穀物価格はエルニーニョ現象で「下落」予想も、24年に要注意な3つのリスクシナリオ
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気象状況は商品市況、とりわけ穀物の価格形成に大きな影響を及ぼす。ここ3年間は、ラニーニャ現象が続いていた。このほど発表された長期予報を基に、穀物価格の行方とリスクシナリオを考えてみたい。(マーケット・リスク・アドバイザリー共同代表 新村直弘)
商品市況を占う重要な気象情報
今年はエルニーニョ現象が発生の見込み
穀物を含む食品といった商品市況を占う上で、気象は重要な要素だ。その重要な要素である気象予報が、このほど発表された。
米気象予報センター(CPC)は、ほぼ3年続いたラニーニャ現象が収束し、今年の夏から秋にかけてエルニーニョ現象が発生するとの見通しを示した。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より上昇し、一定期間続く状態のことを指す。これに対し、ラニーニャ現象は同じ海域で海面水温が平年より低下する状態が続くことをいう。
エルニーニョ、ラニーニャのいずれの現象も、大気が不安定になって異常気象が発生しやすい。冷夏や暖冬といった一定の傾向はあるものの、必ずしもその通りにはならない。
実際、2022-23年シーズンの冬において、北半球はラニーニャ現象の発生により記録的な厳冬が予想されていたが、ふたを開けてみれば逆に記録的な暖冬となった。
では、エルニーニョ現象、ラニーニャ現象が商品市況にどのような影響を与えるのか。過去のデータを基に、その相関性を分析した上で、穀物を含む食品価格を巡るリスクシナリオを考えてみたい。
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