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紫金山・アトラス彗星がいよいよ地球に最接近、肉眼でも見える

8万年に一度の到来、チャンスは10月末まで、双眼鏡や小型望遠鏡もおすすめ

2024年9月30日の朝、プエルトリコのビエケス島で観測した紫金山・アトラス彗星。(Photograph by Babak Tafreshi)
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日本時間で10月13日に日付が変わるころ、多くの天文ファンが世紀の彗星と称えるめずらしい天体「紫金山・アトラス彗星」(C/2023 A3)が地球に最接近する。国立天文台によれば、東京では12日以降には日没直後の西のごく低い空に見えるようになる。夕方の同じ時間に見える位置は毎夜少しずつ高くなるが、明るさは暗くなっていき、数週間のうちに完全に見えなくなる。

地球に近づき、遠ざかっていく彗星は多いが、ここまではっきりと見える彗星はめずらしい。

「通常、ほとんどの彗星は肉眼で見えるほど明るくはなりません」。そう話すのは、米ミズーリ大学セントルイス校の物理学と天文学の准教授エリカ・ギブ氏だ。ネオワイズ彗星やヘールボップ彗星が有名になったのも、その明るさのためだ。こういった彗星は非常に明るいことから、天文イベントとして注目されている。(参考記事:「2020年に地球に接近したネオワイズ彗星」 )

高まる期待に応えてくれるか?

紫金山・アトラス彗星は、約8万年をかけて太陽を回る軌道を一周するとされる。つまり、前回姿を現したのは、現生人類が本格的にアフリカを出る前のことだった。ネアンデルタール人が絶滅するのは、それから4万年後ということになる。(参考記事:「小惑星と彗星とは:違いは何? 地球に衝突する可能性は?」 )

興味がある人なら、天体の動きを追跡できるサイトを調べれば、この彗星の進路を簡単に知ることができる。ただし、紫金山・アトラス彗星が事前の高い期待に応えられるほど明るくなるという保証があるわけではない。

彗星の明るさは、さまざまな不確定要素が組み合わさって決まる。ギブ氏によれば、太陽との距離、地球との距離、彗星の大きさ、彗星から放出されるガスや塵(ちり)の量などが関係する。こういった条件が確実に予測できるとは限らない。

暗い空など条件が良ければ肉眼で観測できるのは確かだが、これまでの肉眼で見えた彗星より明るく見えるかどうかは、まだわからない。そういった細かい点はともかく、熱心な宇宙ファンなら、この訪問者を見送るチャンスを逃す手はないだろう。(参考記事:「話題の「第2の月」は月ではない、本当に月が増える日は来るか」 )

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