「30代社員」を食い物にする職場に
見切りをつけろ!(上)

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仕事量に対して、賃金がワリに合わないことも少なくない30代社員。それを不満として出すと「協調性がない」「組織に向いていない」と異端扱いされることも。30代社員の悲鳴が今日も響き渡る

今回は、ある30代の男性会社員が転職にいたるまでの「心の軌跡」を紹介したい。30代は、20代と比べて仕事が増える一方で、まだそれにふさわしい権限を会社から与えられないことが多い。仕事量に対して、賃金がワリに合わないことも少なくない。40〜60代と20代の間に挟まり、職場のピエロのような「笑い者」的な扱いを受けることすらある。次第に、理不尽で解せない思いになってくる。

会社や上司たちは、そんな不満を持つ30代社員を「協調性がない」「組織に向いていない」と異端扱いする。何もわからないはずの20代も、無責任な40〜60代も、その空気に同調する。いつしか、30代は孤立していく。

実はそれらは、会社が巧妙に進める「レトリック」なのだ。損をする者を組織的につくることで、自分たちの立場を守ろうとする、不当なからくりとも言える。それに気がつかないようにするために、彼らは「30代包囲網」をつくるのである。あなたの身近にも、このような人たちがいないだろうか。


「身勝手なことを言わないで
もっときちんと仕事をしないと......」

清水(37歳)はさっきまで自席にいたが、今にも怒鳴りたくなる思いを抱き、喫煙室に駆け込んだ。タバコを吸いながら、こう思った。

もう、この会社を辞めよう――。いつまで、こんな会社に残るんだ......。

たった今、女性上司の平田(49歳)から、広報部の部員5人がいる前で叱られた。老眼鏡をかけ、上目づかいでこちらを睨みつけていた。

「清水さんは、身勝手なことを言わないで......。もっときちんと仕事をしないと......」

平田は女性だけに物言いは柔らかだが、きっぱりとした口調でこう言う。この場合の「きちんと」とは、清水が他の部員の仕事の分まで抱え込まなければいけないことを意味している。

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