トヨタや神戸製鋼が悲鳴!シリコン、アルミ等の価格爆騰を招いた中国の「ある異変」
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金属シリコン、金属マグネシウム、アルミニウムといった非鉄金属が歴史的な高値を記録している。最大の生産国である中国からの供給が追い付いていないためだ。実のところ、中国である異変が起きていた。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
「経験したことのない急激な価格上昇」
驚きを隠せない商社関係者
半導体や太陽光パネルの主原料になる金属シリコンが8月24日、1トン当たり3500ドルを記録した。
非鉄金属を取り扱う専門商社タックトレーディングによると、8月24日に記録した金属シリコンの価格は、2011年10月の最高値2870ドルをはるかに上回った。コロナ禍の20年6月に記録した底値1560ドルからは、わずか1年で2倍以上の上昇である。
「ここまで急激な価格上昇は、経験したことがない」。同社の上島隆史専務は、驚きを隠せない。
歴史的な高値を記録しているのは、シリコンだけではない。アルミニウム合金の強度を高める添加剤として用いられ、アルミ缶などが最終用途の金属マグネシウム、そして自動車、航空機、缶など幅広い部品の素材であるアルミニウムも"爆騰"しているのだ。
タックトレーディングによると、金属マグネシウムは、20年8月に1トン当たり2000ドルを割って以降、右肩上がりに上昇を続け、今年5月には3000ドルを突破。8月27日には4000ドルを超えて08年以来の高値となり、5000ドルをうかがう勢いだ。
アルミニウムは、世界最大の取引所であるロンドン金属取引所(LME)で20年4月に1424ドルの底を打ってから上昇した。足元は2600ドルを超えて歴史的な高水準となっている。
非鉄金属の価格が高騰した背景にあるのは、需給がタイトであることだ。
新型コロナウイルス感染拡大からの世界的な経済回復に伴い、金属マグネシウム、金属シリコン、アルミニウムのいずれも需要が旺盛になっている。これに対し、最大の生産国である中国からの供給が追い付ついていない。
中国である異変が起きていたのだ。
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