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今季限りでNPBでの現役続行に区切りをつけ、ヤクルトを退団した内川聖一内野手(40)が3日、プロ野球独立リーグ、ヤマエグループ九州アジアリーグ「大分B-リングス」に入団することを発表した。横浜(現DeNA)とソフトバンク、ヤクルトで活躍し、NPBでは通算2186安打を記録。両リーグで首位打者も獲得した安打製造機は「生まれ育った大分で現役を終えたい」と故郷への恩返しを強く誓った。

◇ ◇ ◇

「24」と記された真新しいユニホームに袖を通すと笑みがこぼれた。大分市内で主催する学童軟式野球「第13回内川聖一杯」で、まず子供たちに入団を報告した内川。「少年野球で初めてもらった背番号。WBCでも付けたし、現役を辞める時の背番号も24がいいなと思って」。現役最後の舞台に選んだ故郷で、その目は少年のように輝いた。

大分工高から2001年横浜(現DeNA)に入団し、08年に右打者としてNPB史上最高打率の3割7分8厘で首位打者を獲得した。ソフトバンクに移籍した11年には史上2人目の両リーグ首位打者に輝きリーグV、日本一に貢献。21年からはヤクルトに移籍し、22年のプロ生活で通算2186安打を放った。華々しい成績を残し、不惑を迎えてもなお内川を突き動かしたのは、野球への情熱と故郷への思いだ。

「野球が大好き。まだまだ野球をやりたい。おなかいっぱいになるまでやりたい。最後ユニホームを着ている姿、脱ぐ姿を地元で見てほしい」

今後は関東を拠点にトレーニングを続け、来季の試合は大分県内でのホーム戦を中心に参加する。「打つことで野球選手としての地位を築いたと思っている。守備も走塁も全盛期に比べると当然落ちているけど、しっかりやりたい」。来年1月にはNPBの若手選手らとともに自主トレをし、キャンプに臨むつもりだ。

入団する「大分B-リングス」をはじめ、独立リーグでは数多くの若い選手がNPB入りを夢見てプレーしている。それだけに「NPBを目指すきっかけというか(自分が)基準みたいになれるように頑張らないと」と責任感も十分。「(これまで)感じたこと、やってきたことを伝えるのも僕の役目。出し惜しみせずに伝えたい」と意気込む。

起用について山下和彦監督は「打順は1番がいいんじゃないかな。たくさん(打席が)回る。大分に帰ってきたら目いっぱい使いたい」と構想を明かした。内川本人も「その心づもりでいる。もう一回楽しかった頃を思い出しながら、グラウンドの中を存分にけがしないように走りたい」。童心に返ったような表情と対照的に、その心には恩返しへの強い決意がにじむ。(浜口妙華)

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濱口 妙華

濱口 妙華

記者

福岡県八女市出身。 佐賀総局や熊本総局などで警察や行政を担当。熊本総局では熊本地震の取材に奔走した。 運動部では「タカ番」として日々奮闘中。高校野球と漫画「ハイキュー!!」をこよなく愛す。

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