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Processing

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Processing
ロゴ
Processingのロゴ
パラダイム オブジェクト指向
登場時期 2001年
設計者 ケイシー・リース、ベンジャミン・フライ
最新リリース 4.4.7[1]  ウィキデータを編集 - 2025年9月4日 (23日前) [±] [+/−]
型付け 強い型付け
影響を受けた言語 Design by Numbers
プラットフォーム クロスプラットフォーム
ライセンス GPLLGPL
ウェブサイト processing.org
テンプレートを表示

Processing(プロセシング)は、ケイシー・リース (英語版)(Casey Reas)とベンジャミン・フライ (英語版)(Benjamin Fry)によるオープンソースプロジェクトであり、かつてはMITメディアラボで開発されていた。電子アートとビジュアルデザインのためのプログラミング言語であり、統合開発環境(IDE)である。アーティストによるコンテンツ制作作業のために、詳細な設定を行う関数を排除している。 視覚的なフィードバックが即座に得られるため、初心者がプログラミングを学習するのに適しており、電子スケッチブックの基盤としても利用できる。Java を単純化し、グラフィック機能に特化した言語といえる。

機能

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Processing のIDE

Processing にはsketchbook(スケッチブック)と呼ばれる必要最小限のIDEが含まれている。

Processing でのプログラミングでは、全ての定義されたクラスは Java の内部クラスのコードとして扱われ、コンパイルされる。すなわち、クラス内の静的変数や静的メソッドは通常禁じられており、それらを使うにはユーザーが明示的に純粋Javaモードを指定しなければならない。

GPUドライバが提供するAPIが簡略化されてProcessingのAPIとして提供されているため、高度な表現を行う場合には不便に感じやすい。例えば、OpenGLで標準的にサポートされている環境マッピングが、APIとして提供されていないため、独自に実装する必要がある等である。

作成したプログラムをアプリケーションとしてエクスポートすることができる。また、processing.jsの機能を用いればネット上でコードの実行結果が見られる。

プログラム例

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Hello World

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println("Hello World!");

上記も正しいプログラムだが、次のようなコードの方がProcessingの雰囲気をよく表している。

text("Hello World!",20,50);

図形を描く

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rect(20,20,100,80);//四角形
ellipse(140,140,40,50);//楕円

日本地図の塗り分け

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ウィキメディアのSVG形式の日本地図の白地図を読み込み、Prefecturesという配列に記述された番号の県のみ塗り分けるプログラム。英語版の例のように地図データが各県ごとにnameを持っていれば県名で指定することも可能である。

PShapejapan;
floatmap_scale=0.25;
intsquare_len=512;
int[]Prefectures={2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43};// Prime numbers
voidsetup(){
japan=loadShape("https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/56/Blank_map_of_Japan.svg");
size(square_len,square_len);
smooth();
noLoop();
}
voiddraw(){
background(color(0,0,255));// blue
japan.disableStyle();
japan.getChild("ground").getChild(0).scale(map_scale);
fill(color(255,255,0));// yellow
shape(japan.getChild("ground").getChild(0),square_len*map_scale,square_len*map_scale);
prefecturesColoring(japan,Prefectures,color(255,0,255),map_scale);// magenta
saveFrame("map output.png");
}
voidprefecturesColoring(PShapenation,int[]prefectures,intc,floatn){
for(inti=0;i<prefectures.length;i++){
PShapeprefecture=nation.getChild("ground").getChild(0).getChild(prefectures[i]);
prefecture.disableStyle();// Disable the colors found in the SVG file
prefecture.scale(n);
fill(c);// Set our own coloring
noStroke();
shape(prefecture,square_len*map_scale,square_len*map_scale);// Draw a single prefecture
}
}

関連プロジェクト

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Processing から派生したプロジェクトとしてWiring(ワイアリング) (英語版)があり、Processing の統合開発環境に単純化したC言語を組み合わせて、アーティストがマイクロコントローラをプログラムできるようにするものである。Wiring を使ったハードウェアプロジェクトとして Arduino がある。また、フランシス・リのMobile Processing(モバイル・プロセシング)は、Processing を使って書かれたソフトウェアを Java を内蔵した携帯機器上で実行させるプロジェクトである。

受賞

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2005年、リースとフライは Processing に関する業績により、アルス・エレクトロニカのゴールデン・ニカ賞(ネットビジョン部門)を受賞した。

ライセンス

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統合開発環境は GPL の条件で公開されている。

アプリケーションやアプレットに含まれるライブラリコードは LGPL の条件で提供、開発したプログラムは任意のライセンスで活用可能である。

名前

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もともとリースとフライは processing.org が取得されていたため proce55ing.org というドメインを用いたが、しばらくして processing.org を取得した。proce55ing.org から取られた p5 という略称は、名前が変わったにもかかわらずときおり用いられる。

バージョン

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  • 2008年 11月24日:初のリリースバージョンである1.0がリリース。
  • 2013年6月:2.0がリリース。
  • 2015年9月:3.0がリリース。
  • 2022年8月:4.0がリリース。

関連項目

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外部リンク

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オラクル
現行
廃止
サードパーティ
Jakarta EE
その他
JVM言語
コミュニティ
カンファレンス
組織
人物
  1. ^ "Release 4.4.7"; 閲覧日: 2025年9月11日; 出版日: 2025年9月4日.

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