「ペンギンは飛べないとずっと言ってきたのは間違いでした」
特集「2024 写真が記録した1年」撮影秘話:コウテイペンギン編
2024年12月07日
高さ15メートルの崖から初めて海に向かって「飛ぶ」コウテイペンギンのひなたち。(Photograph by Bertie Gregory)
バーティ・グレゴリー氏。(Photograph by Rakel Hanson, National Geographic)
映像作家でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)であるバーティ・グレゴリー氏は、8年にわたって南極でペンギンを撮影してきた。ところが2024年、自らが司会も務めるドキュメンタリー番組を撮影中に、それまでほとんど知られていなかった現象を目にすることになった。
若いコウテイペンギンが一列に並び、高い氷床から地平線に向かって消えてゆく。
(Video by Bertie Gregory/Talesmith)
さっそくドローンを飛ばしてみたところ、ペンギンたちが氷床の絶壁に沿って集まっていることがわかった。
「まさか飛び降りてはいないだろう。15メートルだよ!」。グレゴリー氏は信じられないという表情を浮かべた。
バーティ・グレゴリー氏とコウテイペンギンたち。(Video by Ben Joiner/Talesmith)
若いペンギンたちは、1カ月ほど前に親離れし、ここに置き去りにされたばかりだ。つまり、海で狩りをして、自力で食べものを見つけなければならない。
通常、ペンギンの初泳ぎは、繁殖地のそばの低い氷の周辺で行われる。ただし、コロニーがもっと高い場所にある解けない氷床で見つかることもある。気候変動の関係で、このようなケースが増えているようだ。
若いペンギンたちは、次々に崖から飛び降りていく。「ペンギンは飛べないとずっと言ってきたのは間違いでした」。撮影中の様子を収録しようとしてカメラを向けると、グレゴリー氏はそう言った。
グレゴリー氏が撮影したすばらしい南極の映像は、2025年4月にナショナル ジオグラフィックとディズニープラスで「ペンギンの秘密」として放送される予定だ。(Photograph by Bertie Gregory)
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研究者が手に載せているのは、体外受精で70日目まで育った後に命を落としたサイの胎児。(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE)
研究者が手に載せているのは、体外受精で70日目まで育った後に命を落としたサイの胎児。(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE)
文=Heidi Schultz/訳=鈴木和博