倉都康行

RPテック(リサーチアンドプライシングテクノロジー)株式会社代表取締役

79年東京大学卒業。旧東京銀行で主にロンドン、香港、東京では為替、証券、新商品開発に従事。バンカーズ・トラスト、チェース・マンハッタン銀行のマネージング・ディレクターを経て2001年4月、RPテックを設立。代表取締役。日本金融学会会員、グラーバル資本システム研究所長、産業ファンド投資法人執行役員。主な著書に「金融史がわかれば世界がわかる」(ちくま新書)、「12大事件で読む現代金融入門」(ダイヤモンド社)など。

トランプ"狂騒曲"で活況の米金融市場、日本の「理想は円高、予想は円安」の理由

2024年12月3日

トランプ"狂騒曲"で活況の米金融市場、日本の「理想は円高、予想は円安」の理由

米国金融市場はトランプ氏が掲げる減税や規制緩和を歓迎して株高、ドル高が進み暗号資産が急騰する。しかし減税を含めトランプ政策の3本柱の関税引き上げや移民規制強化はインフレ誘発的な政策だ。物価高止まりで利下げ継続の観測は後退しており金...

日銀追加利上げ"見送り"の裏事情、デフレ脱却より「政治と為替」動向次第

2024年11月1日

日銀追加利上げ"見送り"の裏事情、デフレ脱却より「政治と為替」動向次第

日銀は実体経済の状況からはいつ追加利上げをしてもおかしくないが、緩和維持、低利継続を求める政権や政府への"配慮"が重視され、金利正常化は時間をかけて進めるのが基本戦略だ。だが、円安逆戻りによる物価上昇圧力が強まる一方で、党内基盤の...

「歴史的暴落」は単なる調整で済むのか?米中"政治リスク"に鈍感な市場の危うさ

2024年8月6日

「歴史的暴落」は単なる調整で済むのか?米中"政治リスク"に鈍感な市場の危うさ

生成AIブームなどで活況だった米国株式市場急変で日経平均株価も8月5日は過去最大の下げとなる歴史的大暴落となった。市場には一直線で上昇してきた株価の調整局面との見方もあるが、米大統領選での「トランプ勝利」など、株式市場の政治リスクへの...

「もしトラ」日本経済への5つのリスク、一律10%輸入関税や国債市場混乱

2024年6月4日

「もしトラ」日本経済への5つのリスク、一律10%輸入関税や国債市場混乱

米大統領選でトランプ前大統領が勝利することになれば二期目の政権では大型減税継続や「一律10%輸入関税」導入、移民規制強化などが実施される可能性が高い。米国の財政悪化やインフレ再燃、金融市場の不安定化などを通じて日本経済が打撃を受ける...

米国「年内利下げなし」シナリオ浮上、そのとき米国株はどう動くのか

2024年4月9日

米国「年内利下げなし」シナリオ浮上、そのとき米国株はどう動くのか

世界的な株式市場の活況を支える米国経済の堅調だが、今後もインフレ率が3%前後でとどまる一方で経済も2%前後の成長が続くとの見通しから"年内利下げ不要論"も出始めた。だが政策金利は22年ぶりの水準になっており債務過剰企業も少なくはない。...

2024年「円高予想」の読み違いリスク、ドル円相場「再び150円台」の可能性は?

2024年2月2日

2024年「円高予想」の読み違いリスク、ドル円相場「再び150円台」の可能性は?

2024年は米国のインフレ沈静化や日本の金融政策正常化で「ドル安円高」が市場などのメインシナリオだが、米景気や金融市場の先行き予想はコロナ禍以降、「3回の読み違い」があった。実際、米国ではインフレ再燃を懸念する声があり日銀の利上げがど...

李克強氏の訃報、「予測不能の政策」で強まる中国経済の視界不良

2023年11月2日

李克強氏の訃報、「予測不能の政策」で強まる中国経済の視界不良

李克強前首相が死去したが、「リコノミクス」と呼ばれた民間活力重視の経済政策は統制色を強める習近平体制の下で結実しないままだ。不動産不況の「出口」は見えず中国経済は「李氏の不在」で不透明感が一段と強まる。

「米国経済軟着陸」に期待高まる裏で「世界同時不況」の足音、どちらに転ぶ?

2023年9月7日

「米国経済軟着陸」に期待高まる裏で「世界同時不況」の足音、どちらに転ぶ?

米国では景気軟着陸の期待が高まるが、サービス価格や賃金は高止まっておりスタグフレーションのタネが潜む。中国は不動産不況深刻化で景気停滞色を強め、ミニ・スタグフレーションの欧州を含めると、むしろ懸念されるのは世界同時不況だ。

米債務上限問題で見えた「潮流変化」、市場の関心は金融政策から公的債務問題に

2023年5月31日

米債務上限問題で見えた「潮流変化」、市場の関心は金融政策から公的債務問題に

米国政府の債務上限問題の根底にあるのは財政赤字拡大が止まらないことだ。中国や欧州も同じ構図で、金融市場の関心は財政赤字拡大による金利上昇リスク、公的債務問題に移り始めている。

SVB破綻で露呈、ノーマークの「銀行破綻」連鎖を助長した"緩和ボケ"と不安心理

2023年3月24日

SVB破綻で露呈、ノーマークの「銀行破綻」連鎖を助長した"緩和ボケ"と不安心理

米国の中堅地銀の破綻がクレディ・スイスの買収劇に発展した今回の銀行不安は、長い緩和から急速な利上げで金利上昇リスクへの感度が鈍っていたことや、思わぬ破綻連鎖に不安心理が過剰に強まった面がある。

米政策金利「5.5%以上」で円安復活の可能性、"ディスインフレ期待"は幻想?

2023年2月22日

米政策金利「5.5%以上」で円安復活の可能性、"ディスインフレ期待"は幻想?

人手不足による賃金上昇圧力が強い上、資源価格が再上昇する可能性もあり世界的なディスインフレへの期待は幻想に終わり、とりわけインフレ基調の根強い米国のFFレートは5.5%以上に引き上げられる可能性もある。

ウクライナ侵攻のさまざまな"読み間違い"、世界経済は「高インフレ定着」

2022年6月9日

ウクライナ侵攻のさまざまな"読み間違い"、世界経済は「高インフレ定着」

ロシアのウクライナ侵攻では各国の指導者や政策担当者らのさまざまな「計算違い」が事態の悪化を増幅した。世界経済にとっても設備投資や投資パターンに変化をもたらし高インフレを定着させる要因になった。

ロシアが軍事侵攻開始、「ウクライナリスク」が世界経済に波及する6つのルート

2022年2月26日

ロシアが軍事侵攻開始、「ウクライナリスク」が世界経済に波及する6つのルート

ウクライナへのロシアの軍事侵攻が始まり、欧米諸国はロシアへの厳しい経済制裁を表明した。資源価格高騰や金融市場混乱など世界経済はスタグフレーションに陥りかねない「ウクライナリスク」にさらされる。

ニクソン・ショック50年、「2つの依存」で世界経済は不安定が続く

2021年9月2日

ニクソン・ショック50年、「2つの依存」で世界経済は不安定が続く

「ニクソン・ショック」から半世紀、米中対立が本格化するが、通貨覇権の交代は見えてこない。世界は米国の金融政策に左右される「ドル依存」と量的緩和に頼る「緩和依存」で金融危機などが繰り返される不安定が続く。

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