米ロ会談の「異常な」トランプはプーチンに弱みでも握られているのか
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米国民の信頼を失いかねない
米ロ首脳会談でのトランプ大統領
自分の味方を非難し、皆が敵と見ている者の肩を持つ――。
どのような組織であれ、こうした行動をとるリーダーは多くの人の信頼を失う。米ロ首脳会談でのトランプ大統領の言動は、まさにその典型例だったようだ。
16日の米ロ首脳会談は、これまでのトランプ大統領とは思えない成り行きになった。米国のリーダーであるトランプ氏が、ロシアのプーチン大統領にすり寄る姿勢を示したからだ。一部では、「2016年の米大統領選挙で、トランプ氏がロシアに"借り"を作ってしまったのではないか」との、疑り深い見方すら出ている。米国内では、与党の共和党、野党の民主党を問わず、米ロ首脳会談でロシアとの関係改善を演出したトランプ氏に多くの批判が浴びせられている。
トランプ氏の「ロシアが大統領選に介入する理由はない」との発言は重大だ。言葉通りに取れば、大統領がFBIなどの自国の情報機関を信用していないということになる。これは、一国のリーダーとしてあるまじき行為だ。
プーチン大統領にすり寄るトランプ氏は、米国の国民に「弱腰」「屈辱的」と映っただろう。その一方でトランプ氏は、米国の重要な同盟国であるドイツなどを強烈に批判している。このままでは、米国は国際社会からの信頼を失うことになりかねない。
こうした状況を考えると、わが国はトランプ政権と"一定の距離"を取ることを考えるべきだ。
逆にいえば、ある意味、トランプ氏の言動によって米国の孤立化が深まる状況は、わが国にとってチャンスといえる。トランプ大統領から距離を取りたいアジア諸国との関係を深める好機になるかもしれない。それくらいの大胆な発想が、中長期的な目線での国力引き上げには必要だ。
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