江戸期以前日本出版文化史年表
〔奈良〕
〔平安〕
10〜12世紀
天皇、貴族の発願による摺経、摺仏がおこなわれる
春日版の先駆 (〜江戸時代)
南都・高野山・比叡山等で仏書出版
建久3年
(1192)
〔鎌倉〕
「往生要集」
(日本人著述の最初の開版)
「佛母大孔雀明王經」
(東寺版)
現存最古の高野版 (〜江戸時代)
五山版の刊行始まる (〜室町末期)
「黒谷上人語燈録」
(平仮名交じり版本のはじめ : 浄土教版)
建武3年
延元元年
(1336)
〔南北朝〕
僧、武家による開版正平19年
(1364)
「論語」
(正平版 : 刊年明確な、わが国最初の経書の開版)
中国より渡来の刻工兪良甫による開版
明徳3年
元中9年
(1392)
〔室町〕
「新刊勿聽子俗解八十一難經」
(医書挿絵本)
「佛果圜悟禪師碧巖録」
(美濃版)
(1591) サントスの御作業のうち抜書
(現存最古のキリシタン版)
(1593) 「古文孝経」
(古活字版:文禄勅版:現存不明)
(1596)
(1605) 「サクラメンタ提要」
(キリシタン版 : 二色刷)
(1624)
(1631) 「塵劫記」
(色摺)
(1637) 天海版「一切経」刊行始まる
(1644)
(1648)
(1655)
(1656) 「いなご」
(絵俳書の最初)
(1658)
出雲寺和泉掾等「十哲」と言われる十軒の有力書肆あり
(1661)
(1670〜1673) 「新板江戸外絵図」 貴9-27
(1673)
(1688)
(1704)
(1711)
(1716) 享保元年(1716) 暦の版行・発売を版木屋11人に限定
享保年間に漆絵、紅絵はじまる
享保年間に赤本盛行す
(1717) 「分間江戸大絵図」
(須原屋刊)
る二-67(1)〜(8) <享保2〜15年>
(1736)
(1744) 延享元年
(1744) 見当をつけて摺る方法を発明
この頃の黒本・青本現存す
この頃、紅擦絵行われる
(1748)
(1751)
宝暦期に江戸の出版、上方出版の勢力圏から離れ独自の道を歩み始める
(1764)
絵暦流行
洒落本この頃より流行す
(1772)
(1774) 「解体新書」
(最初の西洋解剖書:須原屋市兵衛刊) わ490.9‐15
安永3年(1774) 蔦屋重三郎、版元として初めて吉原細見「一目千本花すまひ」刊行。
安永から天明にかけて活躍
(1781)
明和〜天明にかけて、江戸における上方の出店閉じること多し
(1786〜1819) 「群書類従」刊行開始 127-1
各藩に藩版奨励
(1804)
文化年間に角丸屋甚助、万笈堂英平吉、活躍
(1818)
(1830)
(1842) 「和蘭文典」前編
(箕作阮甫:蘭書の翻刻) 箕作家文書147 天保13年(1842) 大藩に出版勧誘の達
(1844)
(1848)
(1850) オランダ政府、将軍家慶に「スタンホープ型」手引印刷機、欧文活字その他活版印刷に必要な道具一切を贈る
(1851) 本木昌造、創意により鉛活字を作り「蘭和通弁」を印刷 嘉永4年(1851) 問屋仲間再興の布告
(1854)
(1856) 「シンタツキス」
(Syntaxis, of woordvoeging der Nederduitsche taal.)
(蘭書翻刻本:長崎奉行所刊:わが国における近代的活版印刷術による最初の出版物) 蘭-633 安政3年(1856) 長崎奉行荒尾石見守、活字板摺立方を設ける
(1860) 「Familiar method for those who begin to learn the English language」
(蕃書調所刊:初級英文法書) 428.24-P634f
(1865)
この年表について
「前版」が出されてから20年近く経過しましたが、その間当館の古典籍資料の収集においては、出版史上貴重な資料を収蔵するなど一定の成果を収めることができました。「増補版」は、こうした資料収集の成果を「前版」に追加することを目的としました。
一方、この20年間に出版史上の新たな発見や研究が少なからず発表されており、気がついた範囲で年表を修正しました。もとより、資料の年代の判断は非常に困難なことであり、力不足のため不備な点も多く、大方の御教示をお願いする次第です。
なお「増補版」は「前版」の作成方針を踏襲しておりますので、参考として「前版」の「はじめに」を下記に再掲いたします。
はじめに
昭和63年11月21日より12月10日にかけて、国立国会図書館は「出版のあゆみ展-百万塔陀羅尼からCD-ROMまでー」を開催した。本年表の作製者たちは、この展示会の準備の過程で、江戸期以前の部分の出陳資料の選定、展示会目録の原稿執筆を担当した。この準備作業の一環として、出品候補資料を刊行年順にならべ、あわせて出版にまつわる若干の歴史的事項を併記したリストが作製された。
われわれはこれが、当館所蔵の日本の古典籍を、具体的なかたちで日本の出版文化史のながれのなかに位置づけるのに一定の役割を果すことができるものであり、延いては日本の出版文化史を簡単に通覧する手助けにもなりうると考えた。
しかし、このリストは、あくまでも展示会出陳資料の選定に資するために作製されたものであって、年表としては必ずしも十分なものではなかった。そこで、このリストに大幅な添削を加えて、本年表を作った。
ここでわれわれは、出版物の資料名をそれぞれの刊行年あるいは刊行年代につなげて列挙し、具体的に出版の流れを通覧することを主眼とした。その際、掲示資料を原則として当館所蔵資料に限った。また、年表に載せる場合、一部の例外をのぞいて極力初版本によることとした。したがって出版文化史上重要ではあるが、当館にこの基準に照らして適当な資料が所蔵されていない場合、あえて収録を見送った場合の少くないこともつけ加えておかなくてはならない。この点を諒とされ、かつ予想される不備についての御教示を賜れば幸である。
電子展示会の各コンテンツでは、国立国会図書館所蔵の様々なユニークな資料について、わかりやすい解説を加え紹介しています。
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