水回りリフォームの費用相場|安く抑えるコツや工事期間を解説
- 自宅の修理・リフォーム
水回りは家庭生活に欠かせない重要な設備です。そのため、これらの設備を常に清潔で安全な状態に保ち、故障やトラブルを未然に防ぐことが大切です。定期的なメンテナンスや適切なタイミングでのリフォームを行うと、快適な生活環境を維持できます。
本記事では、水回りリフォームの費用相場について解説します。予算を抑えながらリフォームを行うためのコツや工事期間もご紹介しますので、水回りリフォームをお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
【マンション・戸建て】水回りリフォームの費用相場
住宅の水回りは、キッチン、浴室、トイレ、洗面所の4箇所を指し、日常的に使用するため、汚れ や劣化が進みやすい場所です。個別にリフォームすると合わせて約200万〜350万円程度かかるとされていますが、4箇所まとめて行う場合の費用はどのくらいになるのでしょうか。
マンションで水回り4箇所をまとめてリフォームする場合
マンションで水回り4箇所をまとめてリフォームする場合には、おおよそ90万〜300万円程度の費用がかかります。可能であれば、200万円以上の予算を確保しておくのがおすすめです。 高品質な設備や最新機器を選択すると、総額がさらに膨らむ傾向にあります。
また、マンションの場合は建物の構造上の制約があるため、配管の変更などが難しいことがあります。このような制約により、追加工事が必要になると、予想以上の費用がかかるケースもあるため注意が必要です。
一戸建てで水回り4箇所をまとめてリフォームする場合
一戸建てで水回り4箇所をまとめてリフォームする場合は、おおよそ100万〜250万円程度の費用が必要となります。マンション同様、デザインや機能性にこだわる場合、費用はさらに増加する可能性があります。
一戸建ての場合、マンションと比べて工事の自由度が高く、間取りの変更や配管の移動がしやすいのが特徴です。そのため、生活スタイルに合わせたレイアウト変更や、最新の設備導入がしやすいというメリットがあります。ただし、この自由度の高さが予想外の費用増加につながる可能性もあるため、あらかじめ十分な確認が必要です。
【場所別】水回りリフォームの相場
次に、それぞれの水回り場所ごとにリフォームする場合の相場について確認していきましょう。
キッチンのリフォーム
キッチンのリフォーム費用は、一戸建て、マンションともに20万〜150万円程度が一般的な目安となります。特にマンションの小型システムキッチンであれば、比較的リーズナブルな価格でのリフォームが可能です。
リフォームの内容には、水栓やコンロ、レンジフードの交換、対面キッチンへのレイアウト変更など、さまざまな選択肢があります。これらの具体的なリフォーム内容によって、費用が大きく変動する点に注意が必要です。
浴室のリフォーム
浴室のリフォーム費用は、一戸建てやマンションのユニットバスで60万〜150万円、一戸建ての在来浴室で60万〜200万円程度になります。ユニットバスは工場製造のパーツを組み立てるため、工事期間が短く、費用を抑えやすいのが特徴です。一方、在来工法は各家庭に合わせて設計し、モルタルやタイルを使って現場で仕上げていく伝統的な方法です。主に木造の一戸建てで見られますが、近年では在来浴室からユニットバスへのリフォームが増えています。
トイレのリフォーム
トイレのリフォーム費用は、10万〜60万円程度が一般的です。ただし、実際の費用は工事内容や選択する設備によって大きく変わります。便器交換やウォシュレット設置であれば比較的安価ですが、和式から洋式への全面改装など、大規模な工事の場合は高額になります。
洗面所のリフォーム
洗面所のリフォーム費用は、一戸建て、マンションともに10万〜50万円程度が一般的な相場です。費用が変動する要因は工事の内容や設備のグレードによるものが大きく、特に洗面化粧台の移動や新設では、配管・電気工事が必要となり費用がかさむことがあります。また、壁紙や床材の張り替えなども追加費用の要因となります。具体的な費用は個々の条件で大きく異なるため、詳細な見積もりをとることが重要です。
水回りのリフォーム費用を抑えるコツ
前述のように、水回りのリフォームには多くの費用がかかります。限られた予算内で快適な水回り空間を作るためには、コスト削減のための知識が重要です。そこで、ここでは水回りのリフォーム費用を抑えるコツについてご紹介します。
できるだけセットでリフォームする
水回りのリフォームは、できるだけセットにすることで費用を抑えられる場合が多いです。これは、水回りの設備が同じ時期に老朽化しやすいため、複数の場所を同時にリフォームすることで、人件費や養生費などの諸経費を抑えられるためです。
また、工事期間も短縮でき、全体的な費用削減につながります。さらに、業者が資材をまとめて発注することで、仕入れ値を下げられるメリットもあります。
ただし、このようなセットプランでは、多くの場合、選択できる設備や仕様に制限があるため、特定のメーカーや機能にこだわりのある方には不向きかもしれません。自身のニーズと予算を十分に検討したうえで、セットプランを選択するかどうかを決めることが重要です。
設備のグレードを下げる
水回り設備は多種多様で、機能や素材によって価格が大きく変動します。日常生活に必要な品質と機能を見極め、適切なバランスをとることが大切です。ハイグレードなものほど高価ですが、基本機能のみで満足できる場合は、グレードを下げてコストを抑えるという選択肢もあります。
補助金や助成金を利用する
工事の種類や規模によっては、補助金や助成金を受けられる場合があります。あらかじめ活用できる制度がないか、確認しておくのがおすすめです。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の性能向上を目的としたリフォーム工事を支援する制度です。この事業では、住宅の省エネルギー性の向上や耐震性の強化など、特定の性能を向上させるリフォーム工事が補助対象となります。具体的には、高効率給湯器への交換など、水回りリフォームも対象となる可能性があります。
ただし、補助を受けるためには、次の4つの要件をすべて満たすことが必要です。
要件1.対象となる住宅の規模、用途
住戸面積の確保
- 延べ面積の過半が住宅(リフォーム前後とも)であること
- 少なくとも1の階の床面積(階段部分を除く)が40m2以上、かつ、延べ面積が55m2以上であること
居住環境
- 地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること
要件2.維持保全計画の策定
- 維持保全の期間(30年以上)について、評価基準で求める内容を維持保全計画として定めること
要件3.補助対象となる工事を実施すること
- リフォーム工事実施後の住宅が、この事業が定めている「住宅性能に係る評価基準」に適合するものであること
要件4.工事以外の要件
- 工事着手前にインスペクション(建物現況調査)を実施すること
- リフォーム工事履歴と維持保全計画を作成すること
出典:補助を受けるための要件|長期優良住宅化リフォーム推進事業
補助限度額は事業タイプによって異なり、評価基準型では1住戸につき80万円(特定の条件下では130万円)、認定長期優良住宅型では1住戸につき160万円(特定の条件下では210万円)です。
介護保険における住宅改修
介護保険における住宅改修は、在宅介護を支援するための制度で、要支援および要介護認定を受けた方を対象に、一定の住宅改修費用が給付されます。
水回りの改修では、介護を目的としたトイレの和式から洋式への変更が該当する場合があります。他には、手すりの設置、段差の解消なども対象です。給付額は20万円までで、所得に応じて1割から3割の自己負担があります。具体的な手続きや詳細については、各市区町村の窓口にお問い合せください。
地方自治体独自の補助金・助成金
水回りのリフォームを検討する際に活用できる、地方自治体独自の補助金・助成金もあります。各自治体の住宅リフォームに関する補助金や助成金の情報は、住宅リフォーム推進協議会ホームページで検索可能です。ただし、制度の内容や条件は随時更新される可能性があるため、詳細については、各自治体の担当窓口に直接確認することをおすすめします。
水回りリフォームの実施タイミング
水回り設備の耐用年数は、一般的に15〜20年程度とされています。この期間が経過すると、リフォームを検討するよいタイミングだといえるでしょう。また、リフォームを行う際は、家族構成やライフスタイルの変化を反映させるチャンスでもあります。特にキッチンや浴室、トイレは、生活様式の変化に合わせてリフォームされることが多い箇所です。
水回り設備の技術は日々発展しており、20年前の設備と比較すると、使いやすさや衛生面で大きな進歩が見られます。15年以上経過した住宅であれば、水回りのリフォームによって日常生活に大きな変化をもたらすことができるでしょう。
水回りリフォームの工事期間の目安
水回りリフォームの工事期間は、改修箇所や工事規模により変動します。一般的に、キッチン・浴室は2〜6日間、トイレ・洗面所は1〜4日間程度が目安です。
単純な設備交換なら1日程度で完了する場合もありますが、レイアウト変更や大規模改修では、より長期間を要します。例えば、和式トイレの洋式化や、在来浴室のユニットバスへの交換、壁や床の張り替えは多くの時間がかかります。さらに、工事期間が延長される要因としては、給排水管の取り替えや電気工事が必要な場合です。複数の水回りを同時にリフォームする際は、全体の工事期間がより長くなる可能性を考慮し、柔軟な対応ができる準備をしておくことをおすすめします。
まとめ
水回りリフォームは、家庭の快適さを保つために重要です。リフォーム費用を抑えるためには、セットでのリフォームや設備グレードの適切な選択が効果的です。さらに、今回ご紹介したような補助金や助成金の活用も検討することをおすすめします。設備の耐用年数やライフスタイルの変化を考えた計画的なリフォームを行い、快適で機能的な住空間を実現しましょう。
執筆年月日:2024年9月
※(注記)内容は2024年9月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。