習近平が大喜びする「日韓・日ロ関係悪化」を全力で回避すべき理由
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日本とロシアの「平和条約締結交渉」が停滞している。安倍総理は2018年11月、「4島一括返還論」を捨て、「2島返還論」にシフトした。これは「大転換」で、日本側の「大きな譲歩」である。にもかかわらずプーチンは、2島返還のために日本は「日米安保を破棄しなければならない」と、ありえない要求をしている。日本国民の感情を逆なでするプーチンの発言。真意はどこにあるのだろうか?(国際関係アナリスト 北野幸伯)
「4島一括返還」から
「2島返還」へ大幅譲歩したのに...
安倍首相は昨年11月、シンガポールでプーチンと会談した後、仰天の発言をした。
<この戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で終止符を打つ、必ずや終止符を打つというその強い意思を完全に大統領と完全に共有いたしました>
<そして1956(昭和31)年、(日ソ)共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意いたしました。>(安倍首相の発言、産経新聞2018年11月14日 太線筆者以下同じ)
「日ソ共同宣言を基礎として、平和条約を加速させる」
なぜ、これが「仰天発言」といえるのか?「日ソ共同宣言」の「骨子」は、「平和条約締結後、歯舞、色丹を引き渡す」だ。国後、択捉には言及していない。一方、日本政府の要求は、これまで長年「4島一括返還」だった。しかし、「日ソ共同宣言を基礎として」ということは、首相が「2島返還論者」になったことを意味する。
数年前まで、「2島返還論者」は、保守派から「国賊」「売国奴」と非難されたものだ。それが、今では首相自身が「2島返還論者」になった。
にもかかわらず、プーチンの姿勢は相変わらず強硬なまま。一体、ロシアは何を考えているのだろうか?
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