一流の経営者がメディアでペラペラしゃべらない理由
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タレント、知性、ドラマ
3拍子揃えばメディア御用達の経営者に
テレビ、雑誌などのメディアに登場したり、世界、社会、政治、経済、教養について雄弁に語る書物を著したりする経営者が増えてきた。社会の矛盾や政府の無策を訴え、個人として政策提言する経営者もいる。メディアなどで取り上げられ、視聴者、読者の支持を受け、知名度も上がることで、本業のビジネスにも好影響があるようだ。こうした「有名」経営者に対して、私の知る過去の「有名経営者」は存外に冷たい。メディアが好きな経営者と経営者が好む経営者は違うということだろう。
まず、メディアは総じて「タレント」が好きだ。コメントがおもしろい、見栄えがよい、華がある――確かにそれらの資質は人を引きつけるだろう。次に「インテリジェンス(知性)」である。世界を語り、歴史を語り、技術を語り、人を語る。そこに、その人なりの知見や、巧みな引用、新たな意味の創造が付与されると、メディアは喜ぶ。視聴者読者も感心する。
そして、「ドラマ」も重要だ。その人のいる業界、会社、周辺で予期せぬ事件が起こる。親族内のいさかい、友情と裏切り、取り巻き達の離合集散、悪役と善玉、因縁や偶然、芸能人との恋愛までからんでくれば、言うことなしである。
このようなタレント、インテリジェンス、ドラマの3要素を備え、さらに企業の業績がよいと、大物経営者として認知される。社会に対して発信力も高まる。
(ここで話題にしているのは事業会社の現役経営者である。元経営者などについて言及しているわけではない)
「抜け目なく」「確実」な経営をするためには、
経営者はメディアに出てはいけない?
さて、一方、経営者が好む「有名経営者」像は、これらのタレント化した「有名」経営者とは似ても似つかないものである。では、経営者に好まれる「有名経営者」には、どのような要素が備わっているのだろうか。
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