ゴミ屋敷の5段階のレベルとは?特徴や片付け方について解説
- 不用品回収
ゴミ屋敷の片付けに悩んでいる方は、「自力で片付けるべきか、専門業者に頼むべきか?」と迷うことがあるかもしれません。
本記事では、ゴミの量や汚れの程度の目安をレベルごとに分類し、適切な対処法や専門の業者を依頼する場合のポイントなどについて詳しく解説していきます。
ゴミ屋敷のレベルは5段階
ゴミ屋敷は、散らかっている物の量や種類によって5段階にレベル分けできます。
適切な片付け方法を知るために、自宅や身内の部屋がどのレベルに該当するか確認しましょう。
レベル1.床にゴミが散乱している
ゴミ屋敷レベル1は、床にゴミが散乱して見えなくなりつつあるものの、まだ自力で片付けられる段階です。レベル1の部屋には以下のような特徴があります。
- 1ヶ月以上掃除がされておらず、長期間片付けが行われていない
- 日用品、書籍、着用済みの衣類が床に散らかっており、ゴミが広範囲に散乱している
- 悪臭や害虫は発生しておらず、臭いも感じない
- 生活には大きな支障はないが、片付けが必要な状態
家庭用のごみ袋に収まる程度のゴミが散乱しているのみで、悪臭や害虫もなく、日常的な掃除で対応可能な状態です。
毎日ゴミを片付けていけば、自分できれいにできるレベルといえるでしょう。
レベル2.ゴミで床全体が覆われている
寝る場所がないほどゴミが床全体を覆っているレベル2の状態になると、生活に支障をきたし始めます。
以下はレベル2の具体的な判断基準です。
- 床が見えず、足の踏み場もない状態
- 場所によっては膝ほどの高さにゴミが積み上がっている
- 何がどこにあるかわからない
- ベッドや布団にまで物が置かれている
またレベル2の段階になると、ほこりが積もることによって起こる電気系統の火災リスクも高まります。自力で片付けられることもありますが、ほとんどの場合、専門業者へ対応依頼することが推奨されます。
レベル3.ひざあたりまでゴミが積みあがっている
部屋全体にゴミがひざの高さまで積もり、床が見えない状態です。必要・不要品が混在し、散乱しているため、転倒やゴミ崩れによるケガのリスクが高くなります。
以下がレベル3の基準です。
- 部屋全体がゴミ箱のような状態で移動が困難
- コンビニ弁当などの空き容器やお菓子の袋がそのまま残されている
- 粗大ゴミや不要家電などの大型のゴミも含まれている
レベル3ではさまざまな種類のゴミが含まれているため、専門業者に依頼して仕分け、回収・処分をする必要があります。
またゴミが溜まったことで床や壁に汚れが染み付いている場合、ハウスクリーニングなしでは原状回復は難しいでしょう。こちらも専門業者に対応依頼するのがおすすめです。
レベル4.害虫や悪臭が発生している
レベル4では、ゴミや不用品が部屋全体を占領し、生活スペースがほとんどない状態です。
食べ残しや飲み残しが増え、衛生状態が極めて悪化しています。
害虫や害獣・悪臭が発生し、食中毒や感染症が発生すれば命の危険も伴うため、深刻な状況といえます。
以下はレベル4の特徴です。
- ゴキブリやハエなどの害虫・昆虫が大量発生している
- 床がゴミで覆われ、毎日ゴミを踏んで生活している
- 部屋全体に強い悪臭が漂っている
レベル4はもはや人が住める環境ではなく、直ちに改善が必要です。
近隣住民にもゴミ屋敷として認識され始める段階です。賃貸住宅であれば、家主や管理会社からゴミの撤去や改善を求められる可能性もあるでしょう。
ゴミの片付けに加え、清掃・消毒が必要です。ハウスクリーニングや害虫除去など、専門業者に依頼して早急に対応するのが望ましいレベルです。
レベル5.家全体にゴミが納まりきらない
レベル5は、自分の部屋を超えて、共有スペースや道など家の外にもゴミが広がっている状態です。害虫や悪臭が室外にまで悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
以下がレベル5の基準です。
- 部屋のみならず、庭や玄関にもあふれている
- 周囲の家の敷地にもゴミが出て、悪臭や害虫が発生している
- 近隣住民から自治体に苦情が出ている
- 行政の職員が部屋の状況を確認しに来る
- 住居としての機能が失われている
レベル5の段階になると、近隣住民からの多数の苦情により、ゴミ屋敷条例に基づき行政から指導が入ることがあります。
自治体によっては放置すると強制撤去される可能性があり、高額な費用を請求される可能性もあります。早急な対処が必要です。
ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷を放っておくと、火災や感染症の危険など、さまざまな問題が生じます。
ここでは、ゴミ屋敷を放置することでどのようなリスクがあるのかを紹介します。
火事の危険性
ゴミ屋敷での火災は、タバコやストーブからの引火だけでなく、コンセントに溜まったホコリが原因で発生する「トラッキング現象」によっても多く起こります。
また、路上にまでゴミがあふれている場合は、放火の標的となる危険性が高まります。
転倒事故の危険性
ひざ上までゴミが積みあがった状態のゴミ屋敷の場合、床が見えないため、ゴミに足を取られて転倒し、思わぬけがをする危険があります。
食中毒などの健康被害
食べ残しや飲み残しなどが増えることで、衛生状態が極めて悪化します。
害虫が発生している場合、食中毒や感染症のリスクが高まり、一人暮らしだと助けを呼べず最悪の事態になる危険性もあります。
周囲からの孤立
ゴミ屋敷は、敷地の外にも悪臭や害虫の発生による悪影響を及ぼし、近隣住民の健康被害も懸念されます。
自治体や、賃貸なら管理会社などから改善を求められるレベルになると、近隣との関係が悪化し、孤立する可能性も出てくるでしょう。
ゴミ屋敷の片付け方法
ゴミ屋敷の片付け方法は、レベルにより異なります。
ここでは、ゴミ屋敷の清掃を自力でするか、業者に依頼するかの判断基準を紹介します。
レベル1・2は自分で片付けることも可能
ゴミ屋敷レベル1・2の場合は、自力で部屋を片付けられる場合もあります。
ゴミが散乱して足の踏み場がなくても、悪臭はしておらず衛生面の悪化が見られない状態であれば、居住者自身が片付けることは十分可能です。
しかし、掃除を数週間から数ヶ月怠った状態になると簡単に片付けられません。週末などにまとまった期間を設けて、「片付け切る」決意で取り組む必要があります。
また、一戸建てだったり部屋が広かったりと、状況によっては自分だけで対処することが難しくなってくるため、専門業者への依頼を検討しましょう。
レベル3以上は業者を利用するのがおすすめ
レベル3以上のゴミ屋敷は自力での片付けが困難なため、専門業者に依頼するのが賢明です。
特にレベル5では近隣にも被害が及ぶため、早急な対処が必要です。
専門業者に任せれば、数時間〜数日程度で確実に清掃が終わるでしょう。 依頼者が害虫やカビなどを目にする必要もなく、肉体的・精神的な負担を軽減できます。
また、不用品業者に依頼すれば、状態の良い品は買取りされ、費用の節約ができるかもしれません。
専門業者に依頼する場合、「捨てないものリスト」を準備しておくと片付けの段取りがスムーズに進みます。
通帳や現金、印鑑やクレジットカードに加え、これだけは捨てないでほしいというものを専門業者に伝えておくと、仕訳などの作業時間が短縮され、処分費用を抑えられることも期待できるでしょう。
ゴミ屋敷の片付けを依頼できる業者の種類
ゴミ屋敷の片付けを依頼できる業者にはさまざまな種類があり、得意分野が異なります。
ここでは、「ゴミ屋敷清掃業者」「不用品回収業者」「ハウスクリーニング業者」「特殊清掃業者」の特徴を紹介します。
それぞれの違いを把握し、目的に合った業者を選びましょう。
ゴミ屋敷清掃業者
ゴミ屋敷清掃業者は、散らかった家の片付けや掃除を中心に行う清掃業者です。
物の仕分けや貴重品探し、消臭・消毒の対応ができるかどうかはそれぞれの清掃業者によって異なるため、事前に確認が必要です。
不用品回収業者
不用品回収業者は、家電やタイヤ、ソファなどの不用品を回収してくれます。
しかし、片付けや清掃は対象外です。また、ゴミ屋敷の物の仕分けや整理も対応してもらえない場合が多いので、事前に確認が必要です。
ハウスクリーニング業者
ハウスクリーニング業者は、プロ仕様の洗剤や道具を使い、自力では落とせない汚れや細かい部分を掃除します。ただし、清掃が目的の専門業者であるため、ゴミ屋敷の片付けやゴミ捨て、仕分けには基本的に対応できないと考えましょう。
特殊清掃業者
特殊清掃業者は、汚れや臭いが激しく損傷していた場合でも、高度な技術で家を元通りにできる業者です。
事件・事故や孤独死の現場の原状回復も行います。
消臭・消毒のプロで、片付けや仕分けにも対応する場合があり、ゴミ屋敷の片付けにはおすすめです。
ゴミ屋敷の片付け業者を選ぶ際の際のポイント
ゴミ屋敷の片付けを依頼する際は、見積もり費用や作業内容を確認して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
業者を選ぶ際に押さえるポイントは、以下の通りです。
実績があるか確認する
業者選びでは実績が重要です。
施工実績や作業内容、料金がホームページで公開されている業者は信頼性が高く、依頼数も多いと考えられます。
実績豊富な業者であれば、スムーズに片付けや清掃を進められるでしょう。
サービスの対応範囲を確認する
ゴミ屋敷のレベルや内容に応じて、清掃業者に求めるサービスも異なります。
特にレベル3〜5では汚れや悪臭が深刻なため、清掃と消臭を行う業者を選ぶことをおすすめします。片付けやゴミの仕分けは請け負っても、消臭などは出来ない業者もありますので、事前に対応可能なサービスを確認しましょう。
口コミや評価は悪くないか確認する
ホームページのお客さまの声や、Googleマップの口コミなどから、業者の信頼性を確認できます。
悪い口コミが書かれている業者は避けるのが賢明です。
また、口コミへの回答内容は、業者がお客様に対してどのような姿勢で臨んでいるかを示す重要な指標となります。
依頼前に費用を明確にするよう依頼する
想定外の費用を負担するリスクを避けるため、ホームページ確認時や見積もりの段階で、総額いくらかかるかを明らかにしておきましょう。追加請求の有無も確認することが大切です。
まとめ
ゴミ屋敷の散らかり具合は、物の量や状態によって5段階のレベルに分類できます。どのレベルに該当するのかを客観的に見極めて、レベルに応じた適切な対応を取りましょう。
ゴミ屋敷をそのままの状態にしておくと、さまざまなリスクが高まります。早めに現状を客観的に把握し、適切な対策を見つけましょう。
執筆年月日:2024年9月