○しろまる佐賀市犯罪被害者等支援条例
平成29年9月25日
条例第20号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)の基本理念にのっとり、本市における犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定め、市及び市民等の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等を支援するための施策の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が必要とする施策を総合的に推進し、もって犯罪被害者等が受けた被害を回復し、又は軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援することを目的とする。
(1) 犯罪行為 犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律(昭和55年法律第36号)第2条第1項に規定する犯罪行為をいう。
(2) 犯罪等 犯罪行為及びこれに準じる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(3) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族で、市内に住所を有するものをいう。
(4) 関係機関等 国、他の地方公共団体その他の行政機関及び犯罪被害者等の支援を行う民間の団体その他の犯罪被害者等の支援に関係する団体をいう。
(5) 事業者 市内において事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(6) 市民等 市内に住所を有する者又は市内に通勤し、若しくは通学している者及び事業者をいう。
(7) 二次的被害 犯罪被害者等への配慮を欠いた言動、中傷、報道等により犯罪被害者等が受ける経済的な損失、精神的な苦痛、プライバシーの侵害その他の犯罪等が行われた後に副次的に受ける被害をいう。
(基本理念)
第3条 全て犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。
2 犯罪被害者等の支援は、被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に行われるものとする。
3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援を途切れることなく受けることができるよう、行われるものとする。
4 犯罪被害者等の支援は、その過程において、二次的被害を生じさせることのないよう行われるとともに、犯罪被害者等に関する個人情報の適正な取扱いの確保に最大限配慮して行われるものとする。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、関係機関等との適切な役割分担を踏まえて、犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、前項の施策が円滑に実施されるよう、関係機関等と連携し、及び協力しなければならない。
(市民等の責務)
第5条 市民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が二次的被害を受けることのないよう十分に配慮するとともに、市及び関係機関等が行う犯罪被害者等の支援に協力するよう努めなければならない。
(相談及び情報の提供等)
第6条 市は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連絡及び調整を行うものとする。
2 市は、前項の相談及び情報の提供等を総合的に行うための窓口を設置するものとする。
(見舞金の支給)
第7条 市は、犯罪行為により死亡し、又は傷害を受けたことによる経済的負担の軽減を図るため、犯罪被害者等のうち当該負担を軽減する必要がある者として規則で定める者に対し、一時的な生活資金として見舞金を支給するものとする。
2 見舞金の支給を受けようとする者は、市長に申請し、その決定を受けなければならない。ただし、当該申請は、犯罪行為による死亡若しくは傷害の発生を知った日から2年を経過したとき、又は当該死亡若しくは傷害が発生した日から7年を経過したときは、することができない。
3 偽りその他不正な手段により見舞金の支給を受けていた者又は見舞金の支給を受けた者で第14条の規定により支援を行わないこととされたものは、当該見舞金を市長に返還しなければならない。
4 前3項に規定するもののほか、見舞金の支給に関し必要な事項は、規則で定める。
(日常生活の支援)
第8条 市は、犯罪被害者等が再び平穏な日常生活を営むことができるようにするため、犯罪被害者等が置かれている状況に応じ、福祉サービスの提供その他の必要な支援を行うものとする。
(居住の安定)
第9条 市は、犯罪等又は二次的被害により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、一時的な利用に供する市営住宅の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(雇用の安定)
第10条 市は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、犯罪被害者等が置かれている状況について事業者の理解を深めるための啓発活動に努めるものとする。
(市民等の理解の増進)
第11条 市は、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性について市民等の理解を深めるため、広報活動及び啓発活動に努めるものとする。
(人材の育成)
第12条 市は、犯罪被害者等の支援を担う人材を育成し、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、市の職員に対する研修及び市の職員と関係機関等との意見交換を行うものとする。
(民間の団体に対する支援)
第13条 市は、民間の団体が行う犯罪被害者等の支援に係る活動の促進を図るため、その活動の周知に努めるとともに、その活動に係る情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(犯罪被害者等の支援を行わないことができる場合)
第14条 市は、次に掲げる場合には、規則で定めるところにより、犯罪被害者等の支援を行わないことができる。
(1) 犯罪被害者等と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)がある場合
(2) 犯罪被害者等が犯罪等又は二次的被害を誘発した場合その他当該被害につき、犯罪被害者等にも、その責めに帰すべき行為があった場合
(3) 前2号に掲げる場合のほか、犯罪被害者等と加害者との関係その他の事情から判断して、犯罪被害者等の支援を行うことが社会通念上適切でない場合
(委任)
第15条 この条例に定めるもののほか、施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成29年10月1日から施行する。