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ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 公衆衛生 > 生活排水処理施設の整備促進について
更新日:2025年9月8日
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私たちの日常生活においてトイレや台所、洗濯機、洗面所で水を使用することにより生じる排水を適切に処理し、水環境を守るために、単独処理浄化槽等から合併処理浄化槽への転換の必要性について説明します。
生活排水とは、私たちの日常生活においてトイレや台所、洗濯機、洗面所で水を使用することにより生じる排水のことです。生活排水が適切に処理されず、汚れた水が川や海に流れ込んでしまうことが、水環境に悪影響を及ぼす大きな要因となっています。
日々の生活において意識せず生じている生活排水がどの程度環境に影響を及ぼす可能性があるのか、以下の例をもとに簡単に説明します。
生活排水では、水の汚れの程度を表す際にBOD(生物化学的酸素要求量)という指標を用います。ここでは暮らしの中から出る各種食品のBODと、それを比較的汚染に強いコイやフナが住める程度の水質(BOD5mg/L)にまで希釈するのにどれくらいの水が必要であるかを試算しています。
食品名
(おおよその濃度)
これだけ捨てたら
コイやフナの住める水質
にするために必要な水の量
(風呂おけ300Lが何杯分)
1人1日当たりの生活排水の
BOD量を約40,000mgとした場合、
何人分のBOD量となるのか
生活排水をきれいに処理する施設を生活排水処理施設と言います。生活排水処理施設には、大まかに「集合処理方式」と「個別処理方式」があり、地域の状況やそれぞれの特徴を生かして、適切に役割分担され、生活排水を適切に処理できる環境の整備が進められています。
生
活
排
水
処
理
施
設
集
合
処
理
下
水
道
公共下水道 市町村内の下水を排除・処理する下水道で、市町村が管理するもの。上記の施設によりすべての住居の生活排水が処理されている訳ではありません。生活排水のうち、トイレからの排水のみ処理をする単独処理浄化槽(みなし浄化槽)や水洗式ではない汲み取り便槽の場合は、生活雑排水(し尿以外の生活排水)については処理されずに川などに流れることになります。
単独処理浄化槽は生活雑排水も併せて処理する「合併処理浄化槽」に比べて、BODの量が8倍になります。
どうして、単独処理浄化槽や汲み取り便槽が設置されているかについては排水処理の歴史が関係してきます。
日本におけるし尿の農地還元は、鎌倉時代から本格化し、室町時代には全国に普及し、安土桃山時代に定着していったと言われています。さらに都市化が進んだ江戸時代には、農家のみならず、市街地の民家においても汲み取り便槽は大型化し、肥料供給源としての役割を担っていました。農家がし尿を肥料として確保し、育った農作物を町の住民が消費する。このようなし尿循環システムは1960年代まで続きました。
高度経済成長期に入り、化学肥料の普及や都市化の進行により、従来の「し尿循環システム」が崩壊し、大都市で増え続けるし尿の衛生的な処理が大きな社会問題となりました。それに対応するために、市町村により処理施設の整備、国によるし尿処理技術の開発を推進し、併せて「トイレの水洗化」を目的とした「単独処理浄化槽」も急速に普及していきました。
このような背景から、多くの家で使用されていた単独処理浄化槽や汲み取り便槽は未だに転換されずに使用されているものがあり、水環境の観点からみると単独処理浄化槽や汲み取り便槽からの転換が急務となっています。
高度経済成長期以降、全国的に河川や湖沼などの公共用水域の水質汚濁が深刻な社会問題となっていました。その主な原因は、比較的大規模な工場や事業場からの事業系排水と、下水道整備の遅れおよび単独処理浄化槽の急増による未処理の生活雑排水によるものでした。1970年、水質汚濁防止法の制定に伴い、事業系排水に対する排水規制が強化され、公共用水域に流入する汚濁負荷に占める未処理の生活雑排水の割合が上昇したことで、近年では、生活雑排水が主な水質汚濁の原因となっています。
このような状況を踏まえ、水環境の保全のため、単独処理浄化槽または汲み取り便槽から合併処理浄化槽への転換(または下水道への接続)を促進し、生活排水処理率の向上を図る取組みが進められています。
以下のとおり、それぞれの主体には役割があります。
•流域下水道の整備・維持管理
•下水道、農業集落排水施設に係る市町村への技術支援
•合併処理浄化槽等に係る市町村への支援
•生活排水処理施設に係る広域的な調整
•生活排水処理施設の普及・維持管理に関する県民への啓発活動
合併処理浄化槽への転換について、設置工事費用の補助を受けられる場合があります。
補助制度の有無、補助の内容や金額については、各市町村によって内容が異なります。「わたしの住む地域ではどのような補助を行っているの?」という方は、下記のリンクにより各市町村ホームページをご確認ください。
※(注記) 以下の一覧にない市町村の情報については、こちらでは把握できておりません。申し訳ありませんが、各市町村窓口へお問い合わせください。
<参考>国や県の補助制度
国や県は、以下のような交付金・補助金により、市町村が補助する金額の一部を負担しています。
(1)【国】循環型社会形成推進交付金(浄化槽設置整備事業)
(2)【県】神奈川県浄化槽整備事業補助金
(3)【県】神奈川県水源環境保全・再生市町村補助金(生活排水処理施設整備)
※(注記) 神奈川県では相模川水系・酒匂川水系取水堰の県内集水域において、(2)の補助金に追加して補助を行っています。
浄化槽は微生物の活躍により水をきれいにしています。様々な装置が組み合わされており、機能を正常に保つためには各装置の適正な維持管理が必要です。
維持管理では「保守点検」「清掃」「法定検査」を行います。詳細は生活衛生課のページよりご確認ください。
このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。