草の根技術協力(地域活性化特別枠)事業「ベトナム南部における科学的根拠に基づく患者中心の保健医療サービス向上:大学と医師会の連携イニシアチブ」(フェーズ3)
疫学研修プロジェクトの概要
疫学研修プロジェクトって何?
イメージ画像 疫学というのは、病気の広がりや原因を調べたり、治療の効果を確かめたりする学問です。
そのためには、病院のデータをまとめて分析する技術が必要となります。このプロジェクトでは、ベトナムの医師にデータをあつかう技術を伝えて、ベトナムと日本の専門家がともに学び合い、交流を深めています。
どうしてベトナムなの?
ベトナム地図
プロジェクトリーダーの後藤教授は、福島県立医科大学の教員になる十数年前に、アメリカの団体のスタッフとして、ベトちゃん・ドクちゃんがいたホーチミン市内のツーヅー産婦人科病院で疫学研修を始めました。
ベトナムは東南アジアにあり、急速に発展している国のひとつです。親日家が多く、日本との交流がはじまって40年になります。
<ベトナム社会主義共和国>
面積:32万9,241平方キロメートル
人口:約9,762万人(2020年、越統計総局)
首都:ハノイ
言語:ベトナム語
〜ベトナムウラ話〜
最近のベトナムでは日本のように糖尿病や心臓病などの生活習慣病が多くなってきています。
※(注記)生活習慣病とは、日々の好ましくない生活習慣の積み重ねで引き起こされやすい病気です。糖尿病や心臓病の他にも高血圧、脂質異常症、脳卒中などがあげられます。
街中のバイク 街中の建物 街中の市場
科学的な根拠って?
病気の治療が上手くいっているかどうかは、検査の結果を見ます。この数字のデータが科学的根拠になります。それだけでなく、治療生活を送る患者さんの気持ちが落ち込んでいないか、医療サービスに満足しているかなどをアンケートで確かめます。このような患者さんの声も、科学的根拠になります。
今後どのような成果が望まれるの?
体重計 過去に研修の卒業生と講師が協力して、糖尿病患者さんの身長や体重、その他いろいろなデータを分析しました。これをきっかけに、現地の病院で身長計と体重計が整備されました。データを用いて日々の診療を振り返ることにより、サービスが向上していくことが期待されます。
〜ベトナムウラ話〜
ベトナムの医師によりますと、ベトナムでは病院の外来診察室には、身長計や体重計が設置されていないことが多いようです。
このプロジェクトの主な流れ
オンライン現地研修の追加研修を実施しました(令和3年3月)
令和3年3月20日にオンライン現地研修の追加研修を行いました。1月に実施した研修の際に聞かれた要望に基づいて企画したものです。ライブ研修に加えて、ホーチミン市医師会ホームページで期間限定のオンデマンド研修として録画を掲載したところ、令和3年度内に160人以上が受講しました。
録画の一部は、福島県立医科大学の大学院生用自己学習教材としても活用予定です。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、今後もオンライン研修を続ける予定です。
※(注記)研修の様子
2021年3月オンライン現地研修(英語) [PDFファイル/114KB]
オンライン現地研修を実施しました(令和3年1月)
令和3年1月7日〜10日にオンライン現地研修を行いました。新型コロナウイルス感染症の影響のため、初めてのオンライン実施となり、約30名が参加しました。
最終日には、本事業10周年を記念してJicaベトナム事務所にスピーチしていただきました。また、現在、福島県立医科大学より10周年を記念して印刷した研修教本を配布しています。
※(注記)オンライン研修の様子テキスト表紙
2021年1月オンライン現地研修 (英語)[PDFファイル/565KB]
2021年1月オンライン現地研修シラバス(英語) [PDFファイル/414KB]
現地で研修会を実施しました(令和元年8月)
令和元年8月にベトナム・ホーチミン市及びアンザン省で現地研修を行いました。研修は福島県立医科大学とホーチミン市医科薬科大学のほか、鹿児島大学、順天堂大学の協力の下、実施されました。福島県立医科大学医学部生、院生各1名が研修運営に関わったほか、現地の若手医師が講義を行うなど、人材育成にもつながる充実した内容となりました。
運営チームは2年連続の地方研修により地域社会経済の発展に貢献したとして、アンザン省人民委員会から感謝の証として楯を授与されました。
福島県立医科大学の研修報告ホームページhttps://www.fmu.ac.jp/univ/daigaku/kouryu/hochiminh201910.html
2019年8月現地研修写真1
※(注記)両国の合同プロジェクトチーム
2019年8月現地研修写真2
※(注記)アンザン省人民委員会から授与された楯(福島県国際課への研修実施報告)
現地で研修会を実施しました(平成30年8月)
平成30年の夏に12回目の現地研修を行いました。講師は福島県立医科大学とホーチミン市医科薬科大学からだけでなく、鹿児島大学、順天堂大学、名古屋大学から集まりました。この研修は参加型の講義と実習が特徴で、「包括的ケア」(患者さんの検査データだけでなく、生活背景も踏まえた診察)の推進を目指します。今回は地方研修も実施した点と、福島県立医科大学の医学部生だけなく看護学部生も参加した点が新たな展開となりました。
講義 演習
※(注記)講義 ※(注記)演習
地方研修修了式 ※(注記)地方研修修了式
ホーチミン市研修修了式 ※(注記)ホーチミン市研修修了式
指導者研修を国内で実施しました(平成30年7月)
平成30年も国内研修を行いました。ホーチミン市医科薬科大学関連病院から2人のベトナム人医師が参加しました。今回は福島県庁を訪問し、順天堂大学および福島県赤十字血液センターと連携して、臨床サービスの向上を目指したより実践的な内容でした。福島県滞在中はこれまでに本事業に参加した学生や院生との交流会も開催しました。
国際課 ※(注記)福島県国際課
順天堂大学 ※(注記)順天堂大学
赤十字 ※(注記)福島県赤十字血液センター
交流会 ※(注記)交流会
現地で研修会を実施しました(平成29年8月)
2017年の夏に11回目の現地研修を行いました。講師は福島県立医科大学とホーチミン市医科薬科大学からだけでなく、鹿児島大学、順天堂大学、名古屋大学から集まりました。この研修は、参加型の講義と実習を通じて、すぐに使える技術を学べることを特徴としています。今回は、患者さん方の意見が医療サービスに反映されることを目指して、意見(文章のデータ)を分析する技術も伝達しました。
私たちのベトナムとの活動は双方向性であり、日本側が教えるだけでなく、ベトナム側が福島県立医科大学の学生や大学院生の指導をしています。様々な分野の共同研究もしています。今年の研修には、医学生1名と大学院生1名が参加して、現地で交流を深めました。お互いに学び合える協働をモットーにしています。
01
指導者研修を国内で実施しました(平成29年8月)
4回目となる国内研修を行いました。ホーチミン市医科薬科大学と大学関連病院から2人のベトナム人医師が参加しました。今回は、埼玉県で開催された国際疫学会に参加し、福島県庁を訪問した後に、福島県総合衛生学院で講義演習を行いました。最終日には、埼玉県観光を福島県立医科大学の看護学生と一緒に楽しみ、交流を深めました。
02
新しいフェーズが始まりました(平成29年3月)
また、現地医師がより主体的に研修を運営できるようになることも目的とします。新しい契約締結の準備をしていた平成28年度も、写真に示したような現地研修と国内研修を実施しました。
※(注記)写真左が福島県立医科大学の後藤あや教授、右がホーチミン市医科薬科大学のKhoa先生
※(注記)(左)国内研修(現地チームの中心メンバーであるKhoa先生が日本疫学会総会で発表) ※(注記)(右)現地研修(平成28年8月実施) |
このプロジェクトは、福島県立医科大学総合科学教育研究センター 後藤あや教授を中心とした保健医療サービス向上のための、大学と医師会の連携による医師育成事業です。ご興味のある方は、このプロジェクトのホームページをご覧ください。
Jica草の根技術協力(地域経済活性化特別枠)事業「ベトナム南部における科学的根拠に基づく患者中心の保健医療サービス向上:大学と医師会の連携イニシアチブ」はこちらから http://www.fmu.ac.jp/home/public_h/ebm/
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