[フレーム]
  • HOME
  • もっと奈良を楽しむ

もっと奈良を楽しむ

心洗われる風景と癒しの仏たちを訪ねて。

柿葺(こけらぶき)の金堂〈国宝〉の内には珠玉の仏さまたちが安置されています。

知れば知るほど奈良はおもしろい 2016年冬号「古都・奈良へ冬詣で。」

心洗われる風景と癒しの仏たちを訪ねて。

平安前期の様式を伝え、装飾的で優しく美しい姿の十一面観音菩薩立像〈国宝〉。

平安前期の様式を伝え、装飾的で優しく美しい姿の十一面観音菩薩立像〈国宝〉。

雪景色も仏様も美しい女人高野、室生寺。

室生寺は、奥深い山と渓谷の続く環境が密教の道場にふさわしいことなどから、鎌倉期に真言密教の最も重要な儀式を行う灌頂堂(かんじょうどう)〈国宝〉などが建立されました。真言密教の根本道場である高野山が、女人禁制であったのに対し、 室生寺は女人にも開かれた道場「女人高野」として広く親しまれるようになりました。厳冬期、室生寺は幽邃(ゆうすい)の世界に包まれます。積雪があると一層、美しい光景となり、屋外に建つ木造の五重塔としては最小の、この塔が雪化粧した様子は、日本を代表する写真家、土門拳が雪を待ちに待って撮影したことでも知られています。一方、仏たちには、平安前期作が多く、十一面観音菩薩立像〈国宝〉は、彩色もよく残り、優美な姿で多くの人を魅了してきました。中尊釈迦如来立像〈国宝〉は、均整の整った姿で、その衣紋に室生寺様と称される独特の様式がみられ、釈迦如来坐像〈国宝〉は、その時代の彫刻の白眉とされています。景色も仏さまも美しい冬の 室生寺は、心の琴線にふれることでしょう。

室生寺

室生寺

奈良時代後期に建てられた五重塔〈国宝〉で、法隆寺の五重塔に次ぐ古塔。
(問) 0745-93-2003(所) 宇陀市室生78(時) 8:30〜17:00(\) 大人600円(P) 100台(有料)(交) 近鉄室生口大野駅からバス室生寺下車、徒歩約5分

詳しくはこちら
民宿「むろう」

お参りのあとは心温まるひとときを。

室生寺詣での後、ほっこりくつろげる宿に泊れば、さらに奥深い室生の魅力を味わうことができます。近くには、旅人の心を癒してくれる料理自慢の宿、「民宿むろう」があり、事前に予約が必要ですが、地元で捕れた、しし肉の鍋がいただけます。濃厚な出汁の浸みた野菜や柔らかな肉が心を満たしてくれそう。翌朝の霧立ちのぼる幽玄そのものの山景色も必見です。

民宿「むろう」

(問) 0745-93-2118 (所)宇陀市室生405-1(時) お昼の休憩10:00〜15:00、宿泊可(\) しし鍋5,000円〜(要予約)(注記)その他、山菜料理、カレーなど各種メニューあり(P) あり(無料) (交) 近鉄室生口大野駅からバス室生寺下車、徒歩約6分

霊験あらたかな観音様に詣で、冬牡丹を愛でる長谷寺。

飛鳥時代を起源とする長谷寺は、西国三十三所観音霊場第八番の札所で、古くから観音信仰で知られています。ご本尊の十一面観世音菩薩立像は、10mを越す我が国最大級の木造仏。そのあらたかな霊験譚の一つに、有名な「わらしべ長者」(今昔物語)があります。また、長谷寺験記には、神主が神霊のお告げに従い、 長谷寺に詣でて息子の病平癒を願ったところ、成就し、喜んで九十九間の登廊(のぼりろう)を建てたと記されています。現在の登廊は399段、上中下の三廊に分かれ、下、中廊は明治時代の再建。風雅な長谷型の灯籠が吊るされ本堂・礼堂へ導きます。礼堂の外舞台からの眺めは壮観で、雪景色もまた格別。境内では、雪よけのわら囲いの中、冬牡丹がけなげに花を咲かせ、花の御寺らしい冬の情緒を満喫することができます。

長谷寺

長谷寺

(問) 0744-47-7001 (所)桜井市初瀬731-1 (時) 8:30〜17:00(10〜3月は9:00〜16:30)(\) 大人500円 (P) 70台(有料) (交) 近鉄長谷寺駅から徒歩約15分

詳しくはこちら

右手に錫杖、左手に水瓶を持ち、大盤石という台座に立つ姿は、長谷寺式十一面観世音菩薩として篤く信仰されている。

右手に錫杖、左手に水瓶を持ち、大盤石という台座に立つ姿は、長谷寺式十一面観世音菩薩として篤く信仰されている。

藁囲いの中で大輪の花を咲かせる冬牡丹。雪の日は、鮮やかな花色、緑の葉がひときわ美しく映える。

藁囲いの中で大輪の花を咲かせる冬牡丹。雪の日は、鮮やかな花色、緑の葉がひときわ美しく映える。

MAP

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /