ふたご座流星群は「変わり者」、流れ星を楽しむための基礎知識
ピークを迎えるふたご座流星群をはじめ、流れ星について知っておきたいこと
2024年12月13日
宇宙を漂う塵が地球の大気圏に突入して燃え上がると、まばゆい流星群が発生する。写真はペルセウス座流星群(米ヨセミテ国立公園で撮影)。(COMPOSITE PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI)
流れ星は太古の昔から人々を魅了し続けてきた。なかでも、無数の流星が降り注ぐ流星群は特別だ。科学者は1800年代半ばから、ほぼすべての流星は氷の彗星(すいせい)から生まれることを知っていたが、なかには少数ながら小惑星を起源とするものもある。その一つがふたご座流星群で、もとの母なる天体は小惑星のファエトン(ファートンとも)だ。
まずは彗星から流れ星が生まれる過程から紹介しよう。
遠い宇宙から来た彗星が太陽に近づくにつれ、熱によって彗星の表面の氷がガスへと変化する。これが彗星の美しい尾となる。
彗星の氷が蒸発すると、ちりや粒子、さらには大きな石が放出され、それらが彗星の軌道に残される。彗星が太陽の周りを公転するたび、彗星の軌道にかけら(流星体)の流れが形成され、彗星が軌道から飛び出し、太陽系の外縁に戻った後も流れは残る。
地球が太陽の周りを公転するとき、かけらの流れを通ることもある。地球が彗星の残骸をかき分けるように進むとき、小さな岩石が地球の大気圏に突入して燃え上がり、夜空に壮大な光景が現れるというわけだ。
一方、ファエトンの残骸がどのようにまばゆい光を放つかは正確にはわかっていない。しかし、ある研究では、ファエトンはより大きな惑星体あるいは彗星の一部で、衝突や爆発によって分裂し、その際に生じた破片が流星群をもたらしているという仮説 を立てている。
ギャラリー:思わず息をのむ美しい流星 写真6点(写真クリックでギャラリーページへ)
秋田県由利本荘市の星空とペルセウス座流星群の流星の緑色をした軌跡の多重露光写真。(PHOTOGRAPH BY THE ASAHI SHIMBUN, GETTY)
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