老後に効く「安定高配当株」を導き出すための6つの条件
「守りの運用」決定版!老後の資産防衛術
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あなたの退職金と老後のおカネを守り、活用していく方法を紹介する「退職金と守りの老後運用術」特集(全9回)。最終回となる今回は、個別株の投資術を取り上げたい。株の安定的な高配当は、老後生活の魅力的な定期収入となり得る。安定高配当株を導き出すための6つの条件とは。(「週刊ダイヤモンド」2019年7月27日号を基に再編集)
日本人が大好きな「毎月分配型投信」
"化けの皮"が剥がれ始めた
日本人に長らく人気だったインカムゲイン(配当収入)狙いの金融商品に、「毎月分配型投信(投資信託)」がある。かつて日本最大を誇った同タイプの投信「グローバル・ソブリン・オープン(通称グロソブ)」はピーク時の2008年、残高が6兆円規模にまで迫ったほどだ。
だが、徐々に毎月分配型の"化けの皮"が剥がれ始める。「毎月収入が得られる」という売り文句だったが、実態は分配金を資産から取り崩して投資効率を落とす「たこ足型」も多く、運用難などで徐々に下火に。グロソブの残高は今や4000億円規模にまで減った。
そのように原資を取り崩すことなく、インカムゲインが見込める方法がある。高配当を出す優良な個別株に投資することだ。
投資家は企業の成長の果実を「配当」という形で受け取るわけだが、利益が出なくなれば、毎月分配型投信のように原資を取り崩してまで配当に回す余力は失われやすい。つまり、企業は安定して利益を出さないと投資家に高配当を還元するのが難しくなる。
とはいえ、利回りの高さだけに着目した場合、業績が不安定だと株価自体の値下がりリスクの不安が拭えない。日本銀行のマイナス金利政策で収益力低下にあえぐ銀行株はその典型だ。利回りが5%程度に上るものもあり、配当面では一見魅力的にも映るが、肝心の株価が大きく低迷してキャピタルゲイン(運用益)がマイナスとなってきた投資家も少なくない。
そうなっては元も子もないため、本特集では、景気変動に強く中長期で高配当が期待できそうな銘柄を「6つの条件」で選別。すると、国内の上場企業約3700社の中で、26銘柄のみが浮かび上がってきた。安定的に高配当を見込める銘柄は、株価が大崩れするリスクも相対的に低く、まさに"厳選"された企業群といってよいだろう。
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