水道管破裂の原因は?対処方法や修理の費用相場を紹介
- 水道・ガス
水道管の破裂は突然発生し、放置すると建物に大きな被害を及ぼす可能性があります。そのため、迅速かつ適切な対応が必要です。この記事では、水道管破裂の主な原因や応急処置の方法、さらに修理費用の相場について詳しく解説します。突然のトラブルに備えて、冷静に対応できるように、ポイントをしっかり押さえておきましょう。
水道管が破裂する原因
水道管の破裂には、凍結、経年劣化、地震などが原因として考えられます。原因を特定せずに対処すると、トラブルが悪化する恐れがあるため、事前にこれらの原因を把握しておくことが重要です。
それぞれの原因を次に詳しく解説します。
水道管の凍結
寒冷地や寒波で水道管が凍結すると、膨張した氷が内部から圧力をかけて破裂を引き起こすことがあります。特にマイナス4°C以下で凍結のリスクが高まるため、保温チューブや断熱材を巻くなどの対策を講じることが重要です。
水道管の劣化
水道管は経年劣化により破裂することがあります。一般的に水道管の寿命は10〜15年ですが、素材や設置環境により異なります。特に海辺や雨風にさらされる場所では劣化が早まり、亀裂やサビが進行して破裂することがあるため、定期的な点検が重要です。
地震による負荷
地震による衝撃で水道管が亀裂や破損し、破裂を引き起こす場合があります。揺れが収まった後は、まず安全を確認し、次に水道管に異常がないかチェックすることが重要です。特に古い水道管は、地震が引き金となり破裂しやすくなるため、注意しましょう。
水道管の破裂による症状や被害
水道管の破裂による症状と被害は、設置場所によって異なります。
屋内の場合
- 壁や天井にシミやカビが発生する
- 壁紙やクロスが剥がれる
- 天井から水漏れがある
- 床が常に湿っている
- 床から水がしみ出してくる
屋外の場合
- 蛇口からの水の出方が悪い
- 水圧が低下している
- 家の敷地内に常に水たまりができている
- 地面から水が湧き出ている
- 水道を使っていないのに水道メーターが動き続ける
- 水道局から漏水の指摘がある
これらの症状を見つけた場合、早急に点検を依頼し、水道管の破裂による被害を最小限に抑えましょう。
水道管が破裂した場合の対処法
水道管が破裂すると、慌ててしまうかもしれませんが、冷静に対処することが重要です。破裂に気づいた際には、すでに相当な量の水が漏れている可能性もありますが、まずは慌てずに応急処置を行う必要があります。被害を最小限に抑えるためには、以下の手順を踏んで適切に対処しましょう。
止水栓を閉める
水道管が破裂したら、まず止水栓を閉めて水漏れを防ぎましょう。止水栓は、戸建てでは敷地内の道路側、マンションやアパートでは玄関横のメーターボックス内にあります。止水栓のタイプ(ハンドル式やコック型など)も確認しておくとよいでしょう。いざという時に備えて、位置と操作方法を事前に把握しておくことが重要です。
応急処置をする
止水栓を閉めた後は、水漏れ専用の補修テープを巻いて応急処置をします。補修テープがなければ、タオルや衣類で代用可能です。破裂箇所に手が届くなら、タオルやテープで応急処置を行い、水漏れを防ぎましょう。周囲の水を拭き取り、バケツを置いて被害を抑え、タオルが濡れたら交換してください。
水道業者に連絡する
止水栓を閉め、応急処置をした後、修理は資格を持つ水道業者に依頼する必要があります。自分で修理を試みると、損傷が広がったり、他の設備に影響を与えたりする恐れがあるため、速やかに専門家に連絡し、被害を最小限に抑えましょう。住居の形態によって連絡先が異なるため、事前に確認しておくことも重要です。
戸建ての場合
戸建て住宅の場合は、家を建てた建築会社や販売会社に連絡し、水道管の配置がわかる図面があれば作業がスムーズに進みます。自己所有の物件であれば、水道局指定の専門業者に依頼しましょう。賃貸物件の場合は、大家さんや管理会社に連絡し、指示に従って修理を手配します。無資格の業者やDIYでの修理は避け、法律や自治体のルールに従って対応することが大切です。
マンション・アパートの場合
賃貸のマンションやアパートの場合、自己判断で修理を進めるのではなく、管理会社やオーナーの許可が必要です。オーナーが信頼する修理業者がいることもあるので、まずは管理会社やオーナーに相談しましょう。
分譲マンションにお住まいの場合は、共有部分の破裂は管理会社が対応しますが、専有部分の破裂はご自身で修理業者に依頼する必要があります。専有部分か共有部分か判断が難しい場合は、まず管理会社に確認してください。
水道管破裂の修理代の費用相場
水道管破裂の修理費用相場は、破損状況や修理箇所によって大きく異なり、一般的な屋内修理では約2万円前後が相場です。ただし、床下や壁の中にある隠れた配管の修理には3万〜5万円ほどかかることがあります。
東京ガスの修理料金については、給水・給湯管の工事費用が16,500円(税込)から、保温工事が9,900円(税込)からで、いずれも部品費用が別途発生します。
費用は業者や作業内容によって異なるため、必ず詳細な見積もりを取り、複数の業者に相見積もりを依頼しましょう。これにより、適切な業者を選ぶことができます。さらに、緊急対応時の追加料金や、使用する部品による費用が発生する場合もあるため、事前に確認することが大切です。修理後の保証内容やアフターフォローが充実しているかどうかも、業者選びの際に考慮すべき重要なポイントです。こうした準備をしっかり整えることで、予期せぬトラブルにも冷静に対応でき、安心して修理を進めることができます。
水道管破裂の修理のときに確認したい制度
水道管の破裂修理には費用がかかりますが、補償や制度を活用すれば負担を軽減できます。こうした制度を活用して、修理費用を抑えることも検討しましょう。
水道料金の減免制度
水道管が破裂した際には、水道料金の減免制度が利用できる場合があります。この制度は、目に見えない場所での漏水が対象で、故意による破裂や凍結が原因の場合は適用されません。利用には、修理業者に申請を依頼するか、自分で水道局に申請書を提出する必要があります。地域によって減免額は異なるため、詳細はお住まいの地域の水道局に確認しましょう。申請をスムーズに進めるためには、修理業者の対応や手続き方法も事前に確認しておくと安心です。減免制度をうまく活用し、費用負担を軽減しましょう。
火災保険での補償制度
火災保険には水まわりのトラブルに対する補償制度があり、水漏れ補償や水災補償が適用されると、水道管破裂の修理費用がカバーされることがあります。ただし、自分の不注意や経年劣化による損害は対象外です。また、「水道管凍結修理費用保険金」などの特約がついている場合もありますので、契約内容を確認し、保険会社に問い合わせることが重要です。適用条件や範囲を事前に確認し、必要な手続きを行いましょう。
水濡れ補償
水道管の凍結による破損で、建物や家財が水に濡れた場合には「水濡れ補償」が適用されることがあります。これは水道管や排水管の破損により、建物や家財に損害があった場合に補償されますが、修理費用そのものは対象外です。単に水道管が破裂しただけでは補償されないので、建物や家財に実際の影響があることが条件です。大きな被害があった場合には補償が受けられるため、該当する際は必ず申請しましょう。
水道管凍結修理費用保険
水道管凍結修理費用保険は、凍結による水道管の破裂修理費用を補償する保険です。寒冷地に住んでいる方には特に重要ですが、寒冷地以外でも水道管の凍結リスクはあります。加入している火災保険に、この保険が含まれているか確認し、補償内容をチェックしましょう。保険金には上限があり、契約内容によっては修理費用全額が補償されない場合もあるため、契約を見直すことも大切です。古い契約の場合は特に、補償内容の更新や追加を検討しておくと安心です。
水道管破裂の修理を依頼するときのポイント
水道管が破裂して水漏れが発生し、漏れ箇所が特定できない場合は、水道業者に調査を依頼する必要があります。専門の業者が音聴調査や漏水探知機を用いて、原因箇所を特定します。調査費用の相場は1万〜2万円程度です。
修繕費用については、事前に見積もりを取り、修理内容を確認しておくと安心です。修理は市区町村の水道局が指定している業者に依頼することで、適切に対処できます。業者を選ぶ際は、ホームページで実績や技術力を確認しましょう。
また、減免制度の利用に配慮している業者も検討ポイントです。今後の水道管破裂を防ぐためにも、定期的なメンテナンスの相談ができる業者を選ぶことが大切です。
水道管破裂を修理したときにかかる作業時間
修理にかかる作業時間は、破損箇所や状況によって異なります。露出している水道管であれば、簡単な交換作業で短時間で済むことが多いですが、壁や床、地中に埋まっている配管の場合、撤去作業が必要になるため、時間がかかります。また、工事が完了した後には、撤去した部分を元通りに復旧する作業も必要です。
例えば、パッキン交換や給水管(フレキシブル管)の交換、トイレタンク内の部品交換などであれば、通常60分程度が目安です。しかし、作業内容によっては当日中に完了しない場合もあります。修理を依頼する際は、時間に余裕を持っておくのがおすすめです。
まとめ
水道管の破裂は予期しないトラブルで焦りがちですが、適切に対処すれば被害を抑えられます。主な原因は「凍結」「劣化」「地震」で、破裂時には速やかに止水栓を閉め、その後すぐに修理を依頼することが重要です。
また、応急処置には限界があるため、専門業者に修理を任せましょう。放置すると二次被害や水道代の増加につながる可能性があるため、冷静かつ迅速な対応が大切です。
執筆年月日:2024年9月
※(注記)内容は2024年9月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。