「遺言書」の正しい知識が、争族を防ぐ最強の切り札になる!
詳細はこちら
遺言書の存在が、その後の相続の行方を左右するといっても過言ではない。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第8回は、争族防止の切り札となる「遺言書」の正しい知識を解説する。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)
遺言書の存在の有無が
相続の行方を左右する
法律で認められた、亡くなる人の意思表示が「遺言書」だ。法律で認められ、しかも本人の意思とあらば、絶対的な効力を持つ。そのために遺言書の存在の有無が、その後の遺族の相続の行方を左右するといっても過言ではない。
特集第7回【相続でいちばんモメる「遺産の分け前」決め、4つの分割方法から選べ】でも触れたが、法定相続人による「遺産分割協議」では、法律で定められた相続人への割り当てである「法定相続分」を目安に話し合いが行われたりするが、これは遺言書がなかった場合だ。
遺言書が見つかれば、その内容が優先される。それ故、一連の相続手続きは「遺言書探し」から本格化するといってもいいだろう。
通常、遺言書には、誰にどの財産をどれだけ相続させるかを記す。「自分が書いた内容によって残された家族がもめるのは避けたい。むしろ、このまま書かずにおけば、自分が死んだ後に法定相続分で機械的に決まるだろう。法律で定められているのだから誰も文句は言うまい」と、遺言書に後ろ向きな親も多い。しかしこの思い込みは誤りだ。
遺言書がない場合は、法定相続分で財産を分けるのではなく、法定相続人全員による「遺産分割協議」で決まる。機械的に決まるわけではなく複数の人間による話し合いとなると、感情面や利害関係で齟齬が起きるのは避けられない。相続はもめるのが前提と考えた方が無難だ。
残された家族や親戚のためにも、きちんと遺言書を残しておくことが非常に重要なのである。
記事一覧
相続は誰もが直面するから「後悔しない」「得をする」準備が大事
2019年12月23日
第1回「争族」あるある6事例の回避策、前妻の子供にはどう対応?
2019年12月23日
第2回「相続税対策の失敗」あるある6事例、妻名義のへそくりはどう対策?
2019年12月23日
第3回相続に必要な手続き、「親の死から10カ月」でやるべき9のこと
2019年12月24日
第4回親の死後に「やるべきこと」、生前から要準備の63項目リスト
2019年12月25日
第5回親の財産を誰がどれだけ受け継ぐ?相続人の範囲と優先順位早わかり
2019年12月26日
第6回相続財産はいくらに?主な遺産13種類と評価額計算法、記入リスト付き
2019年12月26日
第7回相続でいちばんモメる「遺産の分け前」決め、4つの分割方法から選べ
2019年12月27日
第8回「遺言書」の正しい知識が、争族を防ぐ最強の切り札になる!
2019年12月28日
第10回「同性カップル相続」の悲惨な実態、財産を守る方法はあるのか
2019年12月29日
第11回相続税の申告・納付のしかたを伝授!恐怖の税務調査の「裏側」も解説
2019年12月29日
第12回相続税の計算を自分でやるなら「6つの手順」と全体の流れを押さえる
2019年12月30日
第13回相続法「2018年の大改正」、知らないと危ない"落とし穴"とは?
2019年12月31日
第14回相続法「7つの改正ポイント」を詳細解説!損をしたくない人は必見
2020年1月1日
第15回相続税の「節税テク」を伝授!知る人だけが得をする3大原則とは
2020年1月2日
第16回不動産相続の注意点を税理士が解説!首都・関西圏の路線価マップ付き
2020年1月3日
第17回「相続トラブルのタネ30」、一つでも該当したら早急に対策を!
2020年1月4日
第18回相続で伝えるべきお金のこと、介護や死後の希望【書き込みシート付き】
2020年1月5日
あなたにおすすめ