令和2年度学校評価(自己評価)及び令和3年度学校関係者評価結果
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国立障害者リハビリテーションセンター
自立支援局就労移行支援(養成施設)
評価
自己評価
※(注記)各項目に対する総合評価の基準
4:できている 3:ほぼできている 2:ややできていない 1:できていない
学校関係者評価委員会検討結果(コメント)目標とする施術者像について、教育活動を通じて教官と利用者の認識の共有を図っていただきたい。
評価項目7については、統合ネットワーク上の業務の遂行に関して、特に視覚障害を有する教官から使い勝手の悪さを指摘されており、来年4月に予定されているシステムのリニューアルに合わせて改善すべく検討を行っている。 運営方針、事業計画を策定し、それに基づき事業を実施している。また、教務に関する定期的な会議、法令に基づく職務の遵守、情報発信など適切に実施している。
評価項目7については、セキュリティ-を重視しているため、音声ソフト使用教官には「使いにくい」との声があた。 昨年度自己評価結果とほぼ同様(3.7→3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、適切な事業運営に取り組んでいきたい。
なお、昨年度自己評価に比べ、評価項目7に改善が見られるのは、今年度運営方針及び組織目標とされた教官に対する(特に全盲教官向け)ICT利活用研修会を年4回設けたことで、ICT機器利活用への理解が少しずつ深まったためと考えられる。 様々な課題に対して組織として適切に対応しており、課題解決に向けた取組が行われている。
パソコン等の利活用による業務効率化の部分は、函館センター以外は自己評価が低く、さらに改善に向けた取組が必要である。研修会等を通じて業務の効率化を推進していただきたい。
評価項目11については、来年度、就労に直結する手技療法の技術習得を強化する環境の構築とともに受験対策を1年次より開始することとした。
評価項目13、14については、教官の資質として個別に課題はあるが、教授力の向上として、オンラインによるセミナーや学会参加体制の整備が図られた。 教育活動については、「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」等に従い、カリキュラム編成、実践的な職業教育(実技・実習等)、単位認定、進級・卒業判定の基準を明確に定めている。また、資格取得に向けた利用者の学習理解度に応じた補習や個別指導、就業に向けた施術所見学や進路支援講座等を実施している。さらに、視覚障害等利用者の特性に配慮した指導力向上のための教官研修会等を実施している。
評価項目12については、新型コロナウイルス感染拡大で予定通りの実施ができなかったため、新たな方法での支援を検討している。
評価目標14については、新型コロナウイルス感染拡大によって生じたオンライン教育に対するニーズにも対応できるよう、ICTに関する研修等を実施している。 1教育活動については、統一されたカリキュラムを基に、就業に向けた職業教育を実施している。
2単位認定、進級・卒業の基準については、規程や細則により明確にしている。
3資格を取得するための指導については、利用者各自に適した支援内容となるよう、随時検討して、実施する体制が整備されている。
4例年、就業に向けた見学や講座も実施しているが、今年度は新型コロナウイルスの影響により、見学は実施できなかった。
5講座は、例年より回数は減らしたものの、必要と思われる内容について実施した。
評価項目13、14については、教官も個人差により違いはあるものの、授業を実施する要件を全員満たしており、また、オンライン授業に対応するための研修会を実施するなど、指導力の向上に努めている。
今後も、様々な利用者に対して、均一に対応できるよう積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果とほぼ同様(3.9→3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、積極的に取り組んでいきたい。評価項目12に若干の低下が見られたのは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、対外的な活動に自粛や制限が設けられた事情を反映したものと考えられる。 一部のセンターには特別指導教官が配置され、利用者の障害の重度・重複化に専門的に対応し、学習や就労に向けた支援が行われている。配置が行われていないセンターについては、引き続き人員配置に向けた取組をお願いしたい。
カリキュラム改訂に関し、教育内容の変更に対応して、教官の教材研究を推進していただきたい。
新型コロナウイルス感染症対策として、各センターで研修会等を通じたオンライン教育の実施や研修が進められている。利用者への十分な配慮と支援を実施した上で、感染拡大の防止の点から取組の強化を行っていただきたい。
今後も合格率の維持・向上に積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果と同様(3.8→ 3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、積極的に取り組んでいきたい。 はり師、きゅう師国家試験の合格率について、あん摩マッサージ指圧師国家試験に比べて低いのは問題数や難易度が異なるためである。昨年度の国家試験から各国家試験共に出題数や臨床に強い施術者の育成を意識した症例問題がそれぞれ増加しており、基礎学力の強化と、応用力、利用者の国家試験合格に向けたモチベーションの維持・向上を図っていただきたい。
評価項目19については、卒業生を対象に今後の卒後研修のあり方を検討するためのアンケートを実施した。来年度はその結果を基に企画立案、また卒業生専用ホームページの充実を図る予定である。 就労移行支援(養成施設)は、教育機関であるとともに、障害者総合支援法に基づく指定障害者支援施設という側面を併せ持った利用者に対する支援体制を構築しており、関係部署と連携しながら、進路・就職に対する支援、利用者相談、健康管理に関する体制が整備されている。また、卒後研修会や卒後特別研修会、職種別の講座等の卒業生に対する支援も実施している。 理療指導専門職による進路・就労に関する体制が確立されている。また、利用者からの相談を受ける体制の一つとして、臨床心理士によるカウンセリングも実施されている。卒業生に対する後支援として、卒後研修会の実施や就労に関する相談体制も確立されている。
今後も利用者・卒業生個々に適した支援の実施に向け、積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果と同様(3.8 →3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、積極的に取り組んでゆきたい。 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりヘルスキーパーなど職種によっては求人数が激減しているが、積極的に職場開拓と就労に向けた支援の充実を図っていただきたい。
評価項目21については、実施できなかった実習もあるが、感染症対策を講じながら、実習の機会を得た。
評価項目22については、理療事故対応マニュアルを更新した。教官の理解の差の解消を図るため来年度は研修を実施することとしている。
評価項目24については、重複障害や課題をあわせ持つ利用者への支援として特別指導教官の配置が必要であるため、それに準じた配置として非常勤講師による指導を検討する。 施設・設備については、「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」等に従い、整備している。また、組織目標に基づいて見学実習や職場見学を実施するとともに、計画的に避難訓練を行っている。実技・実習における事故防止については、ガイドライン等を定めるとともに、インシデントやアクシデントに対する迅速な対応と再発防止のための情報共有の他、施設賠償責任保険に加入している。
評価項目20については、実技室のエアコン設置等、教育環境の整備を進めている。 1建物は老朽化しているものの、教育上必要な設備、実習や見学を行う体制も整備されている。
2事故防止のための対応マニュアルや、ガイドラインを整備している。
3利用者の安全管理への取組としては、些細なインシデントでも、報告し共有することとしており、再発防止に努めている。また、実技におけるダブルティーチング及び実習助手を配置しての授業体制、責任賠償保険へも加入している。
評価項目23については、マニュアル等整備中のものもあり、今年度中の完成を目指して、現在作成中である。 昨年度自己評価結果と同様(3.8→ 3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、課内への周知を図っていきたい。
なお、備品の予算化が進み、やや改善が見られた評価項目20については、さらに予算要求を継続する。 学校関係のエアコン設置は、100%近くになってきている。最近の函館地域も夏場30度を超えることがあり、エアコン設置に向けてさらに取り組んでいただきたい。
利用者選考についての選考基準については利用前の学習手段の獲得が問題として浮き彫りになったことから、1年次の学習手段に困難を来さないよう対応を図ることとした。 利用者募集活動において、担当部署との連携を図り、様々な形式で市町村役場やハローワーク等に対して計画的かつ積極的なサービス内容の広報に努めているが、コロナ禍により制約が生じたため、新たな方法を模索している。また、利用希望者に対しては、適正な利用者選考を実施するとともに、利用相談から申込み、結果通知、受入れ等、円滑に対応している。 1利用者募集は、毎年、広報委員会を中心に計画を立て、関係機関に直接訪問または、資料送付など、組織として取り組んでいる。今年度は、新型コロナウイルスの影響により、直接訪問は行わず、資料送付のみの活動を実施した。
2利用者選考は、例年どおり2回実施し、新規利用者の受け入準備も整えている。
今後も状況に合わせて積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果と同様(3.8→ 3.8)であり、適切に対応できている。引き続き、積極的に取り組んでいきたい。 医療技術の進歩や進路の多様化等環境の変化により、センターの利用者数の減少がみられるが、一方で障害の重度・重複化がみられ、個々の障害特性に応じた支援の充実が必要である。
国立施設として、積極的な地域への情報発信を行って、利用者の受入れに繋げていただきたい。
今後も積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果とほぼ同様(3.8→3.9)であり、適切に対応できている。引き続き、積極的に取り組んでいきたい。 個人情報の取扱い、業務遂行等に関して適切に対応が行われている。
様々な情報が電子データ化される中で、セキュリティ対策を十分に行った上で業務を進めていただきたい。
今後も可能な範囲で積極的に取り組んでいく。 昨年度自己評価結果に比べ、やや低下(3.8→3.7)しているのは、新型コロナウイルス感染症の拡大、二度の緊急事態宣言発令により、何れの評価項目とも対外的な活動の自粛、制限を余儀なくされたことが要因である。その社会的影響の大きさを踏まえても、適切に対応できており、引き続き、積極的に取り組んでいきたい。 所沢地域は、障害者スポーツの紹介等を通じて一般の方に対して障害者の方への理解が進んでおり、引き続き各センターにおいても地域への情報発信を積極的に行っていただきたい。
地域の方が臨床実習に実習協力者として参加したことを契機として、地域の施術所に行かれるケースがあり、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの普及・振興に繋がっている。
国立施設として、地域の方に事業内容や取組を理解していただくことは重要であり、積極的に推進していただきたい。
・進路支援講座1回実施(9月)
・職場見学実習2回実施(8月、12月)
・施術所見学実習1回実施(12月、2月)
・就労移行支援講座実施(12月、2月) ・進路支援講座は7月に2回実施した。
・ 職場見学は2回実施した(1〜2月)。また、春季休業中の進級学年対象の職場見学は来年度へ延期した。
・施術所見学は進級学年を対象にコロナ禍の中で開業している施術者を講師として招き、センター内で講話を中心とした内容で4回実施した(10〜12月)。 ・進路支援講座3回実施(7月)
・臨床研修講座2回実施(10月、1月)
・施術所見学、職場見学は実施できなかったが、春季休業中に卒業生に対し、就労相談及び情報提供を実施した。 ・進路支援講座を7回(1年生1回、2年生3回、3年生3回)実施。
・施術所見学を4回(1年生1回、2年生2回、3年生1回)実施。
・利用者主体の実技クラブを年間9回提供、進路選択の意識化を図った(参加延86人)
・職場(ヘルスキーパー)見学は感染症拡大の影響により2回の計画が実現せず。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により施術所見学を中止したセンターでは、施術所の方に来ていただき講演を開催、または就労に関する情報提供が行われており、今後も状況に応じて柔軟に対応の上、利用者への支障がないよう代替手段を講じていただきたい。
オンライン授業を実施したセンターでは、利用者の感染リスクの軽減、教官の授業展開の工夫がみられ概ね好評であったことから、今後もオンラインによる授業や支援を展開していただきたい。
新型コロナウイルス感染拡大の影響の中で、全体評価が「4」であり、この評価結果については、各評価項目における見直しと改善が組織的に行われた成果であると、その評価を肯定的に受け入れている。国の施設としての使命感をもって取り組むとともに、一方で地域における認知度の向上と貢献、情報発信を行っていただきたい。
一部のセンターでは、業務報告会等現行の自己評価項目に載らない多くの取組が行われており、そのことも自己評価に反映されるようにしていただきたい。
引き続き、データの集計・分析を行うために来年度も調査を継続予定。 原級留置者の状況を調査し、7月中に結果を所沢センターに提出した。 原級留置者の進級、卒業・終了等の現況を調査して、結果を所沢センターに提出して、教務課長会議で情報共有した。
また、オンライン教育や利用者の能動的学習推進のため、教官を対象にしたICT研修に関して、iPadの操作方法を5月と1月、Skypeの操作方法を3月の計3回実施した。 利用者のICT利用は、使い方に個人差はあるものの、約75%の方がPCまたはタブレットを、学習に使用している。また、今後のオンライン授業実施に向け、受験学年を対象にオンライン授業の説明と模擬実践を11月に2回、教官研修会を、12月に2回実施、3月に1回実施した。 利用者のICT利活用状況の調査を12月に実施、集計・分析を行い、3月の業務報告会に詳細を報告した。
新型コロナウイルス感染症対策のため、7月予定の第1回教官研修会開催を中止。
9月に、音声ユーザー教官用にキーボード・インターフェイスによるパソコン研修会を2日間企画、4名が受講。その伝達研修を12月に2日間開催して、さらに2名が受講した。2月に情報化対応支援者研修会(Web開催)に2名が参加、3月の教官研修会においてZoomを含むICT機器の活用法を取り上げた。教官を対象とした研修会を全4回実施した。
・模擬試験を3回実施(7月、11月、1月)
・受験対策補習を延べ101回実施
・中長期的な受験対策の検討(9回)を適正な評価基準の検討(1回)とともに実施
・利用者の学習上の課題を抽出し、早期からの受験対策の検討資料とするため、1、2年生を対象に実力試験及び試験結果を踏まえた補習を実施(冬季・春季休業機関中) 新たな出題形式での国家試験受験対策及び中長期的な受験対策への取組結果は以下のとおりである。
・4月の緊急事態宣言中に国家試験過去問題等の受験対策用学習教材の配布・配信。
・年間3回の模擬試験実施(6月、11月、12月)
・第2回模擬試験までの受験対策補講を実施(10月から33時間)
・第2回及び第3回模擬試験結果を踏まえて個別支援(11〜2月)、国家試験受験直前補講を実施(2月に19時間)。
・利用開始時からの受験対策のあり方に関して教官を対象としたアンケート調査を実施し(5月)、昨年度実施した国家試験合格者の分析結果等を踏まえて、来年度からの形成的評価の組織的な取組(実施期間・実施学年と科目)を決定した。 ・3年生へ新たな形式に準じた模擬試験を3回(6月、11月、1月)実施した。
・10月9日より国家試験直前まで、受験対策補習を週6時間(計43時間)実施した。
・1、2年生に対しては、年度当初実力試験を夏季休暇中に実施する予定でいたが中止とし、夏季及び冬季休業期間中の課題として提供した。また、春季休業期間中に特別支援を9日間(計72時間)実施した。
・中長期的な受験対策は、担当主任を中心に検討し実施案をまとめた。 ・3年生を対象に、5月、11月、1月に新出題形式で3回の模擬試験を実施した。
・さらに3年生を対象に模擬試験結果に基づく受験対策補習を企画して実施、延べ100時間提供した。今年度国家試験結果では、あん摩マッサージ指圧師試験において現役受験者7名全員が合格した。
・全学年を対象に、実力試験を夏季・冬季休業期間中に2回、1,2年生を対象に春季休業期間中に1回、実施した(任意参加)。
・中長期的な受験対策に関する既存の文書を改正して、受験科目意識調査や到達度チェック試験を制度化するとともに、学習困難者の情報共有や早期支援の強化体制に向けて、サービス管理責任者及び受験対策担当者に関する業務マニュアル(試案)をそれぞれ作成した。
1.衛生リスク管理に関して検討会を3回行い(4月〜6月)、理療教育における感染症予防に関するガイドラインを作成し7月から実践した。ガイドラインの検証は、概ね良好であり来年度以降実践する予定。
2.身だしなみや実技室の使用方法、実技用具の扱いに関しては、各実技において担当教官の会議を開き課題を抽出した(5月)。来年度の実践に向けて取りまとめた(3月)。 担当主任により、科目担当者からの意見や課題を取りまとめ、課内において検討・整理した。
また、当センターの臨床実習指導マニュアルも、同様に実施した。 担当主任教官を中心とする担当者打ち合わせを2回実施して、今年度取りまとめの方針を確認した。既存のマニュアルの課題を調査したところ、マニュアル存在の不知、現指導内容との乖離点、臨床実習前評価のあり方等についての意見や課題が整理された。
<事務局付記>
令和3年度学校関係者評価委員会の開催について
国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局就労移行支援(養成施設)理療教育学校関係者評価委員会設置要綱(令和元年8月22日)に基づき、
理療教育の職員とその関係者らが理解を深め合うことによって、学校評価(自己評価)の客観性や透明性を高めるとともに、理療教育のサービス向上を
図ることを目的として以下のとおり委員会を開催した。
1 開催日
令和3年5月31日(月)
2 開催場所
国立障害者リハビリテーションセンター本館4階中会議室
3 開催概要
各委員に対しては事前に学校評価(自己評価)結果を含む関係資料を送付し、各施設に対する質問・意見等を抽出した後、これらを含めた評価・検討
を行い、最終的に上記の委員会としての検討結果(コメント)が示された。
4 委員
(1) 地域のあん摩マッサージ指圧、はり、きゅう関係者
鍼灸院 院長
(2) 地域住民
学校薬剤師
(3) 地域住民
障害者就労移行支援施設理事
(4) 地域の学校関係者
国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科主任教官