株の重要指標「PER」の正しい使い方、年率平均27%で稼ぐ個人投資家が伝授

ダイヤモンド編集部
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最強の投資術#5Photo:PIXTA

機関投資家も個人投資家も重要視する「PER」だが、実は奥が深い株価指標だ。単純に数字が小さいと割安、大きければ割高と判断するだけでは、思わぬ落とし穴にはまるリスクがある。特集『決算直前 米国&日本 最強の投資術』(全13回)の#5では、PERを重視した「VE投資法」で数億円の資産を築いた個人投資家の奥山月仁氏に、会社員でもまねできるPERの正しい使い方を教えてもらった。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

プロも個人投資家も使うPERだが
単純に見えて奥が深かった

個人投資家だけでなく、運用のプロである機関投資家も使う株価指標がPER(株価収益率)だ。銘柄間の横比較も容易なため、多くの投資家が利用している。

PERは株価を今期予想のEPS(1株当たり利益)で割って算出する指標で、単位は「倍」。最終的な利益(純利益)を発行済み株式総数で除しても求められる。PERは仮にEPSを全て株主に還元した場合、株主が投資資金を回収する年数でもある。

では、なぜ株式投資でPERが重視されるのか。下の式を見てほしい。

株価=×ばつPER

株価はEPSとPERという二つの数字の掛け合わせで構成されている。それぞれをざっくり言えばEPSは「企業の稼ぐ力」であり、PERは市場からの「評価や期待」と言い換えられる。

例えばEPSが100円でPERが15倍の場合、株価は1500円になる。この二つの数字の今後を予想できれば、将来の株価を予想できるわけである。

ここ数年は日本株全体のPERは15倍程度が標準とされ、基本的には数値が低いほど割安、高いほど割高と判断する。ただし、単純に「低PERだから割安」と思って飛び付くと、痛い目に遭う可能性もある。

PER10倍の株の予想利益が半分に下方修正されると、PERは20倍に跳ね上がるからだ。また、成長率や業種、ビジネスの安定度により適正PERは大きく異なる。単純そうに見えて奥が深いのがPERなのだ。

ちなみにPERには「実績」と「予想」の2種類がある。株価を前期のEPSで割ったのが実績PERで、株価を今期の予想EPSで割ったのが予想PER。株価は過去よりも将来を重視して動くため、株価予測の観点からは「予想PER」で見ることが重要だ。

では実際にすご腕の個人投資家は、PERをどう活用しているのか。PERを重視した投資法で数億円の資産を築き、年率30%近いリターンで勝ち続けている奥山月仁氏の手法を紹介しよう。

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