冷蔵庫を引っ越しで運ぶための手順|掃除方法や費用相場も紹介
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引っ越しの際に手間がかかるのが、冷蔵庫の準備です。冷蔵庫は運ぶ前に中身を空にし、霜取りと水抜きをしておく必要があります。事前準備を怠ると、思わぬトラブルにつながることもあるため、しっかり対応しましょう。今回は、冷蔵庫を効率的に運ぶための手順や運搬時のコツ、掃除の方法、費用相場などを詳しく解説します。
引っ越しで冷蔵庫を運ぶための手順
引っ越しで冷蔵庫を効率的に運ぶには、2〜1週間前から準備することが大切です。
ここでは、期間ごとの手順を解説します。
引っ越し2〜1週間前
引っ越しの2〜1週間前には、冷蔵庫内の食材を確認し、使い切るためのメニューを考えます。引っ越し先までの持ち運びが難しい冷凍食品は、少なくとも前日までには消費しましょう。
瓶や缶などに入った、開封済みの食材や残りが少ない調味料も、料理に積極的に取り入れて使い切ります。瓶や缶などの不燃ごみは、自治体によって回収日が隔週の場合があるためです。回収日を過ぎると、引っ越し先にごみを持ち運ばなければならないため注意しましょう。
食材の無駄をなくし、余分な荷物を増やさないためにも、冷蔵庫をできるだけ早く空にする計画を立てます。
引っ越し5〜3日前
引っ越しの5〜3日前には食材の購入を控え、冷蔵庫に残っているものを使い切ります。
もし食材が不足する場合は、お惣菜の購入や外食などを活用するのがオススメです。
残りの日数で消費できない食材は、回収日に間に合うように処分します。どうしても捨てられない食材には、クーラーボックスなどを用意して対応しましょう。
数日後には霜取りや水抜きが必要になるため、冷蔵庫内を空にすることが優先です。
常温保存ができる食材や調味料は、この時点で梱包しておきます。
使いかけの場合はしっかりと封を閉じ、瓶などの容器は緩衝材で包むことが中身の流出を防ぐポイントです。
引っ越し前日
引っ越しの前日は、霜取りと水抜きの作業にとりかかります。
霜取りと水抜きを怠ると、運搬中に冷蔵庫から水が漏れて新居や荷物が汚れる可能性があります。面倒でも必ず実施しましょう。
霜取りと水抜きは、可能な限り早い時間から始めます。
引っ越し当日に慌てないよう、霜や氷が溶ける時間をしっかりと確保することが大切です。
なお、新しい冷蔵庫には「霜取り機能」が搭載されているものもあります。
その場合は蒸発皿に溜まった水を捨てるだけでよく、電源は引っ越し当日に切っても問題ないこともあるため、必ず取扱説明書を確認しましょう。
「霜取り」と「水抜き」の方法
霜取りとは「水を溶かす作業」、水抜きとは「霜取り後に溜まった水を捨てる作業」をいいます。
「霜取り」「水抜き」と聞くと手間がかかるイメージがありますが、作業手順は多くありません。運搬中のトラブルを防ぐためにも、確実に行いましょう。
多くの冷蔵庫は、蒸発皿を背面下部か底に設置しています。蒸発皿を取り出しやすいように、必要であれば冷蔵庫を動かしておきましょう。床が濡れないように雑巾やタオルを敷いておくと安心です。
【霜取りと水抜きの手順】
- コンセントを抜いて電源を切る
- 製氷機の氷を捨てる
- 半日ほど冷蔵庫のドアを開けておく(霜取り)
- 蒸発皿に溜まった水を捨てる(水抜き)
紹介した霜取りと水抜きの手順は一般的な方法です。冷蔵庫のメーカーや搭載機能によって方法は異なるため、取扱説明書には必ず目を通してください。
引っ越し当日
引っ越し当日は、引っ越し業者が冷蔵庫を梱包し運搬するため、新居での設置場所を明確に伝えましょう。
冷蔵庫は非常に重く、横に倒して運ぶのは故障につながるため厳禁です。
後から自分で移動することにならないよう、設置場所は的確に指示します。
業者が来るまでに時間がある場合は、冷蔵庫の掃除を済ませておくのがオススメです。
引っ越し後はやるべきことが多く、冷蔵庫の掃除は後回しになりがちです。
その点、引っ越し当日はほとんどの準備が終わっており、効率よく作業を進められます。
冷蔵庫をスッキリさせ、気持ちのよい新生活を始めましょう。
冷蔵庫の掃除方法
冷蔵庫内が空になる引っ越し当日は、冷蔵庫内の奥やゴムパッキン、ドアポケット、冷蔵庫の裏など、普段は見落としがちな部分まできれいにするチャンスです。
掃除に必要な洗剤や道具は、梱包せずに準備しておきましょう。
冷蔵庫の掃除に必要な道具
冷蔵庫の掃除には普段使っている道具で十分対応できます。
まずは以下の3つを準備しましょう。
【冷蔵庫の掃除に必要な道具】
- 中性洗剤(食器用洗剤)
- スポンジ
- 布
冷蔵庫内には野菜の土やこぼれた調味料、肉や魚のドリップ、食器に付いた油汚れなどが冷やされたり乾燥したりして、頑固な汚れとして残ります。
これらの汚れを落とすためには、中性洗剤を使いましょう。酸性やアルカリ性の洗剤は冷蔵庫の変色を引き起こす可能性があるためです。
また冷蔵庫の表面が傷つかないよう、スポンジはやわらかいものを使用します。かたいたわしや研磨剤の入ったスポンジは避けてください。
布もやわらかいものを水拭き用と乾拭き用に用意します。念のため数枚用意しておくと、作業がスムーズに進むでしょう。
さまざまな大きさや薄さの布を揃えておくと、さらに効果的に掃除ができます。
他にもあると便利なアイテム
さらにしっかりと掃除をしたい場合は、以下のアイテムがあると便利です。
【あると便利なアイテム】
- 綿棒
- 歯ブラシ
- 除菌スプレー
- 重曹
綿棒はゴムパッキンや隙間の掃除に便利です。指では届かない細かい部分の汚れも簡単に取り除くことができます。
同様に、歯ブラシも隙間や奥に入り込んだ汚れをかき出すのに適した道具です。冷蔵庫の表面を傷つけないように優しく擦りましょう。
除菌スプレーは水拭きや乾拭きの後に使用すると、カビの繁殖を防ぐ効果を発揮します。
また重曹は、食材を入れる冷蔵庫にも安全に使用できるアイテムです。重曹の使用方法は後述しますが、スーパーやドラッグストアでも手軽に入手でき、冷蔵庫以外の掃除にも幅広く使えるため重宝します。
冷蔵庫の掃除の手順
ここでは、霜取りと水抜きを済ませた冷蔵庫の、一般的な掃除の手順を解説します。
- 棚やドアポケット、製氷機など、取り外せるパーツを全て外す
- 取り外したパーツを中性洗剤とスポンジで洗い、しっかりと乾かす
- 除菌スプレーをかけて、さらに乾かす
- 汚れが溜まりがちなゴムパッキンや隙間は綿棒や歯ブラシできれいに取り除く
- 冷蔵庫内、側面、天面、取手部分を水拭きし、乾いた布で乾拭きする
- 埃が溜まりがちなコードは乾拭きする
- 取り外したパーツを元に戻す
冷蔵庫の汚れがひどい場合は、水拭きの際に重曹水を使用すると汚れが落ちやすくなります。
重曹水の作り方は、40°C前後のお湯200mlに重曹大さじ1を溶かし、スプレーボトルに入れるだけと簡単です。乾いた布にスプレーして拭き取ると、油汚れや皮脂汚れがきれいに落ちる他、消臭効果も期待できます。
引っ越しで冷蔵庫を自分で運ぶときの注意点
引っ越し業者に頼まず自分で引っ越しをする場合は、冷蔵庫も自力で運ぶことになります。費用を抑えるメリットはありますが、誤った運び方には冷蔵庫の故障や建物の破損といったリスクが伴います。
トラブルを防ぐために、いくつかの注意点をおさえておきましょう。
床や壁を養生する
冷蔵庫は落としたりぶつけたりすると、床や壁を傷つける恐れがあります。
傷の程度によっては修繕費を請求されることもあるため、搬入出する経路の床や壁は入念に養生しましょう。養生材はホームセンターやインターネットで購入できます。
本体のドアや中のトレイをしっかり固定する
運搬中に冷蔵庫のドアが開いたり中のトレイが飛び出したりすると、運ぶ人が怪我をする場合があります。また、床や壁に傷がつく恐れもあります。
運搬前に布テープや養生テープで、ドアやトレイをしっかり固定しましょう。
冷蔵庫を運ぶときは傾け過ぎない
冷蔵庫を横に倒すと、内蔵された冷却液が漏れて故障することがあります。
運搬時は必ず複数人で縦にしたまま運びましょう。
通路が狭くてそのまま通れない場合でも、できるだけ傾けずに緩やかに傾けながら運ぶことが重要です。
新居に冷蔵庫を搬入した後の注意点
新居に冷蔵庫を搬入した後は、すぐに電源を入れずに1時間ほど置いておきます。これは内蔵されている冷却液を安定させ、故障を防ぐためです。
また、食材を入れるのは冷蔵庫内が十分に冷えてからにしましょう。温度が高いと食材が傷んだり、風味が落ちたりする可能性があります。室内温度が高い時期は、クーラーボックスを用意しておくと安心です。
冷蔵庫だけを運びたいときの運搬方法
自分で冷蔵庫を運ぶ場合の注意点を解説しましたが、いくつかのリスクを考えると「コストを抑えたいけれど、自分で運ぶのは不安」と感じる方も多いでしょう。
そのような場合には、冷蔵庫の運搬のみを業者に依頼する方法もあります。
まずは、引っ越し業者に依頼する方法です。
一般的に冷蔵庫のみを運ぶプランはないため、単身向けの引っ越しプランで対応してもらいます。プロの作業員が運搬するため、安心して任せられるのがメリットです。
次に、宅配業者に依頼する方法です。
宅配業者には大型家電を運搬するサービスがあります。
引っ越し業者に依頼するよりも費用が抑えられる場合がありますが、設置場所まで運んでもらえるかを事前に確認する必要があります。
冷蔵庫のみを運搬する費用相場
冷蔵庫のみの運搬を業者に依頼する場合、気になるのは実際の費用です。
結論、引っ越し業者に依頼する場合の費用相場は15,000〜20,000円、宅配業者に依頼する場合の費用相場は7,700〜18,000円ほどです。
ただし、金額は条件によって大きく変動します。
引っ越し業者の料金は、移動距離や依頼時期が大きく影響し、繁忙期の3〜4月は通常の倍以上かかる場合もあります。
宅配業者の場合、料金の目安になるのは運搬距離とサイズ、重量です。100kgを超える大型冷蔵庫は追加料金がかかることもあります。
どちらの業者に依頼する場合でも、コストを抑えるには見積もりで金額を確認することが重要です。
引っ越しのプロに運搬を依頼するには、少なからず費用がかかりますが、その分手間や不安を大幅に軽減できるでしょう。
まとめ
引っ越しで冷蔵庫を運ぶ際は、食材の消費や水抜きといった準備を事前に済ませておきます。どれも難しい作業ではないため、計画を立てて効率よく進めることがポイントです。
冷蔵庫の掃除も手持ちの道具で簡単にできるため、運搬前に実施しましょう。
もし自分で引っ越しを行う場合は、冷蔵庫の運搬のみを業者に依頼することもできます。自分に合った方法で、無理のない引越しを進めましょう。
執筆年月日:2024年9月