もっと奈良を楽しむ
大いなるアートな世界へ。
芸術と錦繍の秋を堪能する豊かな信仰の地、天川村。
来迎院の大イチョウと由緒正しき天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)。
天河大辨財天社の形成する七堂伽藍の塔頭だったといわれる来迎院は現在、天河大辨財天社の西側にあります。ご本尊は大日如来坐像で室町時代の作、鎌倉時代初期作の不動明王や二童子立像など時代を超えて守られてきた仏像が安置されています。お堂のすぐ右わきにそびえるイチョウの巨樹は、銀杏のなる雌株では県下で最大とされ、長きに渡り人々に親しまれてきたことが窺えます。このイチョウは、地元では弘法大師がお手植えされたものと伝わり、「坪内のイチョウの巨樹」として県の天然記念物にも指定されています。環境省のデータベースによると幹周り6.5m、樹高約25m。天高い秋、屋根も空も黄金色に染め上げる様は壮観です。ご祭神の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が弁財天として広く信仰を集め、芸術・芸能の神様でも知られる天河大辨財天社では、能の発祥とも深く関わることから11月の大祭でも能楽の奉納が行われます。美しく華やかな秋を探しに、天川村を訪れてはいかがでしょう。
(問)0747-63-0999(天川村総合案内所) (所)吉野郡天川村坪内
(交)近鉄下市口駅からバス天河大辨財天社下車、徒歩すぐ
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エメラルド色の水に紅葉が映えるみたらい渓谷。
聖なる山、大峯山を源流とする山上川沿いのみたらい渓谷の美しさは、近畿随一といわれ、奈良県景観資産にも選定されています。秋には、清流と奇岩、巨岩が織りなす景観を真っ赤な紅葉が染め上げ、感動もひとしお。渓谷沿いの遊歩道からは、流れ落ちる滝を含め、ダイナミックな渓谷美が眼下に広がります。約2時間余りのハイキングコースがあり、そのゴールは古くから大峯参りを支えてきた洞川温泉。自然を満喫し、温泉で癒される理想的なハイクが楽しめます。
(問) 0747-63-0999(天川村総合案内所) (所)吉野郡天川村北角(P) 16台(有料) (交)
近鉄下市口駅からバス天川川合下車、徒歩約40分
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※(注記)国道309号(天川村〜上北山村間)は工事などで通行止めになる場合があります。奈良県道路規制情報HP等でご確認ください。
おみやげ
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曽爾高原ビール
曽爾高原ビール
ドイツの伝統手法にならって作られた麦芽100%のクラフトビール。いろんな種類があり、飲み比べも楽しい。
(問) 0745-96-2888
(曽爾高原ファームガーデン) -
「五十鈴守り根付けタイプ」
「五十鈴守り根付けタイプ」
魂の進化にとって重要な「いくむすび」「たるむすび」「たまずめむすび」の魂の三態を表す五十鈴を模ったお守り。
(問) 0747-63-0558
(天河大辨財天社)
芸能の神様に捧げられる厳かな能の舞
弁財天の別名「妙音天」からくる「妙音院」には、辨財天拝殿と能舞台があり、これまで幾多の名士が能を奉納してきました。能面など貴重な資料も所蔵しています。
自然の造形美と民俗文化。心を豊かにする曽爾村の秋。
岩壁と紅葉のコントラストに圧倒される屏風岩。
曽爾村にある標高940mの国指定の天然記念物、屏風岩。その幅約2km、柱状節理の岩壁が約200mの断崖を形成し、屹立しています。屏風岩公苑から臨む景観は素晴らしく、秋には、岩壁と色づいた樹木が印象深いコントラストを創り出します。そこから展望の良い住塚山などへの登山もお薦めです。
(問) 0745-94-2106(曽爾村観光協会) (所) 宇陀郡 曽爾村長野 (P) あり
(交) 近鉄名張駅または近鉄榛原駅からバス長野下車、徒歩約60分
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300年の歴史を持つ門僕神社(かどふさじんじゃ)の奉納獅子舞。
門僕神社の秋祭りは、神様にお供物をする献饌神事と奉納獅子舞に特徴があります。特に獅子舞は、伊勢大神楽の原点に近い形が残っているといわれ、高く評価されています。今井、長野、伊賀見の3つの大字(地区)から奉納される獅子舞には様々な系統があり、「神前の舞」、「悪魔払い」、「参神楽」、「獅子踊り」、「接ぎ獅子」、「荒舞」等が次々に舞われます。「接ぎ獅子」は女形の衣装を着て化粧をし、3人でアクロバット的な舞を繰り広げる演目。踊りに神楽系、剣系、荒舞系も組み入れられた獅子舞の集大成とも言われます。この他、天狗と道化が獅子と遊ぶ「獅子踊り」などがあり、曽爾村の獅子舞は種類の豊富さと質の高さが評価され、奈良県無形民俗文化財に指定されています。今年の秋祭りは10月9日(日)。同神社は葉の上に実を結ぶことがある、見事なオハツキイチョウの巨樹でも知られています
上北山村の大自然が創り出す色の競演。
上北山村の秋は、バラエティに富んだ山景色に包まれます。深山幽谷の只中を走る国道309号※(注記)、通称、行者還林道沿いから臨むナメゴ谷は、山肌は常緑の針葉樹、尾根筋だけに広葉樹が植生。秋には、紅葉した樹木が尾根をうねり、龍が登っていくような珍しい光景を創り出します。一方、三重県境近くの大台ヶ原は、原生林の中を歩けるハイキングコースが整備されています。特に大パノラマが広がる大蛇嵓(だいじゃぐら)付近が、秋の多彩な色で装われる様は圧巻。運が良ければ野生の鹿に出逢えることも。すぐ近くの宿を起点にすれば、下界では決して見られない、感動の絶景を堪能できることでしょう。
※(注記)このガイドブックは正確を期して作成しておりますが、ライターの主観や取材先のご意見等に基づいて作成している部分もありますので、学説・見解等の相違についてはご了承ください。
山頂の宿「心・湯治館 大台ヶ原」
(問) 07468-2-0120 (宿)〜11/23まで宿泊営業