ゼネコンのポスト五輪、虎ノ門・六本木・赤坂で1兆円級開発受注バトル

ダイヤモンド編集部
有料会員限定
記事をクリップ
URLをコピー
記事を印刷
Xでシェア
Facebookでシェア
はてなブックマークでシェア
LINEでシェア
noteでシェア
不動産・開発危うい狂乱#5Photo:PIXTA

東京五輪・パラリンピック開催に合わせた建設ラッシュで潤ったゼネコンの戦いは、ポスト五輪のプロジェクトに移っている。大手がこぞって参戦する東京・虎ノ門、赤坂、六本木エリアの推定工事費は総額約1兆円。ここで最も大きい案件を手にしたのが清水建設だ。特集「不動産・開発 危うい狂乱」(全13回)の#5は、ゼネコンのポスト五輪バトルを追った。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

虎ノ門・麻布台受注で清水建設が大きな白星
大林組は価格面で最後にギブアップ

2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けた工事に追われるさなか、ポスト五輪の大型プロジェクトでゼネコン業界3位の清水建設が大きな白星を挙げた。大手デベロッパーの森ビルなどが開発を進める東京・虎ノ門の「虎ノ門・麻布台地区再開発」で、目玉となる案件の受注を勝ち取ったのである。

23年に竣工する虎ノ門・麻布台プロジェクトは、ポスト五輪案件の中でもとりわけ大型で、全体の推定工事費は少なくともおよそ3400億円に上る。森ビルは事業費として約5800億円を見込んでいる。森ビルが東京・六本木でかつて開発した六本木ヒルズの工事費、約2700億円を軽く超えるものだ。

全7街区から構成されるこのプロジェクトの中でも、ひときわ目を引くのが、A街区のメインタワーだ。住宅、オフィス、商業、インターナショナルスクール等で構成される超高層複合ビルで、高さは約330m。日本一の超高層ビルとなる。

こうしたシンボリックな建築は、ゼネコンがぜひとも手掛けたい仕事である。受注競争は激しかった。清水と競り合ったのは業界最大手の大林組だった。

結果、「価格面で大林が最後にギブアップした」と業界関係者。「相当な競り合いを制したのはいいけれど、清水は赤字工事なんじゃないか」との声もある。

記事一覧

予告編

不動産・開発の危うい狂乱、「実需」がアラートを鳴らし始めた

2020年2月3日

#1

ウェスティン東京、1000億円の高値売却が物語る「不動産価格狂乱」

2020年2月3日

#2

「東京の不動産」を海外投資家が買わなくなった3つの理由

2020年2月3日

#3

新宿駅ビルが超高層化!電鉄3社主導の大型開発、独自予想図を公開

2020年2月4日

#4

東京メトロ「副都心線の東池袋駅」開設が秒読み、場所は池袋東口エリア

2020年2月4日

#5

ゼネコンのポスト五輪、虎ノ門・六本木・赤坂で1兆円級開発受注バトル

2020年2月5日

#6

NTTが不動産開発に殴り込み!大手町・品川・日比谷...8500拠点保有の脅威

2020年2月5日

#7

関西不動産業界のトップを異業種が狙う、関電・JR西・京阪・南海の野望

2020年2月6日

#8

名古屋駅前「トヨタ村」拡張計画が白紙危機!意外な伏兵の正体

2020年2月6日

#9

福岡の再開発、2強JR九州・西鉄に地場不動産が「天神ビッグバン」で逆襲

2020年2月7日

#10

ウィーワークを大企業社員が結局退会した理由、孫氏肝入りオフィス事業の危うさ

2020年2月8日

#11

ホテル乱造の末路、宿泊料値下げ合戦開始で開発業者の阿鼻叫喚

2020年2月9日

#12

中古タワマン40階の売却価格が「格下の20階」と変わらない残酷な現実

2020年2月10日

#13

不動産融資の選別が加速、最後の貸し手はメガの"無尽"と四国の地銀?

2020年2月11日

この記事に関連する企業

あなたにおすすめ

特集

アクセスランキング

  • 最新
  • 昨日
  • 週間
  • 会員

最新記事

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /