「遺言書」の正しい知識が、争族を防ぐ最強の切り札になる!

ダイヤモンド編集部
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家族を困らせない相続第8回Photo:CSA Images/gettyimages

遺言書の存在が、その後の相続の行方を左右するといっても過言ではない。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第8回は、争族防止の切り札となる「遺言書」の正しい知識を解説する。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)

「週刊ダイヤモンド」2019年8月10日・17日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

遺言書の存在の有無が
相続の行方を左右する

法律で認められた、亡くなる人の意思表示が「遺言書」だ。法律で認められ、しかも本人の意思とあらば、絶対的な効力を持つ。そのために遺言書の存在の有無が、その後の遺族の相続の行方を左右するといっても過言ではない。

特集第7回【相続でいちばんモメる「遺産の分け前」決め、4つの分割方法から選べ】でも触れたが、法定相続人による「遺産分割協議」では、法律で定められた相続人への割り当てである「法定相続分」を目安に話し合いが行われたりするが、これは遺言書がなかった場合だ。

遺言書が見つかれば、その内容が優先される。それ故、一連の相続手続きは「遺言書探し」から本格化するといってもいいだろう。

通常、遺言書には、誰にどの財産をどれだけ相続させるかを記す。「自分が書いた内容によって残された家族がもめるのは避けたい。むしろ、このまま書かずにおけば、自分が死んだ後に法定相続分で機械的に決まるだろう。法律で定められているのだから誰も文句は言うまい」と、遺言書に後ろ向きな親も多い。しかしこの思い込みは誤りだ。

遺言書がない場合は、法定相続分で財産を分けるのではなく、法定相続人全員による「遺産分割協議」で決まる。機械的に決まるわけではなく複数の人間による話し合いとなると、感情面や利害関係で齟齬が起きるのは避けられない。相続はもめるのが前提と考えた方が無難だ。

残された家族や親戚のためにも、きちんと遺言書を残しておくことが非常に重要なのである。

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