手たちから、移動を言い訳にしたコメントを聞いたことはない。リーグ戦で引き分けたアウェーの鹿島戦、横浜FC戦後はピッチで起こった問題点をすぐに話し合ったという。

15日、福岡はデンカビッグスワンスタジアムで新潟と戦う。アウェー初勝利を挙げ、さらに勢いをつけることができるか。(向吉三郎)

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向吉 三郎

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